いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。
河口の秋
河口を塞ぐ入道雲が
いつの間にか消えて行く
ほうき雲に掃き清められ
蒼空を水面に映す秋となる
河口の秋は水面に流れていく
葡萄の酒の夕暮れまぢか
想いを重ねる人ありて
明日の空さえ染めていく
阜可 忠
令和元年九月三十日
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- 2019/09/30(月) 22:21:28|
- 詩
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秋よ
まだ覚めやらぬ真夏の夢が
真っ赤なマントたなびかせて
まだ焼き足らぬと空を焼く
確かに秋は来ているものを
無理に戻れと押し返す
それでも朝には夕に
清々しい風が頬を抱く
遠慮しないで秋になれ
永い夜に想いを偲ぶ
封じたままのあのときの
綴った文字を追ってみる
秋よ来い来い
秋よ来い来い
あの方の胸の上辺にも
わたしの胸の深い所まで
阜可 忠
令和元年九月三十日
- 2019/09/30(月) 22:04:44|
- 詩
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風の花
コスモスは風の花
風を纏って蒼空に咲く
薄むらさきのはなびらで
あなたの爪を咲き染める
コスモスは風の花
空の淡青を透かせて咲く
遠く離れた地に想いを馳せる
何処にいて誰のために咲いているのと
hukatadashi
令和元年九月二十七日
- 2019/09/27(金) 19:25:38|
- 詩
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コスモス
あなたの好きな秋がまたやって来た
秩父のコスモスを訪れる約束は
果たせないまま心の隅に沈んでいる
あの眩しい時を残して
あなたが故郷に帰ってしまったから
秩父のコスモスは未だ淋しがり屋で
あなたを待って秋風の中
秩父の駅の片隅で揺れている
細いからだを揺らしている
hukatadashi
令和元年九月二十六日
- 2019/09/26(木) 19:17:10|
- 詩
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なみだ
涙腺の緩む季節を迎えた
しっとり浸みてくる哀し歌
詰め切れない想いの欠片
歌い手の語りかけるような其の歌に
過ぎ去った波の重なり覚えて
夜も朝も何度も聴いてなお飽きず
抑えきれない痛い程のなみだを
君は安っぽいなみだと哂うだろうか
涙腺の緩んだ年寄りと哂うだろうか
気が付かなくても仕方ない事
心の奥底にこびり付いた哀しみを
波に乗せてこの歌に重ねるとしても
きわめて個人的な想いなのだから
あなただけが知る想いなのだから
阜可 忠
令和元年九月二十六日
- 2019/09/26(木) 09:57:28|
- 詩
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秋の
あなたの秋が届きました
くにざかいの山を下りきて
コトリと小さな音 郵便受けに
宛名に私の名前 丸い文字
封筒に微か色さえとめて
紅葉を一枚同封されて 誘い来る
十一月になる前にお越しくださいと
都合のいい日がかいてある
阜可 忠
令和元年九月二十五日
- 2019/09/25(水) 02:39:38|
- 詩
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今は詩えない
花の詩はうたえない 今は
恋の詩はうたえない 今は
災禍に術もなく悲しむ人に
声をかける事を戸惑ってしまう
花の詩も恋の詩もうたえない 今は
瓦礫の中に失った大事な想いで
癒されない傷の大きさ
僕の言葉は陳腐過ぎて
語ることは出来ない 今は
阜可 忠
令和元年九月二十四日
- 2019/09/24(火) 01:00:51|
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足長蜂
夏の忘れ物は小さな無花果の実
熟れも出来ずに枝に群れている
焼けこげた葉の影に隠れている
緑色の無花果の実を抱く足長蜂
夏の風に戻り損ねて命果てるのか
虎模様のタキシードはそのままに
細い足をくの字に曲げている
誇らしげに太陽を受けた勇姿は何処
今は物言わず翅を閉じている
想えばひと夏のいのちか
心に去来するものは何だろう
足長蜂は誇りを滲ませる
後悔もなく成り行きにまかせて
阜可 忠
令和元年九月二十三日
- 2019/09/23(月) 08:46:24|
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命の花
最初は心の小さなほくろ
針の先ほどの傷をつけた様な
まず君は恋人であり
君は妹であり
姉であり
母の様であり
姫であり
天使の様である
縁あって出逢って
縁なくて別れて
想い人にかわらない
永くて短い人生に枯れる事を知らない
一輪の花に相違なく
こころの花瓶に活けている
命の花として
此の花に優る花は無いと知る
阜可 忠
令和元年九月十四日
- 2019/09/14(土) 22:48:29|
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秋の月
突然の電話
声が弾んでいる
月が綺麗だから観て下さいと
そういえば今夜は中秋の名月
心の余裕もなく忘れていた
頑強な暑さもさすがに去り
清々しい風を感じる秋の夜
磨き抜かれた月のひかり
街の騒がしい色も音もなく
心に遮るものとてない
秋服の支度を整えたら
コスモスの咲き乱れる畑
花であなたを埋める計画
富士山のみえるコスモス畑
月の知らせのお礼に
阜可 忠
令和元年九月十四日
- 2019/09/14(土) 03:52:06|
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秋
ひとみに秋が映っている
覗きこむと君が其処にいて
僕の秋を見ようとしている
昨年も もっと前の秋にも
互いの秋を探していた
絵画館に続く道すがら
青空と公孫樹と歩道と
ひとみの中に秋を少しずつ
嵌めこみながら歩いた
秋は二人の傍にいて あの頃
こころの奥まで沁みこんで 今は
懐かしくも淋しい秋を知らせる
君のひとみを覗くと秋が見えて
黙ったまま涙する君がいる
阜可 忠
令和元年九月二日
- 2019/09/02(月) 21:34:23|
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