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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

くしゃみ

くしゃみ



 
 
鼻がむずむずして我慢できない
 
ふぁあ ふぁくしょん
 
 
みなさい風呂から出て裸でいるから
 
もう九月も末 今日は涼しいんですよ
 
家内が笑いながら鋭く指摘する
 
 
解っている だいたい俺ははだかじゃない
 
ステテコとランニングシャツだ
 
言おうとして言葉を飲み込んだ
 
確かに指摘の通り寒いくらいだ
 
だいたい夏ものなんか出しとくからだ
 
言おうとしてまた言葉を飲み込んだ
 
半袖シャツに入れ替えてあります
 
家内が言うのが予想されたから
 
 
それにしても何だって さ・ 寒い
 
ふぁあ ふぁくしょん



 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月三十日
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  1. 2017/09/30(土) 22:16:35|
  2. 壺中の天
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告白

告白



 
 
実は私
 
自他ともに認める猛禽だった
 
若い頃は颯爽と自慢の翼を広げ
 
飛べない者たちを馬鹿にしたり
 
いつも上から目線で話したり
 
それでも羨望と尊敬で見られていた
 
そりゃ毎日が気持ちの良い飛翔で
 
特に今頃の澄んだ空は他に代えがたい
 
自信満々蒼空を独り占めの得意絶頂

 
ところが好事魔多し
 
ある日めまいがして
 
数メートル先の獲物も見えない
 
そのまま杉の天辺から転がり落ちて
 
尾羽を痛め骨は折れ瀕死の重傷
 
通りすがりのカラスにも哂われる始末
 
 
いまはうらぶれて残り物をあさる有様
 
いや 同情はいらねえ
 
つまらない意地と言われようがな
 
俺はそれでも猛禽の端くれ
 
大空に残る飛翔の跡
 
ほれ あの虹に架かっている誇り
 
俺が飛んでいたのはあのあたり
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月三十日
 
 
  1. 2017/09/30(土) 21:27:02|
  2. 壺中の天
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灰色の雨

灰色の雨



 
 
灰色の雨がふる
 
東京駅を注ぎ洗い
 
私的感傷を流し去る
 
煉瓦色に染まる雨
 
 
ビル街に残る明治の匂い
 
美術展の誘いを受けて
 
有楽町までゆらりゆく
 
煉瓦色の雨を憶えて
 
 
灰色の雨が降りやんで
 
秋色つけるすこし
 
落ち着いた色合いの街
 
ゆらりたどる東京駅まで
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月二十八日
 
  1. 2017/09/28(木) 17:08:13|
  2. 壺中の天
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発送の件


おはようございます。

いつもありがとうございます。

昨日午前中にレターパックライトで発送いたしました。
早ければ午前中にはお手元に届くと思います。
遅くとも午後、或いは明日には配達されるはずです。
宜しくご査収ください。



阜可 忠

平成二十九年九月二十七日
  1. 2017/09/27(水) 07:59:54|
  2. 日記
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ひかる

ひかる





 
 
がんばったねというと
 
うんといってうなずいた
 
退院の翌日 我が家に来た
 
ひと月ぶりに見る ひかる
 
ちょっとお兄ちゃんになった
 
はにかむ様な顔でハイタッチする
 
シャツをまくってお腹を見せる
 
内視鏡の穴の跡がいくつもある
 
頑張ったんだね ひかる
 
うんとうなずく ひかる
 
やわらかく温かい手のひら
 
愛しくて抱きしめたくなる
 
 
退院は二十三日との事
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月二十六日
 
  1. 2017/09/26(火) 20:38:36|
  2. 壺中の天
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御礼

御礼
 
ブログを訪問してくださった方が77777名に
なりました。
これも今日まで私を支えて下さった方々のお蔭と
感謝いたしております。
 
お礼として用意いたしました詩集“分水嶺”に
つきましても多くの方々のご応募を頂きました。
明日にも発送させていただきますので
ご査収下されますよう、
お願い申し上げます。

これからも引き続き温かいご支援を賜りたく
こころからお願いいたします。
 
本当にありがとうございました。
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月二十五日
  1. 2017/09/25(月) 18:59:33|
  2. 日記
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彼岸花群落

彼岸花



 
 
そぞろ歩くひとの連なり
 
高麗川に抱かれて
 
いのち弾ける彼岸花
 
想いの深さを朱に秘めて
 
我にもっと燃えよと
 
 
いや
 
人の世の理不尽に怒れと
 
朱を重くするのか
 
君は言う
 
花を美しい等と語るな
 
もっと見るものを見よ
 
花の裏を語れと
 
 
厳然と咲く彼岸花の群落
 
人の世の矛盾など関せず
 
人の世の無常など関せずに
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月二十四日
  1. 2017/09/24(日) 19:42:59|
  2. 壺中の天
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演奏

