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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

窮するの記

窮するの記




はてさて困った

はてさて如何とする

無情にも赤文字の告示

世話になったのは確かだ

甘えてきたのも事実

まして道半ばの詩の世界

このまま朽果てる訳にはいかない

さてどうしたものか

立ち退き要求の告知

取り消しを懇願するも情けない

慣れ親しんだこの家を出て

何処に住まいを求めるか

寂しがってもいられない

平成最後の年に希を絶つか

新大陸目指して漕ぎ出すか

しばし 難民となるを覚悟する




阜可 忠

平成三十一年二月二十八日

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  1. 2019/02/28(木) 21:10:30|
  2. 日記
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飛び梅

飛び梅


 
 
この地に飛んで咲きに来い
 
二月も終わろうとするのに
 
音沙汰もなく季節は移りゆく
 
出会った事を責めているのか
 
過ぎた時を数えて指は折れ曲がり
 
髪はとうに白くなってしまったよ

 
飛び梅をじっと待つよりは
 
大宰府に逢いに行こうか
 
季節遅れの梅とそしられようと






阜可 忠

平成三十一年二月二十五日
  1. 2019/02/25(月) 12:58:09|
  2. 登美日抄
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使い捨て

使い捨て


 
 
健気にも最後の命
 
しゃりっと寂しげな声がして
 
ささやかな焔があがる
 
つかの間の人の世のこと
 
行く末を照らすのか
 
過ぎた日々を燃やすのか
 
使い捨てライターのほのお


 
 
阜可 忠

平成三十一年二月二十日
  1. 2019/02/20(水) 09:17:01|
  2. 壺中の天
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好奇心

好奇心



 
 
思いつく言葉無く
 
埋もれていく好奇心
 
冬枯れの地に歩みをとめ
 
魅入る先の人の所作
 
こころの震えが脈を乱す
 
 
美しきは季節の移ろい
 
美しきは人の営み
 
甘いも酸いも胸に落して
 
いのちを継いでまた歩を進める
 
こころに震えがある限り
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十一年二月十七日
 
 
 
  1. 2019/02/17(日) 10:50:48|
  2. 壺中の天
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別れの言葉

別れの言葉



 
 
ブルートレインが発刻を待っている
 
相応しい言葉が見つからない
 
何も言わず君の涙の向こうを見つめていた
 
別れを受け入れるしかないことは解っている
 
だから 僕は泣くまいと決めていた
 
この世で添えない者同士
 
彼の世で逢える筈は無いのに
 
こころの中で念仏のように唱えてみた
 
そうさ 彼の世でこそ逢おうと


別れるには濃密な時間を貪り過ぎた
 
別れるには好きになり過ぎた
 
悔やんでいる 切ない思いをさせた事
 
 
今も尚 僕は探している 
 
僕の為に 別れに相応しい言葉を
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十一年二月十六日
 
 
  1. 2019/02/16(土) 10:13:21|
  2. 登美日抄
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朝の街

朝の街


 
 
夜明け前の街は少しだけ朝の匂いがする
 
悩ましい長い夜が明けようとする朝の街
 
風はまだ冬の儘で人の気配もない
 
あちこちに貼り付いた冬の名残
 
剥がしながら歩くには指先が冷た過ぎる
 
朝を待つ僕 春を待つ僕
 
冬の夜の街が 軋みながら明けていく
 
早春の朝の匂いが充ちてくる



阜可 忠
 
平成三十一年二月十六日
  1. 2019/02/16(土) 07:24:56|
  2. 壺中の天
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この街

この街


 
 
この街のこの季節が好きで
 
この街に暮らす人が好きで
 
この街の他に行く所を知らない
 
騙したり騙されたりしたとしても
 
矢張り信じてしまう人のいる
 
愛したり愛されて別れたとしても
 
同じ時代に生きた証を分かちたい
 
 
この街のこの季節に生きて
 
この街のこの場所であなたと逢って
 
この街のそれぞれの季節感じて
 
遠くにいても近くにいても
 
ほんのひと時 夢を見た事も
 
この街で人と出逢うことの喜び
 
人生の醍醐味をこの街で知る
 
この街のこの季節が好きで
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十一年二月十四日
  1. 2019/02/14(木) 22:22:16|
  2. 登美日抄
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路地の雨

