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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

じゃんけん

じゃんけん


 
 
うさぎさんはじゃんけんが大好き
 
両方の耳をピンと立てて
 
チョキを作って得意顔
 
 
カエルさんはじゃんけんが大好き
 
水かきを広げてパーを出す
 
掴めないものは何もない
 
 
ダンゴ虫さんはじゃんけんが大得意
 
身体を丸めてグーを出す
 
ころころ転がる石になる
 
 
敗けたり勝ったり時の運
 
木の葉が赤くなって応援してる
 
黄色い声で囃したてている
 
秋の日にっこり眺めてる
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年十月三十一日
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  1. 2018/10/31(水) 22:06:40|
  2. 壺中の天
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湖畔

湖畔




 
 
賑わいを偲ぶ者もなく
 
キャンプ場はひっそりと休む

 
水面を渡る風もなく
 
白鷺の影を揺らすさざ波もなし

 
釣り人の糸の波紋が一重ふたえ
 
悠久の時を旅するように
 
湖畔をめぐる秋の日はゆるり


 
 
阜可 忠

平成三十年十月三十一日
  1. 2018/10/31(水) 21:41:30|
  2. 壺中の天
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砂粒(さりゅう)

砂粒 (さりゅう)


 
 
時は無慈悲に過ぎていく
 
別れの時を刻み
 
忘れろと囁きながら急ぐ
 
 
時は慈悲に充ちて過ぎていく
 
辛い想いも甘い想い出も
 
時の彼方に運び去る
 
 
時の砂漠に浅い穴を掘り
 
ひと粒の砂を置き
 
墓標とするもよし
 
有限の時を埋めよ
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年十月二十八日
 
  1. 2018/10/28(日) 10:26:40|
  2. 壺中の天
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蘇る

蘇る



 
 
 
古い社内誌を屋根裏で見つけた
 
保管していたわけではない
 
崩れそうな段ボールケースの中
 
無造作に投げ入れられていた
 
ページをくると青春の匂いがする
 
懐かしい人の詩が残っている
 
詩をするその人の名は覚えている
 
面識はないものの優しい作風
 
今読んでも色あせない感性
 
読みながら立ち止まる
 
詩が古びる事は無いを知る
 
今もその人は何処かで
 
詩を綴っているだろうかと
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年十月二十七日
  1. 2018/10/27(土) 12:35:36|
  2. 壺中の天
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時の歩みより早く歩いて
 
明日の自分を先取りする
 
その次の日も そのまた次の日も
 
何日も何か月も先を歩いてみた
 
幾ら歩いても先には辿りつけない
 
目にするのは想定内の事ばかり
 
やがて日常が僕を吸収する

僕の冒険はここで終わる

 
 
阜可 忠

平成三十年十月二十四日
  1. 2018/10/24(水) 20:44:33|
  2. 壺中の天
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霜降の雨

霜降の雨




 
 
二日続きの秋晴れの空が
 
薄雲に覆われていく
 
いちにち遅れの霜降の雨
 
天から落ちてくる点線の軌跡
 
コンクリートの路地を濡らして
 
行く人の影を描きとめている
 
此のまま冬物語は始まるのか
 
秋をなぞるこころ残して




阜可 忠
 
平成三十年十月二十三日
  1. 2018/10/23(火) 10:08:11|
  2. 壺中の天
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朝陽の街

朝陽の街




 
 
スポットライトを浴びて僕は歩く
 
今日と云う舞台に立とうとする朝
 
昨夜までの古びた服を脱いで
 
ひかりを織り込んだ新しい衣装
 
生まれたばかりの風を体に入れて
 
羽のように両手を広げて歩いている
 
なにもかも上手く行きそうな朝陽の街
 
なにもかも上手く行くさ 背中を押されて





阜可 忠
 
平成三十年十月十八日
  1. 2018/10/18(木) 08:09:13|
  2. 壺中の天
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友よ

友よ



 
 
恐怖に慄きながら
 
病に立ち向かう友よ
 
頑張れとは言えないから
 
思いつく言葉も見当たらない
 
陳腐な自分が疎ましい
 
だから
 
いつも黙りこくってしまう

友よ

友よ

友よ

 
誰か教えてほしい
 
何を言ってあげられるかを       



阜可 忠

平成三十年十月十六日
  1. 2018/10/16(火) 07:17:44|
  2. 壺中の天
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あなたは花

あなたは花




 
 