演奏




 
 
分水嶺に結んだ露滴
 
一つ一つに蒼空を乗せて岩を滑る
 
見渡せは私一人 沁み跡を指で辿っている
 
ピアノの音が幽かに聴こえてくるようだ
 
 
もう既に演奏は始まっている
 
沢を下り 海となるシンフォニー
 
河口に寝そべって聴いていると
 
雲の行く先を訪ねてみたくなる
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月二十二日
 
 
 
 
  1. 2017/09/22(金) 07:52:16|
  2. 壺中の天
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黄薔薇

黄薔薇


 
 
黄薔薇ふたつ
 
俯いて咲いている
 
夜露を含んで
 
ためた涙の重さか


夏薔薇のさよならか
 
 
俯かないで
 
悲しい顔しないで
 
きみの笑顔を見せて
 
青空に映えているのに
 



hukatadashi
平成二十九年九月二十一日
  1. 2017/09/21(木) 22:30:52|
  2. 壺中の天
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夜光虫

夜光虫





 
 
新月の夜に永代橋をわたる
 
咲き乱れる花はなく
 
あたりざわめきも知らず
 
橋の下 流れる情念

滔々と言葉無く

黒々と誰のものと知れず


 
感傷の隙間に許されて
 
夜光虫の一群
 
揺れるままに漂いゆく





阜可 忠
 
平成二十九年九月二十一日
  1. 2017/09/21(木) 09:17:13|
  2. 壺中の天
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曼珠沙華

曼珠沙華




 
 
地の想いを燃えさせる
 
曼珠沙華は火点け花
 
やっと抑えた胸をさきに来る
 
藍花ゆかたに黒ぬり駒下駄
 
白いふくらはぎ浮かばせる
 
曼珠沙華は想い花
 
燃えても届かぬ哀し花
 
誰を偲んで火を点ける



hukatadashi
 
平成二十九年九月十九日
  1. 2017/09/19(火) 23:01:00|
  2. 壺中の天
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詩を書く

詩を書く



 
 
詩を書きたい
 
万人が一度だけ読む詩ではなく
 
一人が千回も万回も読むに値する詩を
 
愚鈍に綴り続けながら
 
なお遠い道のりに愕然とする
 
詩を書きたい
 
ただ一篇の詩でいい
 
そんな詩を書いてみたい



阜可 忠
 
平成二十九年九月十九日
  1. 2017/09/19(火) 00:30:55|
  2. 壺中の天
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曼珠沙華

曼珠沙華


 
 
登山が好きで東京を離れ
 
秩父連山の紫影を望むところ
 
君は家を構えた
 
 
勤め先まで二時間はかかる
 
君は山の息吹の価値を言い
 
巾着田の曼珠沙華に誘う
 
 
今週末に伺うと即答
 
曼珠沙華の群落に何を語ろうか

圧倒されずに言葉を綴れるだろうか
 
 
素晴らしい誘いをありがとう
 
天気予報が雨であっても僕は行く
 
ちりちり弾ける線香花火の群落に
 
 
 
貴兄にお礼の一言を
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十八日
 
  1. 2017/09/18(月) 23:55:45|
  2. 壺中の天
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77777のお知らせ

77777のお知らせ



 
 
おはようございます。
 
いつもご訪問くださり心から感謝しています。
 
数字は追ってはいないと言いながらも、
今現在、77600人の方々のご訪問を頂き喜んでおります。
 
ただ文字だけのわたしのブログを長期にわたりお読みくださり
本当にありがたい事だと思っております。
創作する者にとって最高の機会を与えて下さり
感謝の念に堪えません。
そこで、77777を目前として7にちなみ御礼の気持ちを込めて、
私の詩集“分水嶺を7冊ほど用意し、
ご希望の方に贈呈させて頂きたいと思います。
ご希望の方がおられましたら本稿にカギコメでお知らせください。
お待ちしております。

なお、発送は十月七日までにいたします。
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十八日
 
 
 
 
  1. 2017/09/18(月) 08:10:03|
  2. 壺中の天
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波動

波動





 
 
もしあなたと出逢わなかったら
 
もしあなたと知り合わなかったら
 
もしあなたと話すことが無かったら
 
何と退屈な人生だっただろうか
 
悦びと絶望の淵をさまよう事もなく
 
好奇心と刺激に縁の無い人生
 
自分を見つめる事もなく
 
人生の幕を閉じたに違いない
 
私と出逢ってくれてありがとう
 
喜怒哀楽の全てを与えてくれた人に
 
出逢うために現れてくれた事象に
 
この世の全てにありがとう
 
ただすれ違った人にさえ感謝したい
 
モノクロの線画に彩と動きをくれました
 
私をもう少しのあいだ感動させてください
 
大きな波動ちいさな波動を絶えることなく




 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十七日
  1. 2017/09/17(日) 23:36:43|
  2. 壺中の天
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ひかるのてがみ

