FC2ブログ

鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

白木蓮

白木蓮


 
 
さくら さくら
 
かまけているうちに
 
白木蓮の花が終わっている
 
あの淑やかな妖艶さが好き
 
手のひらを固く閉じるつぼみ
 
開く時に幽かな音がする
 
月の光りを少し揺らして
 
白木蓮の花は咲く




hukatadashi
 
平成三十年三月三十一日
スポンサーサイト



  1. 2018/03/31(土) 22:45:14|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

信州路へ

信州路へ



 
 
妙義山の奇峰を眺めて
 
碓氷峠を旧道でこえるか
 
百八十四の曲道を行けば
 
浅間山は歓迎してくれるだろうか
 
 
笹子トンネルを抜けるか
 
甲州街道に秩父連山をみて
 
南アルプスと八ヶ岳を分けて
 
信州路に入ろうか
 
 
どちらも捨てがたく決めかねている
 
そうだ往路復路にすれば解決
 
さて どちらを往路にするか
 
さて どちらを復路にするか
 
旅の計画の迷いもまた楽しみ
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月三十一日
  1. 2018/03/31(土) 11:54:52|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

桜と老人と犬と

桜と老人と犬と


 
 
千切れて飛んで行きそうな破れ衣
 
にひきの犬を連れている老人
 
ひとつは目が見えず
 
ひとつは耳が聞こえない
 
老人を引くように
 
老人に引かれるように
 
桜の下をゆっくりと歩いている
 
桜が散り始めて長い髪を飾る
 
不似合いだと人は指さして哂う


目の見えない犬の鼻先に花が舞う
 
耳の聞こえない犬に風は優しい
 
桜の匂いを破れ衣につけて
 
老人はゆっくりと歩いている
 
深い皴に過ぎた時間を挿んで
 
振り向かず気張らず
 
時々立ち止まっては空を見る
 
瞳にまっさらなはなびら
 
散るさくらのうしろ姿
 
手のひらを合せて拝む人がいた




阜可 忠

平成三十年三月三十一日
  1. 2018/03/31(土) 09:21:20|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

ほのお

ほのお



 
 
あなたの中のわたしに
 
わたしの中のあなたに
 
全ての想いに点火してはならない
 
激しい焔は燃え尽きて消える
 
坩堝の中の心は鉛に熔けて固まる
 
 
あなたの中のわたしと
 
わたしの中のあなたと
 
深く充たされるものは
 
小さな思いやりのほのお
 
空気のような存在なりてこそ
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三月三十一日
  1. 2018/03/31(土) 02:37:06|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0



 
 
薔薇のまだ赤い幼葉
 
穏やかな春の陽に
 
どんな夢を描いているだろうか
 
一途に咲きたいと願う事もなく
 
咲けないなどとは夢にも思うまい
 
 
若い時代はほんの一瞬
 
あの頃どんな夢を描いただろうか
 
夢を持てばいくらでも持てた筈
 
今さら引き寄せる術は無く
 
記憶の中に葬りさられていく
 
 
過ぎた日々はほんの一瞬
 
うまく制御出来ないままに
 
流されながら此の桜の季節
 
雨もなく風に散らされず三月も末
 
いま 可とする私の人生を


 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月三十日
  1. 2018/03/30(金) 12:33:40|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

花誇り

花誇り





 
 
花に盛りのときあれば
 
同化して命を受けよ
 
この時に生あるを想えば
 
別れの哀しみに堕ちてはならない
 
夢中になって享受する宴なれ
 
この季節このひととき
 
同じ時を過ごす至高の悦び
 
葛藤の海に沈むな 我が誇り




hukatadashi

 
平成三十年三月二十七日
  1. 2018/03/27(火) 11:38:02|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

雲の靴下

雲の靴下



 
 
さくらに何を問うてもただ笑うばかり
 
さくら雑踏の中で独りになれる時だ
 
席とりでシートの上に横たわる人
 
縁石に腰かける外国人
 
それぞれの方法で春を授かろうとしている
 
ふと自分について考えた
 
僕は何処に属するのだろう
 
足元がふわふわして覚束ない
 
もしかしたら過去から覗いているのか
 
いや そんなことは無さそうだ
 
だって 外国語に春を感じているから
 
未来から見下ろしているのか
 
いや そんなことは無さそうだ
 
だって 他人と同じように歩いているから
 
現実を歩いているのだろうか
 
そうかもしれないがそうでないかもしれない
 
だって 雲の靴下をはいているような気がするから


 
 
