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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

薔薇一つ

薔薇一つ



 
 
待ちに待っていた白い薔薇
 
ひとつだけ咲いてくれた
 
私の小さな庭のお嬢さま
 
白いブラウスの胸元のフリル
 
はなをつけずとも匂いくる
 
無垢な恥じらいの香り
 
私の帰りを待っていたように
 
咲き姿を揺らして見せる




 阜可 忠

平成三十年四月三十日
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  1. 2018/04/30(月) 17:37:58|
  2. 壺中の天
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淡い赤紫色に

淡い赤紫色に



 
 
安曇野を訪れたのは四月末
 
北アルプスの峰々はまだ雪残り
 
美術館の明るい庭先のひかりよう
 
若葉は一斉に空を受けている
 
小枝はまだ不器用で風をつかみ損ねて
 
漂うように揺れている
 
 
屋外のパラソルの下で日差しを避けて
 
シソジュースを飲むひとがいる

僕は淡い赤紫色を捉えようとして
 
記憶の中の色合いを思い出している
 
ああ そうだあの色
 
暮れる前の北アルプスの稜線の
 
淡い赤紫色からうす紫色に変わる空
 
ゆっくりと考えるよりもゆっくりと

暮れて行こうとする 
 
安曇野のゆうぐれ時
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年四月三十日
  1. 2018/04/30(月) 09:30:44|
  2. 壺中の天
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紫山

紫山



 
 
三階建ての瀟洒な西洋館
 
安曇野にたつホテル紫山
 
品の良さを醸すオーナー夫婦
 
ご主人は写真家で光と影を捉える
 
飾られている作品は人の心を打つ
 
 
あの山が常念岳

左隣には蝶ヶ岳
 
奥に見えるのが大天井岳
 
槍ヶ岳が隠れている
 
雪峰は燕岳

前座する信濃富士有明
 
遠くの雪山は白馬あたり

 
本当は写真を撮りに出かけたい
 
ホテルを休めないから出来ない
 
そう言いながら山を指さす
 
切り取られていない蒼空は
 
丸くて本当の空だ
 
安曇野は山と蒼空と水の音
 
生まれてきて良かった
 
長生きしてきて良かった
 
詩を描いてきて良かった
 
自分を見つめ人を見つめ
 
小さなバイクで往復二十時間
 
我が人生最良の遠旅を刻む
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年四月二十九日
 
  1. 2018/04/29(日) 08:21:28|
  2. 壺中の天
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常念岳

常念岳



 
 
存在を主張するでもなく
 
造山運動を経て確かな存在
 
 
喜びや葛藤や妬みや哀しみ
 
ひとの営みを哂うでもなく
 
否定も肯定もせずに
 
超然と受け入れているようにみえる
 
圧倒的な存在に僕は 嗚呼
 
無にもなれず 嗚呼
 
意味のない呼吸を繰り返す
 
価値あるものは価値を語らず
 
存在こそが無であれと教える
 
無であることが存在と教える
 
 
暮れなずむ常念岳
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年四月二十八日
 
  1. 2018/04/28(土) 18:39:24|
  2. 壺中の天
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安曇野

安曇野


 
 
常念岳に抱かれ
 
君は眠りにつき
 
君は目覚める
 
物言わずとも知る
 
語らずとも語る
 
激しい雨の中 
 
僕はこの地までやってきた
 
着いた頃の嘘のような雨上がり
 
掃き清められた翌日の好天

生まれたばかりの風を吸い込む
 
君と向かい合うひと時
 
常念岳の白い頂きよ
 
今少しここに置いてくれ
 
安曇野の地に飽きる筈もなく
 
何時までも君を見ていたい
 
闇に紛れる事無く
 
永久を教える常念岳よ
 
安曇野去りがたし



hukatadashi 
 
平成三十年四月二十七日 帰京
  1. 2018/04/27(金) 20:27:20|
  2. 壺中の天
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旅支度

旅支度


 
 
旅の楽しみのあれこれ
 
指折り数え待つ日々
 
天気予報を気にしながら
 
雨支度する恨めしさ
 
雨上がりの蒼空を想像する
 
旅を決めた時のときめき




hukatadashi

平成三十年四月二十三日
  1. 2018/04/23(月) 21:54:22|
  2. 壺中の天
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人生は

