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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

冬到来

冬到来




 
 
北の地は急に忙しくなった
 
月見にのんびりする間もなく
 
早い雪の到来に誰もが走り回る
 
みずうみに凍りつく白鳥の翼
 
羽ばたくたびに雪が乱れる
 
草を食む牛馬の姿はなく
 
冬の準備で蝦夷リスは団栗集め
 
辺り一面が雪に埋もれる前に
 
薔薇の雪囲い
 
ビニールハウスの手入れ
 
 
北の地は遠い春に向かって
 
確かに歩み始めている
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十一月二十九日
 
 
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  1. 2016/11/29(火) 20:30:34|
  2. 壺中の天
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枯葉

枯葉




 
 
黄葉にならず
 
朱葉に変わらず
 
地に渦を巻く枯葉
 
 
虚空の夢から覚めて
 
虚飾の変貌を求めていない
 
土に瞑想するを求める



 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十一月二十八日
  1. 2016/11/28(月) 21:38:37|
  2. 壺中の天
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数人の友が集い來る今宵
 
下町の表通りから外れて
 
旨い料理と友の声の有り難き
 
琥珀酒に砂糖を溶かして
 
芳醇な香りに酔いをまかせる
 
人それぞれに笑い今を語り
 
過ぎる時間を引き留めようとする
 
気の置けない友に過ぎるもの無く
 
いつかまた逢おうと言って手を振る
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十一月二十七日
 
 
 
 
  1. 2016/11/27(日) 00:50:22|
  2. 壺中の天
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ジャズが沁みる

ジャズが沁みる


 
 
ホテルロビーのカフェ
 
その方の声は過ぎていく時間に沁みていく
 
コーヒーを召し上がるその所作に重なりくる
 
遥か昔のあの方の笑い顔
 
 
会話の中にいつの間にかジャズが流れてくる
 
やわらかく落されたロビーのあかり
 
背中の開いたえんじ色のドレス
 
たばこの煙の様に沁みてくる歌

 
ジャズを聴いた事のない私が引き込まれていく
 
お洒落な空間に自分が溶けて行く様で
 
刻むベースに揺さぶられてゆれている
 
この芳醇な時間に私は呼吸している
 
 
同席のお方の遠慮がちな拍手
 
ピアノを弾かれるというそのお方に
 
微笑んで会釈する歌い終えた人
 
上質な空気にピアノが納まって行く






 
阜可 忠

平成二十八年十一月二十六日
 
  1. 2016/11/26(土) 10:54:11|
  2. 壺中の天
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御礼。

おはようございます。

沢山のお見舞いのお言葉ありがとうございます。
リコメをせずに申し訳ありせん。
この場を借りて御礼申し上げます。

骨折の治療に専念したけっか、
経過も良く12月初旬にはギブスもとれそうです。
ただその後風邪などをひいて、体調を崩して追いました。

すこしづつ復帰してまいりたいと思います。
宜しくお願いいたします。


  1. 2016/11/26(土) 08:48:52|
  2. 壺中の天
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峠の灯り

峠の灯り










何処から来なさった

ほう 峠を越えてのう

難儀なさいましたなあ 

とにかく入りなされ

さあ遠慮はいらんからのう

引き戸から灯りが転がってきた

私は蓑を外して土間に入る

難所続きの峠を越えて

まして横殴りの雨の中

この家の灯りの有りがたく

主の情けが身に染みる

囲炉裏の小枝が燃え上がる

親父の優しさに堪えた涙

汁に零れて塩辛く


誰の世話にもならねえ

啖呵を切って生きてきた

意地も誇りも流し去る

峠の雨が屋根を射して降り続く







ashinoyukito

平成二十八年九月十三日
  1. 2016/11/19(土) 08:03:08|
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パリ行き

パリ行き




 
 
ルーブル美術館を訪ね
 
オルセ美術館にこころを置いてみる
 
その夢に娘夫婦が誘ってくれた
 
余裕のない我が家を想って
 
何も心配いらないという
 
念願のわたしの夢が実現する
 
娘の電話に涙が出そうになる
 
最初で最後のパリ行きまで43日




阜可 忠
 
平成二十八年十一月十八日
  1. 2016/11/18(金) 02:38:49|
  2. 壺中の天
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虫奏曲

