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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

墨糸

墨糸





覚悟の無いままに

ひとを恋ゆる身のあわれ

ひたすらに求めながら

暗夜の海に漕ぎ出すような

星を結ぶ見えない糸を頼りとして

愛される保証などないままに

あなたに想いを告げる夜

絹糸に墨を含ませて弾く

線を引くあなたのこころに   






huka tadashi

令和元年七月三十一日
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  1. 2019/07/31(水) 10:14:17|
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幻想

幻想






夜の向こうから君のピアノが聴こえる

僕はその横にいて本を開いている

文字が音符のようにゆれている

眼を閉じて半寝に墜ちる少し前

君にショパンを頼んだらしい

君は愛撫するようにピアノを弾く

ああ 気持ちの良い夜だ

幻想の夜に僕は堕ちていくのだ



阜可 忠

令和元年七月二十七日
  1. 2019/07/27(土) 00:53:17|
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火垂る

火垂る





遠慮なく時は過ぎる

いたぶる様にゆっくり

冷徹なほどに速く

気が付けば時を跨いでいる

油断も隙もないやつだ

闇を連れて来て

闇を敷き詰めていく

透けて見えるのは僕の火垂る



hukatadashi

令和元年七月二十七日
  1. 2019/07/27(土) 00:26:24|
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夢花火

夢花火





花火があがる

ひるひるぱかーん

ひるひるぱかーん

あなたのおでこが花になる

あなたのおでこが花になる

ひるひるぱかーん

頭の中が空になる

遠い遠い昔の 夏はまぼろし




阜可 忠

令和元年七月二十六日
  1. 2019/07/26(金) 23:58:31|
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直ぐに忘れる恋は 恋ではないと

出逢った時にあなたは言うが

世間の荒波に呑まれる恋もある

心が壊れるほどに想っていても

涙の波に翻弄されて

自らほどいた舫い綱

あなたに伝わらぬわけはない

忘れられる筈などないものを

直ぐに忘れろと舟を押すあなた







enkanoyouna
阜可 忠

令和元年七月二十五日
  1. 2019/07/25(木) 09:55:03|
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天相撲

天相撲





河口へ広がる空は高い

梅雨の未練も綺麗に消えて

川面は燦めいている


青い蒼空を担ぎ上げる入道雲

入道雲を抑え込む青い蒼空

くんづほぐれつ天相撲の初日







阜可 忠

令和元年七月二十四日
  1. 2019/07/24(水) 22:52:56|
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生きる理由

生きる理由






遊びで死ぬことは出来ない

仕事で死ぬことは出来ない

自分の為だけに使いたい

好きな人への想いだけに使いたい

恋人であれ 家族であれ

好きな人への想いだけで果てたい






阜可 忠

令和元年七月二十二日
  1. 2019/07/22(月) 20:59:55|
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偽善

偽善






本音だけで一生を送る事かなわず

偽り事で一生咲けるはずもなく

人は目出度くも他人の弱みをあざ笑い

虚偽を責めたてる

本音を貫いて死ぬもよし

偽り事を飲み下して生き続けるもよし

どちらを生きても楽なことは無しと知れ





hukatadashi

令和元年七月二十二日
  1. 2019/07/22(月) 20:45:31|
  2. | コメント:2

涙色の花

涙色の花





変わりゆく街に

あの頃の想い偲ぶ物は無い

妙正寺川に貼り付く空も

哲学堂に抜ける道の足跡も

かさなる月日に耐えられず

変わりゆく街に消えて行く


偽りのなかの小さな真実が

虫食い葉の穴から漏れて

哀しみの尾を曳いて

こぼれるひかり

変わりゆく街に

偲び事さがすように

ゆれている涙色の花が





阜可 忠

令和元年七月二十二日
  1. 2019/07/22(月) 16:36:28|
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消息