路地の雨



 
 
過去はいつもほろ苦く
 
こころの痛むことばかり
 
嫌な事ばかり思い出す
 
波乱万丈などと格好つけて
 
訊かれもしないのに語りだす
 
 
バーのマダムは気だるげに
 
煙草を灯りに吹きかける
 
話の先はきまっていると言いたげに
 
それでも黙って聞いている
 
何度も聴いた恋話
 
 
よおし今夜は唄うぞ
 
泣き虫カラスが歌いだす
 
酔えばいつもの悲し歌
 
下町夜更けの路地の雨
 
雪になるだろうこの雨は





阜可 忠 
 
平成三十一年二月十二日
  1. 2019/02/12(火) 21:22:17|
  2. こころみの詞
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雪幻

雪幻



 
 
都会の雪の早上がり
 
こころにひと時滲みてきて
 
想い隠せない雪は
 
降る前よりもはっきりと
 
輪郭あらわに残し行く
 
ああ ため息ひとつ
 
雪に埋もれたいと君の言う
 
帰り道の風は冷たいと




阜可 忠
 
平成三十一年二月十日
  1. 2019/02/10(日) 11:17:01|
  2. 登美日抄
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雪小紋

雪小紋
 
 
雪の中を小股で歩く
 
桜色下地に染めかかる
 
季節戻りの雪が降る
 
ちらほろ肩に舞い降りて
 
あなたに似合いの雪小紋
 
蛇の目がゆれる大鳥居
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十一年二月九日 雪
  1. 2019/02/09(土) 10:25:26|
  2. 登美日抄
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安曇野は今

安曇野は今



 
 
安曇野は今 雪明かりに浮かび
 
安曇野は今 雪涙ためて
 
寒さに春のひかりを待つか
 
 
常念は雪峰みせて
 
陽の光り受け輝いているか
 
人の涙も恋しさも何もかも引き受けて
 
時が来れば何もかも解決すると笑う
 
 
ちひろの指のやわらかさ感じて
 
わたしは雪の安曇野を想像している
 
消してしまうには惜しすぎる
 
安曇野の雪を知らない わたしに
 
誰か 描きとめて残してくれないか
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十一年二月七日
 
 
  1. 2019/02/07(木) 20:23:43|
  2. 壺中の天
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白い闇

白い闇



 
 
王女は氷のロールスロイスに乗り
 
シベリアの奥から白い闇を走りくる
 
精霊たちは雪の結晶に跨り
 
木々をゆすり道路を隠し
 
白い暴走族よろしく走り回る
 
先導の親衛隊は口笛を吹き鳴らし
 
王女の為に白い闇を敷き詰めて
 
王女を迎えよと白い街にふれあるく



hukatadashi
 
平成三十一年二月五日
  1. 2019/02/05(火) 23:10:46|
  2. 壺中の天
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春気配

春気配

 
 
ひかりが川面に優しい手を差し出すと
 
みずどりは北の地に飛び立っていく
 
四羽たち七羽たち やがてみんな発ち
 
何もなかったような静寂にもどる
 
 
渡る風が木蓮の芽を叩いたり
 
かすかな春を配達してあるく
 
あと幾らもしないうちに来る春を
 
伝えるカラスのこえもする     




hukatadashi

平成三十一年立春の候
 
  1. 2019/02/04(月) 11:34:14|
  2. 壺中の天
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花の岸辺

花の岸辺



 
 
どんなに時を急いでも
 
どんなに花を追いかけても
 
あなたの季節には追いつけない
 
着けば既に花の盛りは過ぎて
 
とうに舟は岸辺を離れている
 
追いつける術は無く
 
焔の痕を隠す砂の舞う岸辺
 
あなたの季節に思いめぐらして
 
ここに花の種を風に乗せれば
 
もう時を急ぐこともなく
 
もう花を追うこともなく
 
あなたの季節を追うこともなく
 
時が来れば花の匂い満ちる
 
あなたの好きな花の岸辺に
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十一年二月一日
 
  1. 2019/02/01(金) 21:15:25|
  2. 登美日抄
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