人生は


 
 
冗漫に過ぎて人生は
 
哀しみと悦びの僅かな隙間
 
その大半は退屈で長すぎる
 
異性の首筋のやわらかなひかり
 
朱い川青い川 脈打って愛おしい
 
縁あってこの世に生まれ
 
一瞬でも為す事あれば
 
何と人生の短きか いや
 
あとの永い時間の彷徨いなければ 




阜可 忠

平成三十年四月二十一日
  1. 2018/04/21(土) 11:31:03|
  2. 壺中の天
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偽り事

偽り事


 
 
都会の人工的な季節
 
夜は夜であればよいものを
 
花は花であればよいものを
 
月は月であればよいものを
 
さらに鮮やかな色を塗り
 
幽玄を演出しようとする
 
もはや言葉は価値を失い
 
平然と言ってのける偽り事




阜可 忠
 
平成三十年四月十八日
  1. 2018/04/18(水) 23:41:10|
  2. 壺中の天
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絵空事

絵空事



 
 
気が晴れない夜は
 
哀し歌きいて哭こうとする
 
涙で洗い流したい何気なく
 
哭ける時に哭けるだけ哭いて
 
無垢に戻ろうとする
 
それに如何ほどの意味がある
 
こころにおとせば
 
そんな絵空事 いい歳をして
 
笑い飛ばす他人がいる



hukatadashi

2018/4/16
  1. 2018/04/16(月) 22:41:35|
  2. 壺中の天
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蕾雨

蕾雨


 
 
薔薇の蕾の幼きは
 
緑のとんがり帽子
 
お日様に抱かれ眠るごと
 
雨ふる朝には目を閉じて
 
色合わせの衣みるごと
 
まだ見ぬ君よ
 
瞑想するほどに美しく
 
雨風さけてめぐりくる
 
ひとつきすれば逢えるもの



hukatadashi

平成三十年四月十五日
  1. 2018/04/15(日) 09:22:08|
  2. 壺中の天
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小さなバイク

小さなバイク



 
 
わたしの小さなバイク
 
雨の日は恨めし気
 
晴れの日は風になる
 
陽光をすいすい泳いだり
 
上機嫌で饒舌になる
 
わたしの小さなバイク
 
少年のように季節をはしる


 
 
阜可 忠

平成三十年四月十五日
  1. 2018/04/15(日) 00:31:23|
  2. 壺中の天
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晩春の雨

晩春の雨



 
 
大切なものは心にあるものと
 
放り投げようが棄てようが
 
いつかこころに戻るもの
 
嬉しい時にはそのままに
 
哀しい時には手を差し伸べて
 
つぎ咲く花を待てと言う
 
季節のかわり目を知らせる晩春の雨
 
 
大切なものは心にあるものと
 
数字に置き換えられるものでなく
 
数式で表せる筈もなく
 
ひとのこころに宿すものと
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年四月十五日
 
  1. 2018/04/15(日) 00:11:22|
  2. 壺中の天
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ちりり

ちりり




 
あの花の音に相違なく
 
散りながらせめてものしるし
 
ここに人あればたたずみ
 
散りてなお想いを告げる
 
むかしここに花を語らい
 
はなの音を鈴に閉じ込めて
 
永久に咲けと言う君のいる
 
鈴の音かすかにちりりちりり
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年四月十四日
 
 
 
  1. 2018/04/14(土) 00:10:11|
  2. 壺中の天
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誕生日

誕生日


 
 
この日あなたはうまれた

 
生まれておいで
 
おかあさんの喜び
 
春の陽のやわらかさに包まれて
 
うまれておいで
 
 
この日あなたはうまれた
 
おとうさんがうろうろして
 
あなたにかける言葉を探していたわ
 
うまれておいで
 
その小さな手に
 
全ての可能性を掴ませて上げる
 
 
生まれておいで
 
囁かれてあなたは今ここに
 
今ここにこうして
 
 
 
 
友人の誕生食事会に誘われて
 
阜可 忠

平成三十年四月八日
  1. 2018/04/08(日) 10:44:32|
  2. 壺中の天
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美術館で珈琲

美術館で珈琲


 
 
