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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

希望

希望


 
 
さよなら 今年
 
晴れがましく訪れるだろう新年
 
数時間で今年をまとめ
 
一括りして心の隅に押しやろうとする
 
相変わらずのた打ち回る大地
 
戦に明け暮れて乱れる人心
 
なに一つ一括りに出来る筈はなく
 
せめて来る年は希望に変われと祈る





阜可 忠

 
平成二十八年十二月三十一日二十一時三十分
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  1. 2016/12/31(土) 21:40:26|
  2. 壺中の天
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数日の後

数日の後




 
 
少年の様にときめいている
 
あと数日でド・ゴール空港
 
 
美術館で再会する麗人たち
 
印象派の煌めき感じて
 
油彩の匂いを纏う僕がいる
 
永かったこの時の訪れまで
 
少年の様に心躍らせて
 
初恋の人と逢うような
 
想い膨らませて今夜も眠れず
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月二十八日
 
 
  1. 2016/12/28(水) 01:19:48|
  2. 壺中の天
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惜情

惜情





 
 
炎の冷徹さを想えば
 
荒野を走る雪風がわかる
 
感傷をものとせず吠えまくる
 
惜しむ情などはさらさら無く
 
白野に時のみ重なりあい
 
炎の痕跡も今は眩しい
 
人の心の乱れを知ればこそ
 
 
 
阜可 忠

平成二十八年十二月二十八日
  1. 2016/12/28(水) 00:40:22|
  2. 壺中の天
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延伸

延伸





 
 
一年が過ぎようとしている
 
一本の線が少しだけ延伸
 
何処にその証を求めようか
 
退化するひたむきな精悍さ
 
悔やむまい今は流されて
 
風に行く雲の端に掴り
 
移ろう季節を眺めている
 
消えそうで消えない存在




阜可 忠
 
平成二十八年十二月二十七日
  1. 2016/12/27(火) 22:09:58|
  2. 壺中の天
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ホワイトクリスマス

ホワイトクリスマス



 
 
小雪まじりの白い夜
 
ななかまどの実に降り積もる
 
赤いお服に袖飾り
 
小さなサンタが目を覚ます
 
いじめ子も泣いている子も
 
みんなみんな手をつなぎ
 
赤い実に抱かれてホワイトクリスマス
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月二十五日
  1. 2016/12/25(日) 14:41:04|
  2. 壺中の天
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冬至の夜に

冬至の夜に




 
 
一番長い夜が過ぎれば
 
これから少しずつ夜が短くなる
 
 
あのときの夜に遡り
 
深手を負ったこころの奥に
 
柚子の香りが滲みてくる
 
詰まらぬ夢など捨て去れと
 
冬至の夜の湯気ゆらり





 
阜可 忠

平成二十八年十二月二十一日
  1. 2016/12/21(水) 21:57:13|
  2. 壺中の天
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雪夜

雪夜







 
 
炭がパチリと撥ねる
 
とろとろと燃えている
 
からちろと舌をだして辺りを探る
 
手をあぶる子供たちの赤いほっぺ
 
餅がぷっくり熱い息を吐く
 
 
そとは風の走り回る音
 
屋根を滑る雪くれの音
 
炭の火に時間がとろり赤くなる
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月十九日
 
  1. 2016/12/19(月) 01:48:10|
  2. 壺中の天
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寒月

寒月


 
 
年の瀬の満月は
 
寒空に研がれて
 
凄みさえ帯びている
 
人の世の愛憎を
 
冷笑で凍りつかせている
 
想えばここに至って
 
月のひかりに我を切らせて
 
意味のない業の深さを知る




阜可 忠
 
平成二十八年十二月十四日
  1. 2016/12/14(水) 23:26:55|
  2. 壺中の天
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走る

走る




 
 
地図を広げて夢をなぞる
 
雪の中に一本の線を走らせ
 
海沿いの道を辿ったりする
 
古都の知人を訪ねたり
 
うっすらと残る街道の記憶を走る
 
不自由なギブスの手もどかしく
 
地図を広げバイクを走らせる
 
春になったら気の向くままに
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月十日
 
 
  1. 2016/12/10(土) 22:52:29|
  2. 壺中の天
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冬枯れの

冬枯れの




 
 
