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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

夏は夏で

夏は夏で










八月最後の日も暑かった

行く夏に未練などあるはなく

其処は一抹の寂しさを以て見送る

このまま来年以降 夏が来なかったら

北国の永い冬は如何しましょう

桜が咲き若葉が緑色にかわり

夏の訪問を待っている虚しさ

稲穂の揺れる様や

月の光りを招く芒

秋の清々しい風の通る道

みんなみんなこの夏あればこそ

永遠の時を巡りくる季節

ゆえあってこの地に生まれ

この地のほかに棲むところは無し




藍の波

平成三十年八月三十一日
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  1. 2018/08/31(金) 21:14:22|
  2. | コメント:0

夏は夏で

夏は夏で





 
 
八月最後の日も暑かった
 
行く夏に未練などあるはなく
 
其処は一抹の寂しさを以て見送る
 
このまま来年以降 夏が来なかったら
 
北国の永い冬は如何しましょう
 
桜が咲き若葉が緑色にかわり
 
夏の訪問を待っている虚しさ
 
稲穂の揺れる様や
 
月の光りを招く芒
 
秋の清々しい風の通る道
 
みんなみんなこの夏あればこそ
 
永遠の時を巡りくる季節
 
ゆえあってこの地に生まれ
 
この地のほかに棲むところは無し
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月三十一日
 
 
 
  1. 2018/08/31(金) 21:12:23|
  2. 壺中の天
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秋色符

秋色符






 
 
優し色は君の重ねる朱の匂い
 
寄せればすっと目を閉じて
 
もらす吐息の艶めかしく

 
着物の柄にあわせた色の
 
君が愛しきくちびるに
 
初秋の憂い忍ばせる
 
ちぎれ雲が流れる行方
 
恋物語を誰か追う
 




阜可 忠

平成三十年八月三十日
  1. 2018/08/30(木) 09:19:25|
  2. 登美日抄
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秋待

秋待






 
 
晩夏を咲く花を枯らさせても
 
夏はまだ主役の座をはずさない
 
眼を見開き隈取り弁慶が
 
何度も八方を踏んでいる
 
花道の下に秋が出番を伺う
 
夏の公演は幕を下ろせそうにない
 
延々と続く演目に秋の出番は来ない
 
堪らず呆れた秋は捨て台詞
 
もう ここにはこないぞ きてやるもんか
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月三十日
  1. 2018/08/30(木) 01:46:23|
  2. 壺中の天
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蓼科は今も

蓼科は今も









辿り切れない友を訪ねる

八島湿原を抜け

蓼科山の道すがら

君たち二人は僕らを置いて

はるか向こうまで行って仕舞った

友と山を語ることは出来ない


僕は君の初めての山歩きを気遣っていた

稜線の空は何処までも蒼い

路傍の草に腰を下ろして君は呟いた

ああ 碧い蒼空だわ

わたしの故郷の空と同じ色

あの薄紫に霞むところ

ねえ あのあたりが阿蘇

僕はどんな顔でどう応えたのか

今となっては思い出せない

ただ あの蓼科の澄んだ空を思い出す

夜の星の多さに息を飲んでいたことも







藍の波

平成三十年八月二十九日
  1. 2018/08/29(水) 19:11:14|
  2. | コメント:0

蓼科は今も

蓼科は今も






 
 
辿り切れない友を訪ねる
 
八島湿原を抜け
 
蓼科山の道すがら
 
君たち二人は僕らを置いて
 
はるか向こうまで行って仕舞った
 
友と山を語ることは出来ない
 
 
僕は君の初めての山歩きを気遣っていた
 
稜線の空は何処までも蒼い
 
路傍の草に腰を下ろして君は呟いた
 
ああ 碧い蒼空だわ
 
わたしの故郷の空と同じ色
 
ねえ あのあたりが阿蘇なの

薄く紫を溶かした遠い蒼空
 
僕はどんな顔でどう応えたのか
 
今となっては思い出せない
 
ただ あの蓼科の澄んだ空を思い出す
 
夜の星の多さに息を飲んでいたことも




 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月二十九日
  1. 2018/08/29(水) 09:27:36|
  2. 登美日抄
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熱い砂

