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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

孤舟

孤舟





 
 
高貴な方も そうでない人も
 
小才が利く人も そうでない方も

富むものも 富まぬものも
 
名を残そうが 残すまいが
 
惜しまれようが 惜しまれまいが
 
畳み一畳ほどの孤舟に乗る
 
積み上げられた数字に意味はなく
 
身に着けるものは薄衣一枚
 
煩悩は搔き消えて執着からの解放
 
五十歩百歩の孤舟の海路に
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月三十一日
 
 
 
 
 
 
 
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  1. 2017/08/31(木) 09:16:39|
  2. 壺中の天
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哀しみが (若林 暢 様に捧ぐ)

哀しみが (若林 暢 様に捧ぐ)



 
 
哀しみが音楽を創る
 
天才ヴァイオリニストの言葉
 
母を看病し自分は乳がん罹病
 
五十八歳で惜しまれて旅立った人
 
 
魂を揺さぶられる音色は
 
深い悲しみの底から湧き出でて
 
聴く人を魅了してやまない
 
無知な私は知る事はなかった
 
 
哀しみが詩を創る
 
悦びを以て生まれて
 
哀しみに死んでゆく
 
葛藤の過程で詩は生まれる
 
そう信じる事が私の支え



 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月三十日
 
 
  1. 2017/08/30(水) 13:14:32|
  2. 壺中の天
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匂い花

匂い花




 
 
匂い残りであなたと知れる
 
名前も告げずとも一輪の花
 
浮かびくる白い花影

窓のガラスに気配を貼りつけて
 
朝になれば何処に帰る
 
うす紫の小さな蝶となって行く
 
匂い残して飛ぶものと 
 
八月も末の空の高みに


 
 
阜可 忠

平成二十九年八月二十八日
  1. 2017/08/28(月) 21:38:46|
  2. 壺中の天
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手探りの朝
 
来ているはず確かに
 
ガラスを抜けて
 
やんわりと薄明
 
夜の衣を解いていく
 
清浄な空気をまとい
 
始まるいちにち




 
 
阜可 忠

平成二十九年八月二十八日
  1. 2017/08/28(月) 05:11:13|
  2. 壺中の天
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ひかり織

ひかり織





 
 
一天より放たれた光り
 
この指に留まり来て
 
たとえば夏薔薇の優しさに誘う
 
逃さない 零さない
 
この温もりだけは手のひらに
 
ひかりの痛さと有りがたさ
 
 
温もりを忘れる筈はなく
 
抱かずとも知れるあなたの優しさ 
 
ひかりの布に私を織り込んでくれますか
 
自然に目覚めて息ができるまで
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月二十六日
 
 
 
 
 
 
  1. 2017/08/26(土) 20:14:39|
  2. 壺中の天
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眠りたい

眠りたい




 
 
ただひたすらに眠りたい
 
日にち跨いで眠れぬ夜に
 
何とかたどり着く朝もやの
 
脳の割れ目に蝉の声
 
ジイジイ哭くのか耳鳴りか
 
この時ばかりと哭き壊す
 
立秋というのは悪い冗談だ

今が本当の夏なれば

 
 
阜可 忠

平成二十九年八月二十五日
  1. 2017/08/26(土) 00:00:27|
  2. 壺中の天
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英語歌を聴きながら

英語歌を聴きながら





 
 
詩を書いている
 
英語歌を聴きながら
 
意味が解らないから
 
音として聞こえる
 
リズムに合せて指を弾き
 
ハーモニーに揺れる
 
英語詞の意味は考えない
 
ゆったりと聴きながら




阜可 忠
 
平成二十九年八月二十五日
  1. 2017/08/25(金) 03:35:22|
  2. 壺中の天
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其れさえあれば

其れさえあれば




 
 
永すぎると思っていた
 
振り返れば短すぎる時間
 
何一つまとめるでもなく
 
旅する意味も解らずに
 
漠然と見送った後ろ姿
 
僅かな花の名前を告げて
 
季節は足早に通り過ぎる
 
大好きだった夏の海
 
 
永すぎると思っていた
 
気が付けば切れ切れの記憶
 
ウレタン糸でつないで
 
その重さを確かめている
 
好きだった夏を今は恨み
 
冷厳な冬を懐かしんでいる
 
温めあう手のひらの記憶
 
其れさえあればと思うから
 
 
 
阜可 忠

平成二十九年八月二十五日
  1. 2017/08/25(金) 03:05:29|
  2. 壺中の天
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泣けてくる

泣けてくる




 
 