あなたは花
 
苦悩の海にあっても
 
不安な夜に沈んで行こうとしても
 
掛け替えないあなたと云う花
 
あなたと云う花は咲く
 
声をかける事は出来ずとも
 
手を取って苦悩に同化できなくとも
 
あなたの花を見ている人がいる
 
だから
 
不安な夜に沈んで行かないで
 
不安な今日を迎えないで
 
暑い日になろうと寒い日になろうと
 
雨になろうと雲に包まれようと
 
あなたと云う花は咲いている
 
あなただけの咲き姿で
 
掛け替えのない命の花が
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年十月十五日
  1. 2018/10/15(月) 07:38:22|
  2. 壺中の天
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化粧

化粧





 
 
綺麗な指が口に運ぶのはサキイカ
 
携帯を操りながら辺りを窺う事もなく
 
黙って続けているその所作
 
他人の眼をはばからない
 
物おじしない若さが羨ましい
 
 
ひとしきりサキイカを食べて
 
ポーチを開けて化粧を始める
 
まぶたに影をぼかしてアイラインへ
 
睫毛に小さな刷毛で墨を付け
 
眉に黒で細い月
 
仕上げに唇に朱をなぞる
 
鏡を覗きこんで化粧の確認
 
流れるような見事な変身

 
電車がガタンと走り出す
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年十月十四日
  1. 2018/10/14(日) 10:36:51|
  2. 壺中の天
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朝の調べ

朝の調べ



 
 
黒いシルクの夜がゆっくりと巻かれて
 
朝のひかりがハープの絃を弾く
 
トランペットが厳かに朝を告げる
 
野鳥も虫たちも眼をさまし朝餉の支度
 
木々の葉は漸く色を染め変えて
 
風の囁きを待っている
 
朝の調べは繊細に準備されて
 
いつも新鮮な曲を奏でている

苦しむ人にせめてもの安らぎを




阜可 忠
 
平成三十年十月十二日
  1. 2018/10/12(金) 08:29:53|
  2. 壺中の天
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旅人

旅人




 
 
年々変わりゆく季節の訪れ
 
豪雪の冬を耐えれば
 
息も出来ない程の灼熱の夏
 
列島を破壊する地鳴り
 
台風の咆哮の幾たびか
 
変わりゆく季節は のた打ち回り
 
知り重ねてきたものが崩れゆく
 
 
それでも季節は次の季節を呼び
 
細やかな春の宴を演出する
 
夏残りの秋は本当の秋に声をかける
 
 
ひとの心は季節の一部となり
 
花をめぐり蒼空を巡り
 
季節の変わり目を行く旅人になる
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年十月八日
 
  1. 2018/10/08(月) 09:01:14|
  2. 壺中の天
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柿の実食べたのだあれ

柿の実食べたのだあれ




 
 
濾過されて注ぐ秋のひかり
 
葉陰に隠れて柿の実ひとつ
 
夕焼け色に熟れてくる
 
明日は取ろうと決めていたのに
 
 
柿の実食べたのだあれ
 
くわん くわん かあかあ
 
電信柱のてっぺんで
 
鴉が啼いて首を振る
 
ひよどり姉さまも首を振る
 
四十雀も飛んできて
 
食べたかったと悔しがる
 
みんながカラスを指さして
 
あんただ  君に違いない
 
あなたが犯人 羽まで黒い
 
 
まあるい眼を丸くして
 
羽の黒いのは親譲り

心の中まで黒くない
 
とんだ濡れ衣だと鴉は騒ぐ
 
くわん くわん かあかあかあ
 
風が盗んでいったと主張する
 
 
通りすがりの風に訊く
 
ぴゅう ひゅう 歌をうたいながら
 
わたしは柿の実は食べません
 
わたしの好きなのは白い雲
 
 
柿の実食べたのだあれ
 
おひさま笑顔で知りません
 
 



阜可 忠

平成三十年十月三日
  1. 2018/10/03(水) 08:13:08|
  2. 壺中の天
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アズナブール


アズナブール


 
 
胸が痛くてたまらない
 
アズナブールの死
 
哀愁をたたえたその歌声
 
聴く者に寄り添う
 
苦しくて心を曝け出したいとき
 
哀しくて遣り切れないとき
 
わたしは
 
あかりを消して涙して聴いた
 
 
アズナブール LA BOHÈME
 
アズナブール わたしの詩人
 
アズナブール 安らかに
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年十月二日
 
 
  1. 2018/10/02(火) 00:26:23|
  2. 壺中の天
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.朝の雨


.朝の雨




 
 
大型台風の前の
 
秋の朝の雨
 
予期せぬ優しい滴で
 
コスモスの花を転げゆく
 
しなやかな咲き様にこころ残すも
 
地に墜ちるも覚悟の上
 
己がさだめと知ればこそ




 
 
阜可 忠

平成三十年十月朔日
  1. 2018/10/01(月) 12:02:37|
  2. 壺中の天
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