熱い砂





 
 
朝の陽射しは既に
 
名ばかりの秋を切り捨て
 
この身をそぎ落とし
 
こころを挫けさせ
 
焼け焦げて屍は踊る
 
何も隠すものはない
 
熱い砂になって僕は零れていく






 
阜可 忠
 
平成三十年八月二十七日
  1. 2018/08/27(月) 10:23:59|
  2. 壺中の天
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微秋

微秋




 
 
伊豆に住む君から
 
微かな秋のおすそ分け
 
山の緑が揺れていて
 
狩野川の堤にコスモス
 
便りに秋を忍ばせて
 
微かな秋のおすそ分け
 
伊豆に住む君から




 
 
阜可 忠

平成三十年八月二十三日
  1. 2018/08/23(木) 09:35:34|
  2. 壺中の天
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悲恋

悲恋




 
 
夜明けを待つ君に
 
言葉もかけられず僕は
 
夜明けに此処を発って行く君を
 
抱きとめる事も出来ず僕は
 
出そうな涙を必死にこらえる
 
夢に違いない この現実は夢なのだ
 
 
夜明けに此処を発った君の
 
深い悲しみをその時は知らず
 
自分の不運とつきの無さを嘆いて
 
出会った事の意味を今でも考えている
 
言えなかった言葉を反芻しては
 
君にとっても きっと
 
深い傷を負った悲恋であったと
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月二十三日
 
  1. 2018/08/23(木) 09:13:03|
  2. 壺中の天
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ジャジャ (jaja)

ジャジャ (jaja)





 
 
この前の土曜日の午後
 
駅前の広場でジャズ演奏
 
ソプラノサックスの音に耳をとらえられ
 
歩むことも出来ずその場に立ち尽くした
 
黒い帽子で髭のリーダーが吹いている
 
今まで聞いた事のない世界へ僕を誘う
 
訴えるような 詫びるような
 
蒼空に飛ぼうとする小鳥の様な
 
ブログ記事で見た立山から剣岳の縦走のような

今まで触れた事のない世界の
 
包含する深さの中に僕はおぼれて行った
 
 
急いでいた僕は演奏のCDを買い求めた
 
帰り際にサインする髭の声は優しい
 
初めてジャジャというジャズバンドを僕は知った
 
今朝もこのCDを聴いている


 
 
 jaja "Friends" Music Video full ver.
 
阜可 忠
 
平成三十年八月二十二日
 
  1. 2018/08/22(水) 09:47:32|
  2. 壺中の天
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朝のひととき

朝のひととき




 
 
まだ暑くならないうちに
 
狭い庭の木々に水をやる
 
夏薔薇がいくつか咲いている
 
柿実は葉陰に一つだけ頑張っている
 
元気なのは無花果
 
甲子園球児の様に緑色の坊主頭で
 
一斉に空に白球を追いかけている
 
熟すまでまだ日にちがかかりそうだ 
 
暑い暑いと文句も言わずその時を待っている
 
 
庭の木々のそれぞれの夏
 
あとひと月の我慢と言い聞かせる
 
ジャズを聴きながら過ごす朝のひととき
 
曲名も演奏者も知らないけれど
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月二十二日
 
  1. 2018/08/22(水) 09:17:10|
  2. 壺中の天
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星座

星座




 
 
引いた線は変わらず
 
天空に定着される物語
 
千年の歳月に揺らがない
 
まして人の世の五十年には
 
百年には変わりようもなく
 
変遷する人の想いに露を繋ぐ
 
人は星をなぞり
 
秘かに 天空に線を引いて 
 
束の間の物語を貼り付ける
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月二十二日
 
 
 
  1. 2018/08/22(水) 04:41:08|
  2. 壺中の天
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ソプラノサックス

ソプラノサックス





 
 