虫奏曲









秋の雨あがり 夜は

静寂にちろころちろころ

人恋し恋しと沁みてくる

一生に一度のめぐり逢い

なんで忘れよか 主の声

ちろころちろころ呼ぶ音は

こころを揺らして鈴となる





ashinoyukito

平成二十八年九月十一日
  1. 2016/11/18(金) 02:15:41|
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トランペット

トランペット









哀しい音がする

逝った人に届くように

何時までも余韻を残す

美しい所作で踊りながら

悲しい音だわ あなたは言う

そういえば暗い星雲に滲みて

消えて行きそうで消えない音





shinoyukito

平成二十八年九月十一日
  1. 2016/11/18(金) 02:13:27|
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幼い魔女

幼い魔女









魔女というには幼い子

灰色のマントに朝陽を抱く

魔法の箒をどこに忘れたか

朝焼けの街を探して歩く

心配カラスが覗き込む

羽を使って髪を梳いている

歯ブラシは小鳥のふわふわ羽毛

露のひかりを掬っては集めて

前髪を濡らしたり ぶくぶくしたり


さてこちらは黒い森

母さん魔女が水晶玉に手をかざす

露をすする幼い我が子が見える

灰色マントに魔法の糸をかけ

刺し網のように引き上げる

幼い魔女の初めての独り旅

楽しかったこと面白かったこと

怖かったこと などなどなど

母さんのマントに包まれて

いつしか夢の中に溶けていく











芦野往人

平成二十八年九月十一日
  1. 2016/11/17(木) 01:06:58|
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墓名詩

墓名詩










おちてくる言葉などなく

弱さも哀しさも

悦びも楽しさも

撹拌して沈殿させるもの

知的な好奇心のなぞ解き

可能な限り反芻して

さり気なく人生を飾ろうとする

自分のイメージを作り上げる

それが一篇の詩であれば


読む人の批判を恐れる事無く

ただ墓名詩とするためだけに











芦野往人

平成二十八年九月九日
  1. 2016/11/17(木) 01:04:10|
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スーパーMOON

スーパーMOON




 
 
新しいスーパーが出来たらしい
 
開店値引きで人を呼ぶ
 
床面積は通常よりも三割も広い
 
六十八年ぶりの大型店舗
 
TVはやんのやんのと煽り立てる
 
慌てふためく人の群れ
 
 
運河におちた月が揺ら揺ら笑う
 
さて
 
平安の詠み人にこの月は
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十一月十六日
 
 
 
 
 
 
  1. 2016/11/17(木) 00:15:28|
  2. 壺中の天
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小春日和

小春日和



 
 
街なかの小さな公園も秋の末
 
大きな欅が肩をゆすっている
 
色付いた葉を風に乗せている
 
園児が群れて飛び回る足元に
 
木枯らし吹いても負けないで
 
カサコソ優しく囁いて
 
公園に小春日和を届けます

 
 
阜可 忠

平成二十八年十一月十六日
  1. 2016/11/16(水) 23:48:57|
  2. 壺中の天
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名簿

名簿










返送された葉書が語っている

赤いスタンプのあて先不明

何処かで元気でいるなら其れで良い

移動先も知らせず行ったやつ

あれから何年たっただろう

栗くり坊主の顔のまま

おかっぱ頭やおさげ髪

あのときあの姿そのままに

あれからどうしているだろうか

名前の上にチェックして

一人ひとりと話をする

白髪にならず禿もせず

あれからの事を訊いてくる

私を見ながらはしゃいで笑う

「歳を取ったなあ」と


相変わらず私は名簿の整理

二本線で消せない君の名前

彼の岸に旅だったとしても

来年もその次も名簿に残しておく

君は小さな声で詫びている

「すまないなあ」とひとこと







芦野往人
平成二十八年九月六日
  1. 2016/11/15(火) 08:09:34|
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夜と朝と

夜と朝と










夜を黒く塗り過ぎたから

ゆっくりと朝の色が来る

一粒のひかりが蛍の様に来て

夜と朝を微かに分けていく

生する者たちが露から出でて

シンフォニーが尊大に始まる

わたしは少しずつ息を整えて

文字を探して色を点していく








芦野往人

平成二十八年九月五日
  1. 2016/11/15(火) 08:06:47|
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分水嶺

