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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

蒼空

蒼空



 
 
何処からが空で
 
何処までが空なのだろう
 
空の向こうはなんだろう
 
 
温めたミルクに砂糖を入れて
 
ふと手をとめて考えている
 
懐かしいミルクの匂い
 
小さな部屋に揺れて立つ
 
 
白い椅子に腰かけて
 
ミルクを喉に落としている
 
外に雨風の気配はしない
 
あるのは無言の夜
 
表面のミルクの薄い膜
 
穴をあけてすかしみる
 
 
空の向こうはやはり空
 
見えても見えなくても空




 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月三十日
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  1. 2017/10/30(月) 00:56:26|
  2. 壺中の天
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手紙

手紙




 
 
ねえ 読んでくれますか
 
海の底に鎮めた言葉たち
 
ねえ 掬ってくれますか
 
意味を辿ってくれますか
 
 
みんなみんな底にあるんです
 
僕ひとりでは持ち上がらない
 
ねえ ちから貸してくれませんか
 
こころを僕にくれませんか
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月二十五日
 
 
 
 
 
 
  1. 2017/10/26(木) 02:11:41|
  2. 壺中の天
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明日晴れるか

明日晴れるか




 
 
この雨いつあがる
 
明日晴れるか空に尋ねる
 
私の顔は雲しだい
 
雲に訊いてくださいな

 
明日晴れるか雲に訊く
 
私は通りすがりで風まかせ
 
風に問うて下さいな

 
明日晴れるか風に問う
 
私は気ままな一人旅

明日のことは解らない

気象予報士に聞いてみな

 
明日晴れるかTVに聞いてみた
 
曇りのち晴れところによりいちじ雨
 
明日晴れるか風しだい
 
明日晴れるか雲しだい

 
晴れても雨でも曇りでも
 
こころが晴れるか君しだい
 
あした晴れるか君しだい




 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月二十五日
  1. 2017/10/25(水) 17:00:41|
  2. 壺中の天
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OLD TIME JAZZ を聴きながら

OLD TIME JAZZ を聴きながら



 
 
雨があがると秋は深くなっている
 
ため息ひとつ枯葉がおちる
 
 
人に逢いたいような
 
詩を描きたいような
 
秋の夜はたまらなく独り
 
こんな時はジャズを聴いてみようか
 
柄に無く聴いた事もないくせに
 
いつか何処かで耳にした OLD TIME JAZZ 
 
 
身体の隅々にまで沁みてくる
 
此の一曲しか知らない僕は
 
繰り返し聴いて
 
夜の深みに溶けて行く
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月二十四日
 
 
 
 
  1. 2017/10/24(火) 21:10:49|
  2. 壺中の天
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白杖

白杖



 
 
白杖が階段を探る
 
手を貸しましょうか
 
青年が遠慮がちに声をかける
 
有り難うございます 大丈夫です
 
見えない眼で青年を見る人
 
 
心配そうな言葉を残して
 
ホームにのぼる青年
 
階段を急ぐ人の群れ
 
鬱陶しい雨の朝
 
降りやんだように見えた一瞬
 
青年の後ろ姿が白かった
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月二十二日
 
 
 
  1. 2017/10/22(日) 00:15:03|
  2. 壺中の天
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大型台風

大型台風








 
 
季節外れと言うのか
 
季節再到来と言うのか
 
大きな台風が列島を狙う
 
沸騰した怒りが渦を巻く
 
押しとどめる術は無く
 
地上の選挙を哂うはごとく




 
皆様に被害が及ばないことをお祈りします 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月二十一日
  1. 2017/10/21(土) 10:25:19|
  2. 壺中の天
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幻想の時へ

幻想の時へ




 
 
北の山に雪が降る
 
里の田畑に霜が降りる
 
白い幕が下りて幻想の世界へ
 
ガラスの窓に季節を張り替えて
 
とろとろ炎に手をかざす
 
あのときのあの思い
 
ひとつ取りだしくべている
 
白い吐息が赤くなる




阜可 忠
 
平成 二十九年十月二十一日
  1. 2017/10/21(土) 10:01:26|
  2. 壺中の天
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秋よ