冬枯れの野に咲く花
 
名を呼べば微かに頷き
 
空に媚もせず凛として
 
冷気を纏うばかり
 
 
冬枯れの野に雪舞い降りて
 
梢の先に花まいらせる
 
名を問うて雪花の哀しきは
 
雪野に想い重ねるばかり
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月九日
 
  1. 2016/12/09(金) 20:47:30|
  2. 登美日抄
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廃線の記

廃線の記




 
 
弁当箱のような客車はもう来ない
 
映画のシーンだけに残る駅舎
 
この日だけは小さな駅にひとが溢れる
 
口々に寂しいとか哀しいとか
 
もっと利用してあげれば良かったと
 
車社会に追いやられ
 
過疎化に抗する策も無く
 
便利さの影に外されていく
 
最後の列車の作られた笑顔

四角い肩を丸くして
 
咳き込みながら消えて行く
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月六日
 
  1. 2016/12/06(火) 08:58:33|
  2. 壺中の天
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修羅の舞

修羅の舞




 
 
花を信じていいですか
 
暖かな日差し浴びていいですか
 
冬の寒気を知っているからこそ
 
此のひとときをあなたに賭ける
 
あなたのこころのなかに住まいして
 
あなたさえ知らないあなたに触れて
 
生まれてきた意味を抱きしめる
 
この一瞬に滅びてもいい

あなたという花に酔いしれて
 
修羅の舞に墜ちようと
 
生まれてきた価値はあるものと
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月五日
  1. 2016/12/05(月) 21:21:57|
  2. 壺中の天
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冬便り

冬便り




 
 
夜と朝の合間を風が走る
 
落ち葉手紙を集めたり配達したり
 
浅草のお酉さまの様子やら
 
秩父の夜祭の賑わいや
 
イルミネーションの人の影
 
ガタピシ窓のガラスに貼り付ける



 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月五日
  1. 2016/12/05(月) 05:23:52|
  2. 壺中の天
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コンビニ爺さん

コンビニ爺さん




 
 
連れ合いが言うにわたしを
 
コンビニ爺さんだと
 
夜中に床に就き
 
幾らもしないで起きだしてゴソゴソ
 
 
コンビニは眠らない
 
おじいさんも眠らない
 
昼寝もしないで起きっぱなし
 
とても付き合っていられない
 
連れ合いがあきれて言うにわたしを
 
コンビニ爺さんだと
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月四日
 
  1. 2016/12/04(日) 21:03:05|
  2. 壺中の天
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骨折診察

骨折診察



 
 
ギブスからの解放が一週間伸びた
 
レントゲンを指して医師が告げる
 
骨折の隙間が埋まっていない
 
外側に内側に手を曲げて痛みを訊く
 
深く折ると疼痛が残っている
 
バイクはどうでしょうと僕
 
年内はまだ無理だなあと医師
 
今年の秋は終わったなあと僕の頭の中
 
急に紅葉が散っていく
 
気の毒そうに包帯を巻く看護婦
 
ほっそり白くてしなやな指
 
控えめな指輪は銀かプラチナか
 
ぼんやりとそんなことを考える僕
 
はい お大事にしてくださいね
 
看護婦の笑顔に眩暈した僕

骨折に耐えた大きな褒美
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月三日
  1. 2016/12/03(土) 02:28:45|
  2. 壺中の天
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いつも通り想定の枠の中で
 
眠れない夜が始まる
 
否定しようとする無駄な時間
 
モノクロの万華鏡が形を変える
 
 
二十四時を過ぎて夜が続いている
 
昨日の夜が幕を閉じて
 
今日の夜が明日の夜を行く
 
変貌する夜をいつの夜と呼ぼうか
 
 
方角を指し示す星の名も知らず
 
ジャイロもコンパスも衛星もなく
 
僕は何処にいるのだろう
 
僕は何処へ向かっているのだろうか
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月三日
 
  1. 2016/12/03(土) 02:00:39|
  2. 壺中の天
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冬の花

冬の花





 
 
ピンと張った冷気の絃
 
弾けば透明な音がする
 
 
冬の花の咲く音がする
 
夜の暗さに浮かび来て
 
微かに首をかしげて
 
わたしの心を探している
 
あの華やかな季節が過ぎて
 
幾多の時を数えて
 
最後の月の朔日
 
冷気を引いて
 
冬の花がいちりん
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十二月朔日
 
 
  1. 2016/12/01(木) 03:49:10|
  2. 壺中の天
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