ベートベンで涙する
 
ヴィヴァルディで泣けてくる
 
ショパンを聴いてなお泣ける
 
裕次郎では寂しくて眠れなくなる
 
五木ひろしで寒くなる
 
何を聴いても泣けてくる
 
どうしようもなく軟になる
 
ええいままよ 勝手にしろ
 
投げつける心が痛くなる



阜可 忠

平成二十九年八月二十一日
  1. 2017/08/21(月) 23:35:01|
  2. 壺中の天
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深川八幡様本祭り

深川八幡様本祭り




 
 
深川の水かけ祭り
 
今年は三年に一度の本祭り
 
弟は朝早くから支度でがたびし
 
祭り狂いは変わらない
 
祭りがりの頭に祭り袢纏
 
白股引に白い足袋
 
八月半ばの深川八幡祭り
 
神輿の担ぎ手も見物人も
 
水浸しになって街を練り歩く
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月二十一日
  1. 2017/08/21(月) 23:14:06|
  2. 壺中の天
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仕合わせ

仕合わせ



 
 
西瓜を切り分ける様に
 
仕合わせを細かく割ってみる
 
人の不幸の上の仕合わせや
 
相対的な幸せ度など意味がないと
 
強がり言ってみたとする
 
やはり仕合わせと思っていたい
 
幸せであろうとなかろうと
 
最後に帳尻は合うものと知りつつ




阜可 忠
 
平成二十九年八月二十一日
  1. 2017/08/21(月) 22:50:33|
  2. 壺中の天
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黒い服の女

黒い服の女



 
 
カウンターのグラスが滑る
 
ウォッカを続けてあおって
 
覚束ないステップで踊り続ける
 
肩までかかる髪の女
 
口説く男達に振り向きもせず
 
こんぶの様にゆれて踊る
 
 
始発時間に店を出る
 
黒い服の女
 
しっかりした足取り
 
明けやらぬ盛り場
 
けばけばしい夜を分けて
 
振り返りもしない
 
新宿駅に消えた黒い服の女
 
あれはいつ頃のどの季節 


 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月二十日
  1. 2017/08/20(日) 23:00:09|
  2. 壺中の天
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早朝

早朝




 
 
ひかり揃わない夏の早朝
 
珈琲の香りのみ漂うひと時
 
耳をそばだてる音もなく
 
ぼうとするこの時間が好き
 
過ぎた時間に巡らす想い無く
 
今を憂うでもなく
 
明日を思い患うではなく
 
瞑想して微かに息を吐く
 
ひかり揃うまでの隙間に
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月二十日
 
 
 
 
 
  1. 2017/08/20(日) 13:54:12|
  2. 壺中の天
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雷鳴雨

雷鳴雨




 
 
突然の雨に濡れて
 
遠く近く重い雲を渡り歩く
 
何処より来て何処にゆくのか
 
音のみ激しく転がり来て
 
雨はなおも降りやまず
 
熱く焼けた頬を伝わり落ちる
 
拡げる傘もなくゆるり歩いて

ふと蘇る昔の記憶

 
あの時も同じような雨だったか
 
上着も靴も濡れ崩れる夜だった
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月十九日
 
 
 
  1. 2017/08/19(土) 20:55:01|
  2. 壺中の天
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眠りの神様に

眠りの神様に





 
 
ベッドから落ちておでこを打った
 
思うようにいかない夢の世界

闘いはもどかしい
 
パンチは相手に届かないし
 
蹴っても空を切るし
 
身を反らせて相手を避けると
 
とたんに大きな音で目が覚める
 
曲がった眼鏡
 
痛い拳と膝の痣
 
 
3週間で四度目の落下である
 
全て夢の中の闘いの出来事
 
なんでこんな夢を見るのだろう
 
悪行なしとは言い切れないが
 
臆病な平和主義者ではなかったか
 
それとも猛々しい前世か
 
 
明日からはベッドを止める
 
愉しい恋愛ものを夢見る為に
 
祈っても眠りの神様はよそを向く





阜可 忠
 
平成二十九年八月十八日
 
 
 
 
 
 
  1. 2017/08/18(金) 03:27:56|
  2. 壺中の天
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波に揺れて

波に揺れて



 
 
この川を漕ぎ下り
 
広い河口の更に向こう
 
藍色から茜の重ね雲のはて
 
君の歩みはいつも早くて
 
僕は航跡を辿ることも出来ない
 
焦ることは無いと君の口癖
 
猜疑心も恨みも妬みも消えれば
 
また一緒に歩けるかも知れないと
 
 
この世の煩脳の海をわたり
 
水平線には何時か聴いたピアノ
 
波の上昇気流に群れる海鳥
 
きっと約束だよ 忘れないで
 
あの日の記憶が戯れでなかった事
 
違う時間や距離が重なるところ
 
目印の白い旗を波に揺らせて
 
居眠りしているのが僕だから





 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月十六日
  1. 2017/08/16(水) 09:17:48|
  2. 壺中の天
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扉を閉じよ