こころの奥まで沁みてくる
 
ソプラノサックスの音
 
初めて聞くジャズの調べ
 
過ぎていく時間に今を合わせて
 
想い出を幾つも並べて聴いている
 
あれもこれも現なること
 
最愛の人への想いをもらす
 
空色の格子柄のワンピース
 
ソプラノサックスの声に触れて
 
人知れず風に揺れるさま
 
懐かしさに言葉にもできず
 
何を問うてもいけないと
 
ソプラノサックスの音
 
心の隅々に落とし込むだけ
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月二十日
 
  1. 2018/08/20(月) 13:40:44|
  2. 壺中の天
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地球は病んでいる
 
体温の上昇に破裂する温度計
 
生きる者は僅かな日陰を探す
 
ひとは揃って冷房のスイッチを押す
 
身勝手な人類の営みから
 
破滅の放熱は継続される
 
地球は毒を盛られ
 
人類は数代の安寧のみを祈り
 
その先に来るものを見ようとしない







 
平成三十年八月二十日
 
  1. 2018/08/20(月) 10:13:12|
  2. 壺中の天
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法師

法師





 
 
雲の重なりが木々を埋めていく
 
今にも雨が来そうな気配
 
早く峠を越えて里に入らなければ
 
若い法師は山道を駆けおりる
 
鳴いていた蝉の声が遠のいた
 
 
雨の気配が消えて
 
村の外れの小さな橋のたもと
 
法師を呼ぶ声がする
 
紛れもない若い女のこえ
 
振り向いても誰もいない
 
女の声に気を乱すとは
 
法師は未熟さを恥じた
 
 
また声がする
 
木立のなかほどから
 
お慕いしています
 
わたしの声を法師様のお耳に
 
澄んだ声がする
 
 
 
法師は耳を澄まして眼を閉じる 
 
木立に光りが降りてくる
 
聞こえてくるのは蝉の声ばかり
 
ツクヅクコイシ
 
ツクツクホウシ
 
ツクヅクコイシ
 
コイシーツクヅク

ホーシーツクツク 




 
 


この季節、私にはそう聞こえて仕方ないのです。

阜可 忠

平成三十年八月十八日
  1. 2018/08/18(土) 20:38:08|
  2. 壺中の天
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廃駅舎

廃駅舎




 
 
かって此処に鉄路があった
 
小さな廃駅舎の銘版がその証拠
 
北海道の雪野に人を支えてきた
 
そんなに遠くない昔の出来事なのに
 
いまは哀しい程の碧空のした
 
鉄路は外されて野積みされている
 
草にまみれ荒野に戻るまで
 
廃駅舎は抒情を愛惜に変えていく




hukatadashi

 
平成三十年八月十六日
  1. 2018/08/18(土) 13:24:10|
  2. 壺中の天
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実態

実態





 
 
季節は移ろい
 
捉えていた真実がするり抜けていく
 
それはそう思っていただけで
 
何ひとつ確かなものはなかった
 
便宜上つけられた荷札の裏に
 
隠れたまま季節は移ろう
 
捉えようの無いこの世の事は
 
理不尽のみが支配し 回っている
 
自分自身ですら何か解らないまま
 
実態を遠心分離器にかければ
 
時間に絡み付く 誤解がいくばくか
 
誤解がいくつも重なって
 
僅かばかりの真実を言い得て
 
小躍りしても
 
刻まれることなどなくて
 
季節の移ろいに紛れて行く





 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月十八日
  1. 2018/08/18(土) 11:48:55|
  2. 壺中の天
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残影

残影










振り返ることが多くなった

考えるともなく振り返っている

あのときの匂いが戻る筈もなく

大切なものを探すように

失った時間を埋め戻すように

あなたの好きな言葉

好きなものに囲まれているあなた

跡形もなく大雨は流そうとするけど

他人はしたり顔で言うけれど

前のみを歩いて行けと


僕は僕の中の僕を棄てはしない

僕は僕の中の僕に言う

あと少しの時間だから

好きなようにする 僕にかまうな

それが人生の帰結ならそれも可と



藍の波

平成三十年八月十七日
  1. 2018/08/17(金) 23:19:41|
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残影

残影


 
 