阜可 忠

平成三十年三月二十五日
  1. 2018/03/25(日) 22:30:07|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

さくらばな

さくらばな




 
 
多彩な言葉に愛でられて
 
小さな枝の先まで花は咲く
 
ひとの波に紛れずに
 
そらの行く所までさくらいろ
 
 
多々ある想いを今は鎮める
 
ちいさくて大きな桜ばな
 
ひとの心の奥までしみてくる
 
そらになお咲くか桜ばな
 
 
 
 
 
 
 
 
 
上野は桜一色
 
そぞろ歩く人の群れ群れ
 
私は散った時の淋しさを心に
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十五日
 
 
 
  1. 2018/03/25(日) 21:30:43|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4




 
 
道はいくつかある
 
どの道を行こうか
 
曲がりくねった峠道
 
新緑をとことこもいい
 
長いトンネルを行くのもいい
 
出口の一点を目指して
 
風に煽られ風に引き寄せられ
 
でれば其処に新しい自分がいる
 
動脈を離れて裏道を行くのもいい
 
たまに出逢う車に合図して
 
若葉の林をゆっくりのんびり
 
野鳥のあいさつを聴きながら
 
 
長い距離に時間をおいて
 
蒼空を追いかける旅
 
さて どの道を走ろうか
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十五日
  1. 2018/03/25(日) 08:29:29|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

さくら

さくら



 
 
はやい桜の訪れ
 
暦に桜のマークをつけ
 
待ち焦がれてきた
 
 
毎年不忍辺りを散策し
 
水におちた花びらにのり
 
急ぎ足で過ぎる季節を追う
 
遅かろうと早かろうと春は春
 
散り急ごうとさくらはさくら
 
はやく来れば早くちり
 
遅く来れば桜風に散らされ
 
雨の中に所作はながされる
 
記憶の岸に留まりゆくか
 
紡ぐ言葉見つからぬまま
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十五日
  1. 2018/03/25(日) 07:55:05|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

春野点

春野点




 
 
騒々しく冬が去り
 
立つ鳥跡を濁さず
 
最後の雪が地を祓い清め
 
北帰行に手を振る
 
 
まあまあ 忙しい事
 
緋毛氈敷いて野点の支度
 
桜の花をおとして頂く
 
あの日の春が今日も
 
うらうらうつら膝枕
 
瞳の奥にもさくら咲く
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十四日
 
  1. 2018/03/24(土) 10:25:58|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

幸福に包まれて

幸福に包まれて
 
 
久し振りの人が来た
 
仕合わせの折詰さげて
 
苦労話をしても良いさ
 
悩みを話してもいい

不幸な昔話は少しにして
 
まあ おあがりなさい
 
 
いまでは桜の花の香り
 
萌黄色の風呂敷に包んで
 
仕合わせ温めている
 
不幸の潜む場所は無いね
 
其れで良い そのままで
 
どうぞそのままで
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十四日
  1. 2018/03/24(土) 09:23:20|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

はやりうた

はやりうた


 
 
しみるなあ こんな夜にゃ
 
しみすぎるよ このはやりうた
 
色々思い出してゆらゆら
 
ひとりまたひとり
 
若いまま逝ったおまえや
 
たよりがいつかなくなった奴
 
おまえがいたらこの歌きかせたい
 
なぜか胸にせまってくるんだ
 
このはやりうた こんな夜
 
しみすぎて心が痛いよ
 
こんな夜の はやりうた
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十三日
 
  1. 2018/03/23(金) 00:02:17|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

細い月

細い月



 
 
てっぺんまで上がると
 
細い月が笑った
 
君ここまでこれるかって
 
 
投げ竿にいかり針つないで
 
生意気な尖がり顎にひっかける
 
しかっめ面して細い月が傾いていく
 
海に沈む舟の負け惜しみ
 
君ここまで泳げるかって
 
星を見ながら湯に浸かる
 
どうだこの広い露天風呂
 
てっぺんに貼り付いたまま
 
細い月の泣き笑い
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十二日
 
  1. 2018/03/22(木) 23:13:34|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

楽しみは

楽しみは


 
 
旅の計画の楽しみは
 
知らない街に想像を繋いでみる事
 
想像に想像を重ねて自分を見る事
 
川沿いの道を辿りたどり
 
山を分けて峠をこえ
 
眼下に此処まで来た街並みを眺め
 
これから行く道を指でなぞる
 
旅の計画の楽しみは
 
分水嶺に咲く花に心を休め
 
美術館にその方をみること
 
まだ見ぬ人の笑顔に触れて
 
こころ穏やかにしてやすむ事
 
楽しみを嵌めてみる旅の計画に
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十二日
 
 
  1. 2018/03/22(木) 22:37:34|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

あなた花

あなた花


 
 