ひかるのてがみ


 
 
ひかるの手紙に返事をかいた
 
八時間の手術を頑張ったひかる
 
ひかるのママは娘の幼なじみ

人より大きい体躯の四歳半
 
運動神経は飛び抜けている
 
そんな男の子が入院した
 
お腹に穴をあけられ手術
 
入院してもう二十日になる

 
またあそぼうね ひかるの手紙

不揃いの大きなひらがな

 
じいじもひかるに書いた
 
また遊ぼうねと 大きなひらがなで
 
ひかるの大きな目玉を思いながら
 
がんばれと最後にもう一度書いた
 
いつ顔を見られるかまだわからない
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十七日
 
  1. 2017/09/17(日) 01:27:59|
  2. 壺中の天
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影がどんどん長くなる
 
車の背中を冷かして
 
道路を縦断したり
 
ビルを袈裟がけしたり
 
影がどんどん伸びてゆく
 
運河を渡り 街を縫って
 
遮るものを同化する
 
影がどんどん太くなる
 
地球を飲み込むほど大きくなって
 
君と会うまでどどーん
 
風船のように割れた
 
ひかりのメスが影を切る
 
海や山にひかりがさして
 
街がしらじら蠢いている
 
やっと僕の中に納まった影
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十六日
 
  1. 2017/09/16(土) 23:18:02|
  2. 壺中の天
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渡れない橋

渡れない橋


 
 
想いの果ての此の橋の
 
北と南に別れ行く
 
勇気なしの意気地なし

腹もきれず心もきれず

渡れない橋もあるものと
 
後ろ背中で手を振る人は
 
今となっては他人も他人
 
他人よりはなお遠い人




御免なさい。やはり演歌。

 阜可 忠

平成二十九年九月十六日
  1. 2017/09/16(土) 10:58:09|
  2. 壺中の天
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秋景色

秋景色



 
 
僕が跳ねると山が跳ねる
 
どっこいどすん どっこいどすん
 
山がばらばらにしこを踏む
 
へっぴり腰が愉快だね
 
黄色や赤い葉っぱが笑いだす
 
 
僕が跳ねると空が近くなる
 
あれあれあの人 おへそが出てる
 
臍のごまも大きいと
 
田んぼの稲穂が笑いだす
 
里にひと撫で秋の色
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十六日
  1. 2017/09/16(土) 00:06:06|
  2. 壺中の天
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お弁当

お弁当


 
 
母さんからあなたへの贈り物
 
毎朝つくるお弁当
 
あなたは習慣で持っていくけれど
 
気持ちがいっぱい詰まっています
 
あなたは当たり前のように食べているけれど
 
わかっています ほんとうはあなた
 
心の中でありがとうと言っている
 
だから夕焼けはこんなに綺麗
 
あしたも一日がんばれる 
 
母さんからもあなたに

 ありがとう
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十四日
 
  1. 2017/09/14(木) 20:53:34|
  2. 壺中の天
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儚な花

儚な花



 
 
季節を飾る花あれば
 
酷暑の夏も耐えられる
 
季節を繋ぐ花あれば
 
凍てつく冬も越えられる
 
夢忘れじと花は咲く
 
夜の静寂に溶けもせず
 
香りを風に乗せてくる
 
儚な花と呼ばれても
 
出逢えた一夜に感謝する
 
短い逢瀬の時間でも
 
想いをこめて今を咲く
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十四日
 
 
  1. 2017/09/14(木) 17:59:04|
  2. 壺中の天
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秋茜

秋茜




 
 
捉えようとすれば遠ざかる
 
あなたの爪先を染める秋茜
 
高原の夏ははや秋の気配して
 
人を恐れず飛びまわる
 
捉えようとすれば身をかわし
 
あちらの季節に溶け去った
 
手を伸ばせば届きそうなのに
 
あなたは違う空から知らしめる
 
届かないことを知らしめる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十四日
 
  1. 2017/09/14(木) 08:14:52|
  2. 壺中の天
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山葵田の月

山葵田の月



 
 
山の背は秋も盛りに
 
夕吹く風が肌に絡まり
 
過ぎた季節の火照りを冷ます
 
 
夏の名残は既になく
 
めくるめく恋も散りぬるか
 
出逢はいつの世も神の戯れ
 
たくらみ事と知りつつも
 
墜ちてみるのも人物語

 
いつの間にかとき変わり
 
山葵田に揺れる月明かり
 
かくして秋は深まりゆく
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十三日
  1. 2017/09/13(水) 21:34:43|
  2. 壺中の天
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だから