振り返ることが多くなった
 
考えるともなく振り返っている
 
あのときの匂いが戻る筈もなく
 
大切なものを探すように
 
失った時間を埋め戻すように
 
あなたの好きな言葉
 
好きなものに囲まれているあなた
 
跡形もなく大雨は流そうとするけど
 
他人はしたり顔で言うけれど
 
前のみを歩いて行けと
 
僕は僕の中の僕を棄てはしない
 
僕は僕の中の僕に言う
 
あと少しの時間だから
 
好きなようにする 僕にかまうな
 
それが人生の帰結ならそれも可と
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月十七日
 
  1. 2018/08/17(金) 23:16:23|
  2. 壺中の天
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山行く人に

山行く人に





 
 
苦しみの果てにある
 
捲るたびに新しい感動
 
ガスの中をゆき
 
ガレ場を登り下り
 
山頂のケルン越しに見ゆる
 
濁りの無い空気の凛として
 
苦しみの果てにその清々滲みる
 
山行く人の深き思い
 
伝わりくる静清の情

写真に添えられた言葉
 
ああ 山行く人に幸あれ
 
ああ 山行く人のこころ新たに
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月十七日
  1. 2018/08/17(金) 20:37:32|
  2. 壺中の天
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孫来る孫帰る

孫来る孫帰る






 
 
盆がくると
 
娘が来て孫が来て
 
妹がきて賑やかになる
 
 
十歳の孫は少年の顔
 
凝った言い回しで笑いを誘う
 
ぎゃあぎゃあ泣いていたのに
 
すっかり落ち着いている
 
押入れからNゲージだして遊んでいる

 
三時になって帰っていった
 
またくるねと手を振って
 
孫が帰ると
 
笑い声があちこちに残る
 
やがて
 
花が萎むような気がして
 
 
孫来て孫帰るいちにち


 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月十七日
  1. 2018/08/17(金) 09:52:05|
  2. 壺中の天
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さりげなく

さりげなく





 
 
さりげなく季節の花の様に
 
あなたの夢においてみたい
 
物言わずさり気なく息も漏らさず
 
あなたを見つめてみたい
 
僕の存在の反対側で変わらない所作で
 
いまを呼吸するあなたに
 
さりげなく訪れることが出来たら
 
言葉も過ぎた時間も求めてはいない




阜可 忠

 
平成三十年八月十六日
  1. 2018/08/16(木) 11:10:43|
  2. 登美日抄
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こころの置き場所

こころの置き場所





 
 
総てを曝け出せば楽になるか
 
だれに理解を求めるのか
 
自分なりの心の在りようと
 
こころの置き場所を何とする
 
複雑に絡み合う軌跡も
 
解けば一本の蜘蛛の糸
 
風に任せるその成り行きを
 
思い悩む無意味さを知れと




hukatadashi

 
平成三十年八月十六日
  1. 2018/08/16(木) 09:15:28|
  2. 壺中の天
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最終電車に家路を急ぐ
 
錦糸町を出る時は雨になっていた
 
車を待つ人の列
 
私は家までの三十分を歩き始めた
 
 
濡れ傘にネオンが点画を落とす
 
信号の点滅が歩道に滲む
 
四ッ目通りをほろ酔い歩き

 
四之橋の中ほどまで来ると
 
いきなり地面が捲れ上がった
 
黒い影がむっくりと起きて
 
辺り一面の空気を吸い込んだ
 
 
ぎょっとして固まる私に
 
恐ろしいほど優しい声で
 
もう川の水はたくさん
 
水を飲ませてくださいと言う
 
 
水を美味そうにごくり一口二口
 
睫毛の無い眼から涙が流れている
 
歳も性別も何もわからない
 
母の声の様であり
 
幼児と思えば 老いているのか
 
男の様でもあり女の様でもある
 
有難うございます 
 
姿に似合わない澄んだ声
 
 
生ぬるい風が橋を渡って行く
 
黒い影が地面に戻る

空のボトルが転がる音
 
 
今のは何だったのだろうか
 
幽霊か妖怪の類か
 
夢を見ていたのだろうか

酔いがすうーと覚めていく
 
 
私は初めて理解した
 
終戦間近の熱いいちにち
 
橋を渡る焼け焦げた人の行列
 
川面に浮かぶ人 沈む人
 
涙はとうに飲みつくし
 
水を求めて彷徨う人の群れがいた事を

架け替えられた橋を歩く今の私を







阜可 忠
 
平成三十年八月十二日
  1. 2018/08/12(日) 09:45:27|
  2. 壺中の天
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鏡の向こう