分水嶺










君につながる旅は

空路であれ 

鉄路であれ 

海路であれ

情けない徒歩であれ

何時も崖っぷちの雲海に阻まれる


君につながる空は

君につながる大地は


君につながる海は

躊躇する理性に途切れている

ほろびゆく勇気はなく

魂のみ切り刻んで

分水嶺から右に左に落して迷う





芦野往人

平成二十八年九月四日
  1. 2016/11/15(火) 08:04:59|
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一日を生きる

一日を生きる






 
 
一日にまとめたら
 
何と生き生きとした一日
 
苦しみ蠢いた時は跡形もなく
 
刺激的な一日に愕き怯えている
 
時は当たり前のように過ぎて
 
ひきずる過去等は胡散霧消
 
時は残酷までに記憶を振り払う
 
一瞬の感傷も許されず
 
葛藤も無く
 
安らぎも無縁
 
時の行く先を悩むことなく
 
有り触れた公式の中に
 
気が付くことも無く
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十一月十四日
  1. 2016/11/14(月) 08:51:32|
  2. 壺中の天
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そら

そら










雨の墜ちてこないうちに旅に出る

数えるほどの時間を懐に入れて

予定の無い旅に出る

八ヶ岳を遠く近くゆく


稜線をたどれば指先が碧くなる

「阿蘇の空に似ている」君は掴もうとする

逆光が髪を解いて煌めいている


君の故郷の空は丸くて大きい

私は小さな四角い都会の空を見ていた

不細工に纏まった小さな空

それでも掛け替えのない私の空だ


旅に出た筈なのにこの蒼空を抱かれてしまう

私に似合うのは此処

数えるほどの時間を君の為に



芦野往人

平成二十八年九月四日
  1. 2016/11/14(月) 08:32:50|
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夏が逝く

夏が逝く









誇り高く夏が逝く

恨み事 一身に受けて

誇り高く夏が逝く

夏に秋を探すな

夏に春の影を追うな

言葉にしようとすれば

焼けつくしてしまうから


誇り高く夏が逝く

私の中に私を探すな

私の中に私を見るな

私の中にあなたを探すな

私の中にあなたを見るな

希望と失望が燃え盛る

夏は夏 誇り高く逝く





ashinoyukito

平成二十八年九月朔日
  1. 2016/11/14(月) 08:29:19|
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カラオケ

カラオケ








声が良くてしびれてしまう

言われるたびに鼻が高くなる


家内に話すと良かったねと斜め顔

そんなにいい女がいるかと訊く

いや みんな爺さん婆さんばかりさ

あら お父さんだって立派な爺さんだ

違いない 違いない

其れを忘れて一本取られたなあ





ashinoyukito
  1. 2016/11/14(月) 08:24:10|
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今日の空に

今日の空に






 
 
あそこまで行こう
 
あそこにも寄ろう
 
まっさらな地図を広げて
 
何本も線を引く
 
 
骨折して走れる筈もないのに
 
大人気なく胸を膨らませる
 
花に合わせて街道を行くのも良い
 
紅葉の渓流ぞいの道も良い

 
来春にはこの夢に遊んでみよう
 
骨は折れても心は折れていない
 
柿の落葉を祓いながら
 
澄みきった空を駆けてみる
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十一月十二日
  1. 2016/11/12(土) 08:51:53|
  2. 壺中の天
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冬の鵯

冬の鵯




 
 
鵯がチチチと鳴いて飛んでいく
 
寒空を掬い上げるように
 
木枯らし絡まる街のなか
 
鵯がチチチと鳴いて飛んで行く
 
独りでいるのが淋しくて
 
離れ仲間を探して飛んで行く
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十一月十一日
  1. 2016/11/11(金) 12:49:35|
  2. 壺中の天
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左手  

左手  
 
 
尋常の痛さではなかった
 
まんじりとも出来ないその夜
 
鎮痛剤は効果なく
 
呻き続けてやっと朝を迎える
 
一日置いて月曜日診察を受ける
 
痛い筈である
 
手首は骨折していた
 
ギブスは今月いっぱい
 
痛々しく包帯を巻かれ
 
年内の完治を目指す
 
日常の何をするにも不便この上ない
 
右手も左手も主役
 
今になって感謝する左手の大切さ
 
雑に扱ったわけではないが
 
これからは大切にしようと決める
 
わたしの命が続く限り





お見舞い頂き、ありがとうございます。
左手首は骨折していました。
年内には治るとのことで、ホッとしております。
どうぞ、皆様も怪我や病気になりませんよう、
お気をつけてお過ごしください。
以上、御礼とご報告に代えまして。
有難うございます。