秋よ




 
 
触れてくる風のぬくもり
 
冬になる前の優しいひと時
 
街路樹はそれぞれに晴れ着を纏い
 
舞を見せてくれるいつもの秋
 
 
あなたに逢いたくて
 
夏の暑さにも耐えてきた
 
あなたは何処にいるの
 
あの透き通る秋のおもいで
 
 
無言で通り過ぎて行ったのか
 
秋よこのまま逝ってはならぬ
 
北の地の冠雪便りが届く
 
冬の支度にかかる間も無く
 
 
都会の秋は彩もなし
 
冷たい雨に暮れてゆく
 
秋の空 秋の雲 秋の風
 
通り過ぎるな此処にいて





 
阜可 忠
 
平成二十九年十月二十日
  1. 2017/10/20(金) 01:05:19|
  2. 壺中の天
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やんでくれたら

やんでくれたら



 
 
十月半ばの長雨に
 
街路も薔薇も濡れそぼる
 
明日は遠い病院へ行く日だから
 
この雨止んでほしいと空を見る
 
意地でも止まぬと言う様な
 
心を濡らす降る雨よ
 
やんでくれたら何あげましょか
 
可愛い子らの笑顔を上げましょう




阜可 忠
 
平成二十九年十月十九日
  1. 2017/10/19(木) 18:26:22|
  2. 壺中の天
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価値

価値



 
 
身体も心もずたずたにして
 
人を痛めてまで
 
生きてゆく価値があろうか
 
相対的な価値にしのぎを削り
 
人より先に行ったところで何がある
 
死の淵を何回まわろうと結果はひとつ
 
いきつく所は他にない
 
あやふやな価値は意味をなさない
 
 
たまには車を降りてのんびり歩こうや
 
相対的な仕合わせを忘れてゆっくりと
 
感傷的になったって構わない
 
主観的になっても構わない
 
数字に置き換えられない価値を求めてね
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月十七日
 
  1. 2017/10/17(火) 20:14:58|
  2. 壺中の天
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月のお話し

月のお話し




 
 
地球は満月に自分を映して
 
瑞々しい肌に酔っていた
 
その日は風もなく海は凪いで
 
乙女の肌のようにさえみえた
 
もっときれいに映らないものか
 
地球は息をふきかけ満月を磨いた
 
月の表面のアルミ蒸着が僅かに剥がれ
 
尚も磨くと剥がれた跡が広がっていく
 
力を込めて磨いてから三日目の夜
 
しみは大きくなってウサギの影になった
 
地球は自分が崩れていくようで恐ろしい
 
幾ら磨いても月は雲るばかり
 
それから更に三日たち月のヘリが欠けてゆく
 
三日月となって更に痩せ細り
 
ついに瞼を閉じる様に夜空からきえていった
 
 
地球はやり過ぎた自分を恥じて雨のように哭いた
 
身体を丸くして三日三晩詫びつづけた
 
すると死から月は蘇り薄目を開け
 
三日月となって太ってゆく
 
 
地球は二度と磨かないことを約束した
 
それ以来こうならないために警告として

うさぎの影を刻んだまま
 
月に満ち欠けをさせるようになったとさ
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月十六日
  1. 2017/10/16(月) 21:06:16|
  2. 壺中の天
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信じる事

信じる事



 
 
信じてくれていなかったのね
 
その声は重く沈んでいる
 
確かに全てを信じることは出来なかった
 
好きで好きでたまらなかったくせに
 
 
数十年たって幸せについて考える時
 
初めて気が付いた
 
何が有ろうと全て信じ切る事
 
それが唯一幸せになる道と
 
そうに違いないと確信する
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月十五日
 
 
 
 
 
  1. 2017/10/15(日) 22:55:25|
  2. 壺中の天
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季節の風

季節の風





 
 