扉を閉じよ


 
 
夏は暑いに決まっている
 
悍ましい原爆の記憶
 
地獄の扉が開け放たれた瞬間
 
全ての日常が蒸発して
 
この世から消えてしまった
 
 
夏は暑いに決まっている
 
敗戦を知った日から
 
地獄の扉が開くこの季節 
 
あふれ出る哀しみや怨念
 
灼熱をもって記憶に留めよと
 
 
夏は暑いに決まっている
 
為政者の脳はとろけだして
 
原爆も焼夷弾も機銃掃射も
 
愚行の上に愚行を重ねる
 
地獄の扉を閉じる理性は何処に
 
 
 
阜可 忠

平成二十九年八月十四日
  1. 2017/08/14(月) 17:23:57|
  2. 壺中の天
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空虚

空虚




 
 
何とか言ってくれ
 
僕の今を訊いてくれ
 
破裂して粉々になりそうだ
 
なにか言葉を聴かせてくれ
 
青葉の声は蒼空を行くのに
 
此処にとまる声はない
 
こんなにも求めているのに
 
僕のこころは空っぽで
 
水銀を飲んでも重くならないのだ
 
何とか言ってくれ
 
自業自得だと哂ってもいいから
 
僕の今を訊いてくれ
 
白々しく通り過ぎる無常の時よ
 
僕はさっきから此処にいる
 
 
 
 
終戦記念日間近 

阜可 忠
 
平成二十九年八月十三日
 
  1. 2017/08/13(日) 09:33:00|
  2. 壺中の天
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航跡

航跡




 
 
夜更けの雨の音
 
過ぎた日を連れてきては
 
ガラスを堕ちていく航跡
 
 
重ねられない月日を今は
 
ガラスペンをシャリリ
 
宛先の無い手紙を書いている
 
時系列を離れ思いつくままに
 
昔をあれこれ書きとめる
 
中野の小さな部屋の窓
 
ガラスの航跡をなぞる人
 
 
夜更けの雨の音
 
過ぎた日を辿るなつかしく
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月十二日
 
 
 
 
 
  1. 2017/08/12(土) 22:33:14|
  2. 壺中の天
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まじない

まじない





 
 
こころが騒いで眠れぬ夜に
 
いつも唱えるまじない言葉
 
大丈夫 大丈夫 大丈夫
 
力を込めて握る拳で唱えれば
 
怒りや悔しさも薄れゆく
 
自分を責めない あのことも
 
岐路で選んだ最良の道
 
今ある自分に正しいと




阜可 忠
 
平成二十九年八月九日
  1. 2017/08/09(水) 21:09:53|
  2. 壺中の天
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幻の花

幻の花




 
 
わかっています
 
姿いつも見せずとも
 
あなた残した花匂い
 
辛い時こそ寄り添って
 
独りじゃないと言い聞かせ
 
歩み出そうとするときに
 
 
忘れてなんかいるものか
 
それが一夜の幻だって
 
数十光年の恋もある
 
張り裂けそうな胸みせて
 
幻の花が咲く夜は
 
何も言わずに抱きしめる
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月九日
 
 
  1. 2017/08/09(水) 09:46:55|
  2. 壺中の天
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カエル

カエル




 
 
夜の静寂を曳いて哭く
 
雨が降らなければ雨恋し
 
雨が降ればなお雨恋し
 
恋しい恋しいと哭くカエル
 
姿かたちは違うとも
 
恋うる想いに相違なく
 
夜の静寂を分けて哭く


 
 
阜可 忠

平成二十九年八月八日
  1. 2017/08/08(火) 20:54:08|
  2. 壺中の天
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夢の儘で

夢の儘で






 
 
月の円い夜
 
小さなバイクに跨った
 
僅かな持ち金と日用品
 
片時も離せない持病の薬
 
準備は簡単 あとはセルを押すだけ
 
遠慮がちにエンジンの音
 
ヘルメットを着け乗り出そう
 
何処と言うあてはない
 
しがらみのない土地を走るだけ
 
つかれたら寝転んで
 
月の光りを手繰るだけ



 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十九年八月七日
 
 
 
 
 
 
 
  1. 2017/08/07(月) 07:58:03|
  2. 壺中の天
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花火

花火


 
 
河口近く
 
鉄橋をあらわにして
 
ひるひるひるどーん
 
ひとつみっつふたつ
 
闇をかざりたてる
 
鉄橋の骨を晒す
 
ひるひるひる僕を曳いて
 
僕は弾けてどーん



阜可 忠

 
平成二十九年八月二日
  1. 2017/08/02(水) 04:51:13|
  2. 壺中の天
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