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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

蝶の日傘

蝶の日傘






黒い背中に熱い矢が突き刺さる

大粒の汗を拭ってひとやすみ

蟻の背中に蝶の影が日陰を作る

一瞬であっても有りがたい蝶の日傘

見上げると蝶が破れかけた羽をひらひら

蟻さん お休みなさいな

小さな影にお入りなさい

少しは汗も引くでしょう

破れた羽から鱗粉が零れている

そう 私の命はあとわずか

蝶は蟻の上でよろよろ揺れている

蟻さん 私の命あなたにあげる

いいのよ どうせ私はもう逝くのだから

もう あなたの日除けになれないの

わたしをあなたの命に代えていいの

そういって蝶は力尽きて蟻に墜ちる

蟻は大粒の涙を零しながら蝶を抱く

ありがとう あなたはぼくの命になる

言いながら蝶を曳く夏のさかり

陽射しはまだ矢のように鋭い


そこまで見て僕はおもむろに歩き出した











阜可 忠

令和元年七月十日
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  1. 2019/07/10(水) 20:17:50|
  2. | コメント:2
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コメント

蝶の日傘

こんにちは~。
生き物(虫達)の世界にもドラマがありますね。この物語風な表現に魅かれました^^v

私が子供の時、蟻が沢山集って、蟻の何倍もあるような果てた虫を引いて行く様子を
しゃがみこんでじっと見ていた記憶があります。それは、なんだか凄い行列の様でした。
  1. 2019/07/11(木) 17:33:01 |
  2. URL |
  3. 風花 #-
  4. [ 編集 ]

Re: 蝶の日傘

> こんにちは~。
> 生き物(虫達)の世界にもドラマがありますね。この物語風な表現に魅かれました^^v
>
> 私が子供の時、蟻が沢山集って、蟻の何倍もあるような果てた虫を引いて行く様子を
> しゃがみこんでじっと見ていた記憶があります。それは、なんだか凄い行列の様でした。




風花様

コッメントを下さり有難うございます。

蝶の影が歩道に映って幻想的に思えました。
其処からイメージが膨らみ自分を見つめなおすことにもなりました。
そういえば、私も蟻の行列を飽きずに眺めていたことがあります。
大人になってもあの点線を辿りたくなります。

小さな虫の世界を覗くのも楽しいものですね。
  1. 2019/07/11(木) 19:34:08 |
  2. URL |
  3. 阜可 忠 #-
  4. [ 編集 ]

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