季節から季節へ移り変わる時が好き
 
いったりきたり戻ったり
 
初恋のようにナイーブで
 
告白しようとしてあれこれ文字を並べたり
 
眠れない夜を過ごしたもんさ
 
何も言えなくて惨めな心して
 
季節と季節の間で迷う様に
 
不安定な時を徒に過ごしたもんさ
 
今となってはとんだお笑い話
 
互いに違う時を過ごし
 
懐かしさを共有する事もままならない
 
あの眩い輝きは何処に埋もれてしまったか
 
季節と季節の間に閉じ込められて
 
雲の中に竹のシュノーケル伸ばして
 
季節の風を吸ったりはいたりしている
 
斯うしていることが仕合わせだったりして



 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月十五日
  1. 2017/10/15(日) 19:25:39|
  2. 壺中の天
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秋の妄想旅

秋の妄想旅




 
 
十月も半ば
 
此の長雨がなければ
 
指の怪我がなければ
 
夜中に東京を抜けて
 
今頃は信州路を走っているだろう
 
北アルプスの見える街道に腰を下ろして
 
コーヒーでひと休みしているだろう
 
夜はビジネスホテルに泊まるかテントの中か
 
空に繰り広げられる星座の物語も読もう
 
近くに居酒屋があれば覗いたりする
 
 
朝は早くに目覚め紅葉の径
 
モザイク画の様な木々の葉や
 
千切り絵の様な里のおもむき
 
時間が来たらバイクに乗り美術館めぐり
 
碌山や光太郎 何処までも行けそうだ
 
私の秋の妄想旅は限りがない

 
まいにち降り続く雨だから
 
怪我が治らないからこそ
 
小さなバイクで旅をしたくなる矛盾
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月十四日
 
 
 
 
  1. 2017/10/14(土) 22:07:41|
  2. 壺中の天
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朱色の雨

朱色の雨



 
 
冷たい雨が重くする
 
やっと咲いた朱薔薇ひとつ
 
申し訳なさそうに項垂れる
 
雨をしのぐ傘もなし

恨み言葉を出すでなく
 
濡れて濡れて濡れてなお
 
朱を流さずに咲く花よ
 
冷たい雨を染めて咲け
 
 


阜可 忠
 
平成二十九年十月十三日
  1. 2017/10/13(金) 21:55:10|
  2. 壺中の天
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その時が来るまで

その時が来るまで





 
 
電話を変えたって
 
あなたのメール
 
こんな冷たい雨の夜更け
 
寂しくて仕方無いのね
 
いまさら話すことは無いけど
 
寂しいのは私も同じなの
 
だけど だけどなの
 
ここで電話をしたら
 
涙で頭が壊れてしまう
 
あなたのこころに戻ってしまう
 
やっとつけたけじめなのに
 
いまはそっとしておいて欲しい
 
二人がもっと歳をとっても
 
お互いを好きでいられたら
 
共通の時間を持ちましょう
 
だから だからなの
 
電話もかけられない
 
その時が来るまで その時までは



阜可 忠
 
平成二十九年十月十三日
  1. 2017/10/13(金) 10:47:25|
  2. 壺中の天
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ひた向きな想い

ひた向きな想い




 
 
山行の想いでが浮かぶとき
 
あのときのひた向きな想い
 
胸があつくなってしまう
 
夜行列車の旅情
 
油のにおいのする床板
 
停る度に見るホームの薄明かり
 
動き出すときの動輪の緩やかに
 
やがて穏やかな波のような
 
心臓の音を刻んで走る
 
窓に遠くのひかりが過ぎていく
 
古いフランス映画の残像と
 
切れ切れな記憶を繋ぎ合わせる
 
あの場面も あの場面も
 
山行はいつも独り
 
ひた向きな想いを連れて
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月十日
  1. 2017/10/10(火) 01:17:25|
  2. 壺中の天
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山の歌

山の歌
 
 
どうかもう一度 聞かせてくれ
 
あの山の歌を
 
 
皆で囲んだキャンプファイヤー
 
台風に足止めされた山小屋で
 
肩を組み合って歌った山の歌
 
揺れる炎がお前や俺を照らす
 
 
どうかもう一度 聞かせてくれ
 
あの山の歌を

 
京都から来たやつ
 
名古屋からきた大学生
 
俺のような会社員等々
 
山小屋で出逢っただけの
 
名前も知らない者たち
 
若かったころの俺たち
 
俺の心に今も残っている
 
お前のこころの隅にも屹度
 
残っているだろう 山の歌声
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月九日
 
 
 