消息






行方知れずの君に

逢いたいと探す術もなき

花が去り 人が去り


楼閣は無残にも砂に埋もれる

名を呼ぶ声さえ風に消される

君は何処にいる 君は無事でいるか


人知れず君は尋ね来て気配を残す

良いんだ 君求めるまま自由でいれば

何処にいても元気で居りさえすれば





阜可 忠

令和元年七月二十一日
  1. 2019/07/21(日) 00:13:23|
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小雨

小雨




帰るころには小雨となって

工事現場の灯りが滲んで見える

傘も持たずに濡れそぼり

残る火照りを冷まして歩く

学校脇の小さな花壇

咲く百合に雨がふる

花脈を滑りおりる未練げに

ふりかえるこの小雨の愛おしさ





阜可 忠

令和元年七月十八日
  1. 2019/07/18(木) 23:03:19|
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画伯の白馬

画伯の白馬




言いようもなくこころ騒ぐ時

夢を乗り継ぎ此の湖の畔に来て

魁夷画伯の白馬を待っている

森も湖も風も深い眠りにつくころ

白馬は月の光りをうけて時を食む

怒りも哀しみも悦びも意味は無く

幽玄の時に溶ける画伯の白馬


阜可 忠

令和元年七月十六日少し前
  1. 2019/07/15(月) 23:57:17|
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ひとり

ひとり





眠れない夜は温まらない床を離れて

パソコンに君を訪ねる

切り絵のように僕を貼り付けて

おどけながら真実らしく見せようとする

演じれば演じるほど真実から離れて

大根役者の舞台が白くなる

パソコンの君は全てお見通しで

悲しそうに僕を見る

カーソルは点滅して文字をせかせている

僕は血の色で”愛 “とかいて電源を落とした

画面は当惑を顔にうかべて

段々と血の気が失われていった



阜可 忠

令和七年七月十五日
  1. 2019/07/15(月) 03:19:49|
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美しいのは

美しいのは




其処に咲いた花にこころ捉われて

我を忘れて蝶のように乱舞したこともあった

幾ら花に纏わりついても一枚の花びらにもなれず

失意の果てに見たものは破れて飛べない薄い翅

いたずらに宙を舞い螺旋に墜ちる

あれから 幾度も山野をはい回り

野に咲く小さな花たちに心いだかれ

人の世の情の優しさを知らされた


美しいのは景色や野に咲く花だけではない

友は更に続けて言う

美しいのは人のこころ

こころのやり取りに涙したとしても

縁なく別れたとしても

お前は最大の理解者を得たのだから

その真実だけを信じてあげろ と

いま思い出される友のあの時の言葉

ああ   お前に礼を言ってなかったなあ



阜可 忠

令和元年七月十四日
  1. 2019/07/14(日) 20:28:58|
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蝶の日傘

蝶の日傘






黒い背中に熱い矢が突き刺さる

大粒の汗を拭ってひとやすみ

蟻の背中に蝶の影が日陰を作る

一瞬であっても有りがたい蝶の日傘

見上げると蝶が破れかけた羽をひらひら

蟻さん お休みなさいな

小さな影にお入りなさい

少しは汗も引くでしょう

破れた羽から鱗粉が零れている

そう 私の命はあとわずか

蝶は蟻の上でよろよろ揺れている

蟻さん 私の命あなたにあげる

いいのよ どうせ私はもう逝くのだから

もう あなたの日除けになれないの

わたしをあなたの命に代えていいの

そういって蝶は力尽きて蟻に墜ちる

蟻は大粒の涙を零しながら蝶を抱く

ありがとう あなたはぼくの命になる

言いながら蝶を曳く夏のさかり

陽射しはまだ矢のように鋭い


そこまで見て僕はおもむろに歩き出した











阜可 忠

令和元年七月十日
  1. 2019/07/10(水) 20:17:50|
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挿絵