日常に紛れるばかりで
 
すっかり忘れていたのは
 
美術館で頂く珈琲 
 
この芳醇で贅沢な時
 
人のやさしさに触れて
 
ゆっくりと過ぎていく時間と
 
珈琲の匂いこころに纏って
 
 
阜可 忠
 
平成三十年四月七日
  1. 2018/04/07(土) 21:59:13|
  2. 壺中の天
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めざめ

めざめ



 
 
季節変わりの目撃者たれ
 
雲を吹く風にこころ開いて
 
ひかりの糸を振るわせて
 
ゆっくりと降りてくる天使たち
 
絹のレースを羽の様に広げて
 
それは それは優雅におりてくるのだ
 
 
君 深い眠りから目覚めて
 
季節変わりをしかと見届けよ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年四月七日
  1. 2018/04/07(土) 21:28:39|
  2. 壺中の天
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香春

香春




 
 
都会の春は慌ただしく来て
 
忙しなく路地を駆け巡り
 
次の地を目指して街道を走る
 
峠を登り切り漸く春を零していく
 
君の地に春の吐息もれて
 
せせらぎに流れているか
 
その地にも彼の地にも
 
充ちていくもの 香しきは春



阜可 忠
 
平成三十年四月七日
  1. 2018/04/07(土) 16:23:23|
  2. 壺中の天
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見送った季節

見送った季節


 
 
何度見送った事だろうか
 
辛いこの季節 早く過ぎろと
 
想い出などとは語れない
 
語れないまま次の季節を迎える
 
どんな季節も飛び越えて
 
時よ早く過去っていけと
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年四月六日
  1. 2018/04/06(金) 10:04:18|
  2. 壺中の天
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食事会

食事会




 
 
友人から食事会の誘いの電話
 
従姉の誕生祝いを自宅でと
 
行けば例のガラガラ声で
 
古い話ばかりで面白くもない
 
得る事もない
 
解り切っているが断り切れない
 
中学時代の同級生の誘いだから
 
従姉はわれわれと同年代
 
知識豊富で私の詩のフアンでもある
 
断れるわけはないよね
 
言い聞かせては出かけて
 
帰りには行った自分が嫌になる
 
腹立たしくもう行かないと決める
 
でも やはり無下に断れない
 
気心知った幼なじみ
 
多少の事は我慢しよう
 
向こうもそう思っているに違いない
 
了解 行くよと言って電話を切った





hukatadashi

 
平成三十年四月六日
  1. 2018/04/06(金) 09:39:07|
  2. 壺中の天
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新しい郵便箱

新しい郵便箱



 
 
少し大きめの郵便箱を作った
 
白いペンキを重ね塗りして
 
最後に郵便マークを付けて完成
 
玄関の横の壁に取り付けた
 
 
心ときめく手紙が届くでも無し
 
解り切っていても日に何度か覗き込む
 
マンションの売り出し広告や
 
ピザデリバリの広告が無造作に入っている
 
申し訳なさそうに へなへなして
 
しきりに謝っている
 
良いんだよ 謝らなくても
 
入ってくれるだけでいいんだ
 
郵便箱が口を開けて笑っている
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年四月五日
  1. 2018/04/05(木) 23:34:23|
  2. 壺中の天
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絶滅危惧種

絶滅危惧種
 
 
久し振りに娘と孫が来た
 
五年生目前の春休み
 
お婆ちゃんからの小遣いに上機嫌
 
牛丼とケーキを食べて さて
 
ひまだなあと言いながら
 
お婆ちゃんに訊く
 
なにかレトロな物ないかな
 
お婆ちゃんが応えて言うには
 
うーん レトロなのはこのお爺ちゃん
 
私を指さして お爺ちゃんだけ
 
ふーん絶滅危惧種
 
すかさず孫がそう言って笑いだす
 
 
世界でたった一人だけのお爺ちゃん
 
お婆ちゃんだってお母さんだって
 
あなただって世界で一人しかいない
 
だからものすごく大切なんだよ
 
母親の言葉に頷く笑顔の孫
 
母として成長した娘に嬉しいひと時
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年四月四日
 
 
  1. 2018/04/04(水) 23:12:44|
  2. 壺中の天
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