だから


 
 
即興の言葉綴りに節を付け
 
音を辿れば悲しい歌になる
 
いつも悲しい音ながれ
 
嬉しい想い出は消えていて
 
愉しい想い出は詞にならず
 
いつも悲しい歌になる
 
ギターの絃に乗せれば尚更に
 
こんなに揺れる波小舟
 
何がこんなに泣かせるか
 
綺麗な言葉で飾っても
 
偽りを重ねられない心うち

だから だからと
 
いつも悲しい歌になる
 
いつも悲しい歌になる
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十二日
 
  1. 2017/09/12(火) 22:25:50|
  2. 壺中の天
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からす

からす



 
 
雨が降る夜に鴉が啼いた
 
かあかあ かあさん何処にいる
 
闇が深くて探せない
 
振るえる羽でかあと啼く
 
かあかあ かあさん何処にいる
 
雨の中から声がする
 
かあさんもうすぐ帰ります
 
おみやげもって帰ります





 阜可 忠

平成二十九年九月十二日
  1. 2017/09/12(火) 17:39:26|
  2. 壺中の天
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頬杖

頬杖


 
 
止まり木をよせて
 
頬杖するおんな
 
グラスの酒に時間がゆれて
 
此処にいる不思議をいぶかしむ
 
白髪が目立つ男の影をなぞる指
 
なにかが始まり何かがおわる
 
からのグラスに転がる昔の夢が


 
 
阜可 忠

平成二十九年九月十二日
  1. 2017/09/12(火) 14:25:12|
  2. 壺中の天
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俳優とか議員とか・・・

俳優とか議員とか・・・


 
 
覚悟の上の事だろうね
 
伴侶も子供も親さえも
 
愉しかった思い出も
 
全てを手放していけばよい
 
滅びるか栄えるか
 
そんなことはどうでもいい事
 
恋に条件はいらない
 
それが恋に堕ちるということ
 
どこに屍をさらそうが
 
けものに食い荒らされようが
 
つまらない言い訳はするな
 
惚れたからだと言えばよい
 
まっしぐらに堕ちて行けば良い
 
なーに三つきもすれば世間の噂も消える
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十二日
 
 
 
  1. 2017/09/12(火) 10:10:54|
  2. 壺中の天
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風乗り

風乗り




 
 
飛べますか
 
どこまで飛んで行けますか
 
両手を大きく伸ばして
 
空気をいっぱい掴んで
 
どこまで飛んで行けますか
 
こころに羽毛を詰めて
 
風に乗って行きましょう
 
あれあれあそこが僕の住むところ
 
あれあれあそこが君の住むところ
 
俯瞰する世界はまあるくて
 
大きな家も小さな家も重なって
 
やがて高みに消えて行く
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十二日
 
 
  1. 2017/09/12(火) 09:08:58|
  2. 壺中の天
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最後の薔薇

最後の薔薇




 
 
あの日が最後の薔薇の花
 
四十年の間 誕生日に贈られてきて
 
一年毎に一本ずつ増えた薔薇
 
六十本目の時に添えられていた言葉
 
最初で最後の紙片の見覚えのある文字
 
病に倒れこれが最後の薔薇だと
 
 
あなただったのですね
 
うすうす解っても確かめようもなく
 
病の床にあることなど知る由もなく
 
 
十年の歳月が流れて
 
油彩に描きとめた六十本の薔薇は
 
今年の誕生日も咲き続けている
 
途切れることなく蒼穹の彼方から
 
おりてくる薔薇のかおりの一日


 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十日
  1. 2017/09/10(日) 22:16:32|
  2. 壺中の天
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サッチモ

サッチモ




 
 
日が暮れて
 
昼の痛みが治まる頃
 
サッチモは徐に家を出る
 
着なれた古いタキシード
 
石鹸の匂いがする白い手袋

繊細に動く黒い指
 
磨き上げられたトランペット

 
サッチモのしわがれた声が湧きあがる

年老いたコオロギが唄う様に
 
戦の音も聞こえない夜
 
月を砕く音もない夜
 
サッチモが似合う秋の夜
 
トランペットが何処までも遠くへ

灯台のひかりの様に

ミルクが珈琲に溶けるように

水がひいていく様に
 
サッチモの歌が地を磨いていく

サッチモの歌が君のところに浸みていく
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年九月十日
 
 
  1. 2017/09/10(日) 08:24:11|
  2. 壺中の天
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