小石を積んだ小さな土塊に
 
冬の陽が溶けこんで
 
春の温もりを創りくる
 
荒むこの小さな胸の庭に
 
ひとつ咲いてくれたあなた花
 
眠れない夜を幾つも追いやって
 
咲いてくれることを待っていた
 
ああ
 
春の陽が土塊を耕してくれる
 
こんなにもやわらかな季節
 
ああ
 
此処に留まっていて良かった
 
旅に出なくて良かった
 
こころからそう思う 今
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十二日
  1. 2018/03/22(木) 11:03:34|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

窓をあけて

窓をあけて



 
 
花見の準備する心に
 
冷徹な楔が打ち込まれてくる
 
流行り歌にあずける心が凍える
 
 
戻らないでおくれ
 
開きかけた蕾を閉じないで
 
こころを頑なに閉じないで
 
春の風がかのちを訪れようとするとき
 
窓に鍵をかけて出かけないで
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十二日
 
 
  1. 2018/03/22(木) 08:06:00|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

執着

執着



 
 
眩しそうにして愛を問う
 
愛の何たるか僕は知らない
 
自分を愛しているかも解らない
 
だから何も解らない
 
果たして愛に出逢えたか
 
愛は執着と言う人がいた
 
うん うん 頷く僕がいる


 
 
阜可 忠

平成三十年三十年三月二十一日
  1. 2018/03/21(水) 00:01:47|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

寒戻り

寒戻り


 
 
足元から冷気が忍び上がる
 
抑えようの無い寒戻り
 
さくら便りを奪い取る
 
そなたの最後の企みなら
 
冷えてみようぞ受けてみようぞ
 
こころの春まで消せはしない
 
気のすむまで街を抱くがいい


 
 
阜可 忠

平成三十年三月二十日
  1. 2018/03/20(火) 23:25:17|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

ありがとう

ありがとう



 
 
あなた 出逢ってくれてありがとう
 
沢山の人と出逢えて本当に良かった
 
ふりかえればあなたや君がいる
 
たとえ短い出逢いの時間であっても
 
今 此処に在るのはあなた達のお蔭
 
もしもあなた達と出逢わなかったら
 
いまだ暗い夜道を歩いていただろう
 
目印の灯りを点し 足元を明るく
 
振り返ればあの時もこの時も
 
さだめの様にあなた達と出逢った
 
あなた 出逢ってくれてありがとう
 
わたしのこころの宝物
 
わたしの唯一つの誇り
 
あなた 出逢ってくれてありがとう
 
沢山の出逢いをありがとう
 
これからもよろしくお願いします


 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月二十日
  1. 2018/03/20(火) 21:22:30|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3

人生に悔いあり

人生に悔いあり



 
 
満足かといえばそうではない
 
なんでかと言えば分らないと応える
 
不幸せなのか そんなこともない
 
病気の爆弾はおとなしくしている
 
それだけでも仕合わせと言うべきか
 
やり残した事があるのか
 
深刻に考えたことは無い
 
漠然とした不安が拡がる
 
不安が不安を大きくして
 
我が人生に悔いあり
 
此のよくばりものと怒鳴られて
 
我が人生に半分の悔いありに変わる
 
此の横着ものと叱られて
 
人生に悔いなしとつぶやいてみる
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月十九日
  1. 2018/03/19(月) 23:03:44|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

春告風

春告風



 
 
まどろみを愉しんでいるのに
 
人は待ちきれず花の窓を叩く
 
仕方なく眼を開ければ
 
人の吐息 春さむのなか
 
一つ目覚めれば
 
あと一つ あと四つ
 
春まつこころは忙しなく
 
ここに休めよ春告げの風




阜可 忠
 
平成三十年三月十九日
  1. 2018/03/19(月) 10:08:36|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

春洸

春洸



 
 
君よ君のために咲け
 
君の為に君よ彩りつけて
 
君よ香り豊かに咲け
 
少年の肩に手を置いて
 
温もりを分かち合う
 
君よ君のために咲け
 
その為にだけ春は来る
 
春洸の煌めきをあなた方に




 
平成三十年三月十九日
  1. 2018/03/19(月) 00:16:02|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

三角点

三角点




 
 