鏡の向こう




 
 
髪を結い上げて襟をつまみ
 
帯の締め具合を映しみる
 
そのまま鏡の向こうに消えて
 
言ったのか言わなかったのか
 
尋ねれば多分 目を伏せて
 
胸もとを押さえる仕草
 
鏡の中で寂しそうに微笑んだまま




 
 
阜可 忠

平成三十年八月十一日
  1. 2018/08/11(土) 10:22:44|
  2. 登美日抄
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山行懐かしく

山行懐かしく





 
 
泣けるのは人との関わりだけではない
 
北アルプス縦走の稜線を行く人
 
ひとの写真だけで泣けてくる
 
 
若い時あれほど好きだった八ヶ岳
 
県界尾根からの長いアプローチ
 
新宿から乗り込む夜行列車
 
キスリングに寄りかかり仮眠する
 
 
行けたら私もついて行きたい
 
危ない所には絶対行かないで
 
涙ぐんで手をきつく握った人
 
今は何もかも懐かしく
 
ケルンに積んだ小石に風の声
 
 
哭けるのは人との関わりだけでない
 
いまは山行など望むべくもなく
 
無駄に消費した若い頃を
 
涙の中に閉じ込めている



 
 
阜可 忠

平成三十年八月十日
  1. 2018/08/10(金) 10:58:24|
  2. 壺中の天
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ラベンダースティック

ラベンダースティック









部屋に漂うラベンダーの香り

あなたの手になる匂いスティック

伊万里鶴頸に活けられて書物の合間

一息つける私を見守るように


こうして何年もたって

今は幽かな香りのみして

白いハンケチに移りかおり偲ぶ

まどろみに墜ちるひととき




ainonami

 平成三十年八月十日
  1. 2018/08/10(金) 09:47:37|
  2. | コメント:0

ラベンダースティック

ラベンダースティック




 
 
部屋に漂うラベンダーの香り
 
あなたの手になる匂いスティック
 
伊万里鶴頸に活けられて書物の合間
 
一息つける私を見守るように
 
 
こうして何年もたって
 
今は幽かな香りのみして
 
白いハンケチに移りかおり偲ぶ
 
まどろみに堕ちるひととき
               





阜可 忠

平成三十年八月十日
  1. 2018/08/10(金) 09:44:08|
  2. 壺中の天
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秘恋

秘恋




 
 
それ以上は訊くな
 
それ以上は言うな
 
秘密が漏れてしまう 
 
恋に堕ちた事が解ってしまう
 
ぼろぼろになるほど好きで
 
成就しないと解っていて
 
奈落に墜ちたとしても
 
畏れるのは時間の長さ
 
暗闇に這う独りの時間

 
だから今は何も訊くな

だから今は何も語るな
 
秘恋を地の底に埋めるまで
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月五日
 
 
 
  1. 2018/08/05(日) 16:32:51|
  2. 壺中の天
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出逢い

出逢い




 
 
この世に生を受け
 
多くの人と出逢うことが出来た
 
登山道で挨拶を交わした人
 
山小屋で肩を組んだ山の歌声
 
あつく文学を語った親友
 
同じ学び舎の学友たち
 
苦楽を共にし酒を交わした仲間
 
一生分の愛を教えた恋人
 
そして何よりも家族

時には別れまた出逢う人がいて
 
すれ違いに振り向きあった人もいる
 
この世に生を受けてこの方
 
だれと出逢うことが出来るか 
 
それが人生の醍醐味
 
歳を得てつくづく思う日々
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年八月四日
  1. 2018/08/04(土) 18:58:48|
  2. 壺中の天
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