 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十一月十日
  1. 2016/11/10(木) 09:36:02|
  2. 壺中の天
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お知らせ

お知らせ



暫くお休みいたします。

転倒して左手首をひねったため凄く痛みます。
キーボドをうてるようになりましたら復帰いたします。
宜しくお願いいたします。
月曜になっても痛むようであれば診察を受ける事にします。




                      阜可 忠

平成28年11月05日
  1. 2016/11/05(土) 18:57:01|
  2. 壺中の天
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柳川鍋

柳川鍋









呑む誘いの電話

暑気払いに泥鰌をつきあえと


間口一間半の小さな呑み屋

無口な親父と品の良い女将

カウンターに椅子が七つ

勿論エアコンはない

入り口も窓も開けたまま


親父 柳川二人前たのむよ
一つは開き 一つは丸で


お前元気か 俺は元気だ

先ずは乾杯ってところだ

それから沙魚と野菜の天ぷら

泥鰌を割く親父の丸い背中

この前より小さくなった


はいよおまちどさん

口の中で熱さを転がして食う

夏はこれだな これに限る

大きな汗がやたらとたれる

夏はこれだな これに限る

ぐつぐつ ふうふう たらたら 






夏の記憶から

ashinoyukito
  1. 2016/11/04(金) 03:53:09|
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夜考

夜考









日を跨いで既に一時間

昨日の時間切れ目なく

特に意味も無く過ぎていく


そういえば年末年始もそうだった

鐘の音がごわーあんとなって

行く年くる年をTVで知った


日も月も年も連なっているのに

生まれ変われるような感じして

晴れがましく迎えた正月であった


日を束ね月を数えて 今は秋も末

愚にもつかない考えに今夜も眠れず



ashinoyukito
  1. 2016/11/04(金) 03:50:50|
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夏の蝶

夏の蝶










眩暈してふらふら彷徨う白い蝶

上昇気流にまきあげられて雲の中

ひんやり雲に包まれて

焼かれた翅を振るわせる

ありがとう 雲さん

すっかり元気になりました

ふんわり雲から飛び立って

触角ふりふり降りてくる





ashinoyukito
  1. 2016/11/04(金) 03:48:11|
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秋夜

秋夜





 
 
夜更けに目覚め夜の音を聴く
 
こころを細かく動かすような
 
幽玄の時を漂い来る音叉
 
昼時は生活の音の中に紛れ
 
夜になると確かに命を刻む
 
無意味な気負いなど許されず
 
自分の有りようを示す音



 
 
阜可 忠
平成二十八年十一月四日
  1. 2016/11/04(金) 03:42:51|
  2. 壺中の天
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拝啓

拝啓





 
 
ひと筆参らせ候
 
お変わりなくお過ごしか
 
お前に宛てて書こうとしている
 
 
家電話もなく携帯は言うべくもない
 
かな釘文字を書き連ねて
 
眠れない夜を過ごした若い頃
 
今だから書きたい事もある
 
あのとき訊けなかった事もある
 
想いだけが先行して涙した時
 
寂しさに触れない返事に心は乱れ
 
己の未熟さに蓋をしてお前を責めた
 
騒ぐ胸をおさえて文字を書く 今
 
 
拝啓

ひと筆参らせ候 

お元気にお過ごしか
 
季節は秋から冬へと向かう
 
幾多の冬を乗り越えて僕は此処にいると




 
 
阜可 忠

平成二十八年十一月二日
  1. 2016/11/02(水) 22:05:37|
  2. 登美日抄
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秋寒

秋寒




 
 
前触れもなく花は消え
 
秋を楽しむ余裕もなく
 
いきなり冬が秋を押しのける
 
巡る季節の慌ただしさ
 
誰を恨むわけにもいかない
 
理不尽な恋の別れに似ている
 
おちてくる冷たい雨を受けて
 
来る冬の厳しい寒さを予感する
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年十一月二日
 
 
 
  1. 2016/11/02(水) 21:34:22|
  2. 壺中の天
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