挿絵






あなたの人生物語の

僅かな空間に忍びこむ

小さなものくろの絵をかいて

文字の気配も消して

ページ―の中に隠して

出逢った事の証に残そうとする

いつかふと物思いにふける時

ページーが捲られてはらり

挿絵が舞い降りたとしたら

わたしの気配に気が付くだろうか


あなたの人生物語に

埋もれた記憶

定かではなくとも

一人の通行人として

あなたの物語に出演したことに

挿絵は誇らしげに墜ちていく

それがわたしの人生物語


阜可 忠

令和元年七月十日
  1. 2019/07/10(水) 09:48:10|
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哀淵

哀淵




歩みを留めて振り返れば

水面に貼り付いて揺れる月

哀しみの淵から溢れる微かな音

拭いきれない執着の軋み

愛憎の残骸がひしめき合って

人の営みの危うさを匂わせる

今宵立ち上る哀しみの淵から



阜可 忠

令和元年七月八日    誕生の日に
  1. 2019/07/08(月) 10:28:02|
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七夕の雨

七夕の雨





一年一度の情を乗せる

笹舟に花色の帆を立てて

静かに君に逢いに行く

急きたてる気持ち押さえて

ひとよの逢瀬をゆく


雨は星のしずく

天上の川は星の河


別れれば繋げぬ舟に

許されてたったの一夜

互いのこころを抱きとめに

逢えるだけ幸せときつく









阜可 忠

令和元年七月八日
  1. 2019/07/08(月) 04:08:25|
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灰色の花

灰色の花





想い深ければ なお君は遠のく

あれから幾多の季節が過ぎ

灰色の花を咲かせては散らしていく

報われない時に意味などなくとも

実を結ばない愛し花

想いのみ残す屍となりても



阜可 忠

令和元年七月六日
  1. 2019/07/06(土) 10:07:40|
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ポセイドン

ポセイドン




雨よ僕に降れ もっと激しく

風よ僕をくりぬいて吹け

強欲な僕を流してしまえ

軽い僕の心を吹き飛ばしてしまえ

跡形もなくこの地から消して

ポセイドンに届けよ

そして怒りを収めよ

いたずらに地を流し

ひとの細やかな営みを揺するな


雨よ僕に降れ もっと激しく

風よ僕をくりぬいて吹け

全ての重しを僕につけて

深い海に沈めよ

ポセイドンに僕の偽善を届けよ

そして 怒りを収めよ

怒りを収めよ




阜可 忠

令和元年七月五日
  1. 2019/07/05(金) 04:59:35|
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祈り

祈り





君の住むところに心騒ぐ

君は無事で過ごしているか

濁流に流されていないか

三日三晩続いた豪雨

立ちすくむ君を想えば

安直に言葉は綴れなくて

いたづらに胸を痛めるばかり


ただ無事で在れと祈るばかり

ただ無事で在れと祈るばかり












阜可 忠

令和元年七月四日
  1. 2019/07/04(木) 20:42:01|
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お見舞い

お見舞い




梅雨の雨とは思えない、線上集中豪雨。

被害に遭われた方に心からお見舞い申し上げます。

報道によれば、まだこの雨は続くとの事.。

くれぐれも被害に遭わぬよう一時もはやく避難されて、

命を大事になさってください。

遠地よりですが、ご無事を祈っております。








阜可 忠

令和元年七月三日夜
  1. 2019/07/03(水) 20:05:22|
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芋の蔓

芋の蔓




いっときの梅雨の晴れ間

やわらかに薄日さして

細い手足を伸ばしている

雲のカーテンをよせて

蒼空を招いている

芋の蔓のひた向きに

求め探る心の休むところ

梅雨の合間のいっときに




阜可 忠

令和元年七月二日
  1. 2019/07/02(火) 10:08:43|
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紫陽花

紫陽花





ひとはな蘇り 梅雨の頃

それぞれの色を伝える紫陽花

染めてゆくのはどなたの想い

闇の中から何気なく浮かんでは

何時までも消えない咲きすがた

岸辺にさいては誰しのぶ


阜可 忠

令和元年七月朔日
  1. 2019/07/01(月) 20:30:35|
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