幾たびか冬が逝き
 
幾たびか春が行く
 
幾度となく花は咲き
 
数えきれない花びらが時間を隠す
 
 
何時までも記憶されることなく
 
日常に埋もれていくあやふやな記念日
 
目印に積んだ小さなケルンはひび割れて
 
由来を読み解く人もない
 
かって此処に在った三角点は
 
マグマに吹き上げられて
 
新しい存在を創ろうとする
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月十八日
 
 
 
  1. 2018/03/18(日) 09:36:28|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

春ほらね

春ほらね


 
 
穏やかに春がにおうよ
 
やわらかな風に誘われて
 
ママの手を振り切って
 
とこ とこ とこと とこことと
 
歩き出す女の子
 
待ってまって後をおうママ
 
優しい風に手を繋がれて
 
とこと とこと とこ とこことと
 
何処までも行くの

躓かないようにと
 
白い雲が笑顔で包んでる
 
白い木蓮だって笑ってる
 
ほらね みんなの春
 
春の風に抱かれているね
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月十六日
  1. 2018/03/16(金) 16:07:16|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

白い地図

白い地図


 
 
喧騒を逃れる春旅の計画
 
白い地図を頭いっぱいに広げて
 
見た事のない街の風情を描きこむ
 
間近に迫る北アルプスを背景に
 
美術館めぐりする旅
 
此の至福のひとときを
 
分かつ人の姿は今なくとも
 
雪解け水にながる雲あれば



hukatadashi
 
平成三十年三月十五日
  1. 2018/03/15(木) 11:42:45|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

花粉

花粉


 
 
起床すると先ずクシャミれんぱつ
 
花粉が鼻口の奥に絡み付いている
 
そのうち目にかゆみが襲ってくる
 
歯を磨きながら目玉も磨きたくなる
 
小さな分際で生意気な奴
 
切り刻もうとしても姿なく
 
毎年いらいらさせられる
 
 
街にでればうら若き娘も
 
目を潤ませて歩いている
 
時には大きなくしゃみ
 
長い睫毛がとびそうだ
 
 
花粉は癪の種
 
元はと言えば人に起因すると言う
 
花粉に何の罪があろうか
 
と思いつつも憎っきは花粉
 
退治できないだけに余計に


 
 
阜可 忠

平成三十年三月十四日
  1. 2018/03/14(水) 10:08:35|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

記憶日

記憶日



 
 
君が生まれた町を訪ねた
 
海の見える岬の奥の港
 
ふるさとを語る時の君は
 
きらきらした明眸で遠くを見ている
 
 
君の住んでいた辺りは様変わりしている
 
岸壁に腰を下ろして海を見ていると
 
時々君の訛り言葉が聞こえてくる
 
きらきら光る波は君の明眸に相違なく

 
君が生まれ育った町を訪ねた
 
海の見える岬の奥の港
 
明眸の海は嘘のように静かで
 
君の嗚咽だけが聞こえる記憶日
 
 
 
 
 
 
 
 
3.11に寄せて
 
阜可 忠
 
平成三十年三月十二日
  1. 2018/03/12(月) 21:03:07|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

3・11

3・11
 
 
どんな経験より恐ろしく
 
どんな災害よりも忌まわしく
 
どんな不幸もこの上には無く
 
あの3・11は人生観を変える
 
高邁な思想も文化も抗する事かなわず
 
唯恐れ慄き言葉にならない祈り
 
いまだ帰らぬ人の名を呼ぶ
 
父母のありて子のありて
 
遠い地より平安よ戻れと祈る



阜可 忠

平成三十年三月十一日
  1. 2018/03/11(日) 21:27:11|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:3

良心は無きか

良心は無きか


 
 
ひとりの男が死んだ
 
良心の重みに耐えきれなかったのか
 
自分の最後の譲れない部分ゆえか
 
物言えず闇に埋もれようとするのか
 
ひとりの男が死んだ
 
理由はつまびらかではない
 
 
我々の目は何も見えないとお考えか
 
我々に口は無いかとお思いか
 
我らの五感を誤魔化せるとお思いか
 
 
偽りを真実と言いかえて
 
我らを愚弄する厚顔無恥
 
堂々と悪徳代官を演じ切る
 
 
ひとりの男が死んだ
 
嘘をつき通せないまま
 
鏡の中にの苦悶の心を残して


 
 
阜可 忠
 
平成三十年三月九日
  1. 2018/03/09(金) 22:56:50|
  2. 壺中の天
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
次のページ