  1. 2017/10/09(月) 21:40:25|
  2. 壺中の天
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青春の門

青春の門





 
 
むさぼり読んだ  [青春の門]
 
なにがああも惹きつけられたのか
 
続巻が出ると本屋に急ぎ一気に読んだ
 
乏しい財布をはたいて買い求めた
 
今では長編を読む気力も視力もなく
 
あの若かった頃が懐かしい
 
 
名も知らぬ方のブログ記事 “青春の門”
 
タイトルだけで時間が瞬間戻る 
 
今でも書棚に納まっている
 
はるか昔の私の青春がそのままに


 
 
 
 みば様のブログにて
「青春の門」を拝読して、
遠い昔を偲びつつ。
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月九日
  1. 2017/10/09(月) 01:40:09|
  2. 壺中の天
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占い

占い



 
 
トランプをさばいて
 
君はこの行方をみている
 
やはりそうか解っている
 
僕は諦めず夢を語っている
 
他愛もない少年のうわ言を
 
解っている 解っているとも
 
夢が夢である限り
 
夢は夢に過ぎない
 
多分 最後の方策はあったであろう
 
それに気が付かない若さ
 
 
最後のトランプを表に返せば

占いは終わる
 
手札を変えることは出来ない
 
僕の夢はそこで断ち切られたまま
 
未だに莫大な時の波頭に僕はいる
 
夢を失いかける歳になり
 
あの眩しいひとときに遊ぶ事もある




 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月八日
  1. 2017/10/08(日) 22:03:10|
  2. 壺中の天
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パズル

パズル



 
 
出っ張りを削り型に嵌める
 
あの山を削りこの海を埋める
 
破壊して造り
 
二つの大地が生まれる
 
地下の海が一つ泡を吐き
 
一つ山を吐きだし
 
慟哭の海が二つ生まれる



 
 
hukatadashi
 
平成二十九年十月八日
  1. 2017/10/08(日) 01:42:22|
  2. 壺中の天
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マグマのように流れる
 
不思議なことに痛みは無い
 
指の傷は思いのほか深く
 
あかい火口から絶え間なく
 
沸々と盛り上がり
 
赤い花を咲かせていく
 
包帯が血色に染まる

生きている証が滲んでいく





阜可 忠
 
平成二十九年十月六日
  1. 2017/10/06(金) 00:15:41|
  2. 壺中の天
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月光

月光


 
 
月の出ぬ夜は
 
雲を透かす幽かなひかり
 
 
月の出を待ち草臥れて
 
いつの間にか夢に墜ちる
 
浅い眠りから覚めて
 
見上げれば既に雲は無く
 
月は屋根の影におちている

ひかりのみ空に残して

背中に触れてくる寒気と




hukatadashi
 
平成二十九年十月五日
  1. 2017/10/05(木) 03:49:25|
  2. 壺中の天
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秋毛虫

秋毛虫



 
 
赤と黒の縞シャツを着て
 
寒風に晒されてあわれ
 
薔薇の落葉に眠る
 
日光浴の囚人よろしく
 
ピクリとも動かない
 
夏の日の悪行を詫びているのか
 
食い荒らした葉にやすんでいる
 
蝶蛾になる夢を見ているのか
 
僕は僕を重ねて
 
つまみ殺す事も出来ないで
 
枯葉をそっとかけている
 
囚人服を着た秋の毛虫に
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月四日
 
  1. 2017/10/04(水) 11:33:11|
  2. 壺中の天
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朱い花

朱い花



 
 
朱い花にレンズが染まる
 
雑木林を降りてくる陽光
 
線香花火のはじけるさま
 
君は蝶のように花を揺らす
 
 
旦那と僕は細君を置いて先に行く
 
時々立ち止まって細君を待つ
 
道行く人の間に細君の焔が見える
 
朱い花の群落に腰をかがめて
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年十月四日
 
 
  1. 2017/10/04(水) 02:03:44|
  2. 壺中の天
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