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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

至宝

至宝



 
 
変哲もない岩山にこそ宿る
 
研ぎ澄まされた魂を以て
 
ハーケンに足場を求め
 
カラビナに命を繋ぐ
 
岩肌を滑る雨滴に濡れる石楠花
 
 
折れそうな時には野に下り
 
思い募らせる岩山に秘めたもの
 
研ぎ澄まされた魂を以て 
 
歩んできた道にこそ道はある
 
変哲もない岩山にあれば
 
至宝は永遠の輝きを教える
 
無駄ではなかった季節の重なり
 
歩みの一つがたとえ小さくとも
 
挫折の時に深く沈もうとも
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月三十日
 
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  1. 2016/08/30(火) 19:59:14|
  2. 壺中の天
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神の企み

神の企み




 
 
あなたは私の若さを責めた
 
年上のあなたにはそれだけが見えた
 
 
障害がいくつも現れて
 
神さまの単純な企みに翻弄された
 
 
難しいが克服できないことは無いはずだった
 
「あなたが三十歳になるまで待つ」と私に言った

絶対に嘘ではなかったと信じる
 
それは願いであって確証ではない
 
まして誓いや約束ではない
 
 
無理な事は解った 待てるはずがない
 
貴女は三十四歳になってしまう
 
障害が多い程 恋は激しく燃え上る
 
情炎揺らめくままに僕らは別れた
 
別れてから1年後あなたは嫁いでいった 
 
神の企みの全ては終わった
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月三〇日
  1. 2016/08/30(火) 03:05:52|
  2. 登美日抄
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カラオケ

カラオケ



 
 
声が良くてしびれてしまう
 
言われるたびに鼻が高くなる
 
 
家内に話すと良かったねと斜め顔
 
そんなにいい女がいるかと訊く
 
いや みんな爺さん婆さんばかりさ
 
あら お父さんだって立派な爺さんだ
 
違いない 違いない
 
其れを忘れて一本取られたなあ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十七日
 
 
 
 
 
  1. 2016/08/27(土) 00:18:26|
  2. 壺中の天
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柳川鍋

柳川鍋




 
 
呑む誘いの電話
 
暑気払いに泥鰌をつきあえと
 
 
間口一間半の小さな呑み屋
 
無口な親父と品の良い女将
 
カウンターに椅子が七つ
 
勿論エアコンはない
 
入り口も窓も開けたまま 

 
親父 柳川二人前 !

一つは開き 一つは丸で
 
 
お前元気か 俺も元気だ
 
先ずは乾杯ってところだな
 
それから沙魚と野菜の天ぷら
 
泥鰌を割く親父の丸い背中
 
この前より小さくなった
 
 
はいよ おまちどさん
 
口の中で熱を転がして食う
 
夏はこれだな これに限る
 
大きな汗がやたらとたれる
 
夏はこれだな これに限る
 
ぐつぐつ ふうふう たらたら 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十六日
 
 
 
 
  1. 2016/08/26(金) 20:41:34|
  2. 壺中の天
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深夜考

深夜考



 
 
日を跨いで既に一時間
 
昨日の時間に切れ目なく
 
特に意味も無く過ぎていく
 
 
そういえば年末年始もそうだった
 
鐘の音がごわーあんとなって
 
行く年くる年を知らされた
 
 
日も月も年も連なっているのに
 
生まれ変われるような感じして
 
晴れがましく迎えた正月であった
 
 
日を束ね月を数えて 今は八月も末
 
愚にもつかない考えに今夜も眠れず
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十六日深夜
  1. 2016/08/26(金) 01:45:44|
  2. 壺中の天
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夏の蝶

夏の蝶
 
 
眩暈してよれよれ白い蝶
 
上昇気流にまきあげられて
 
ひんやり雲に包まれる
 
焼かれた翅を振るわせる

 
ありがとう 雲さん
 
すっかり元気になりました
 
ふんわり雲から降りたって
 
触角ふりふり飛んでみる
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十五日
 
 
 
 
 
  1. 2016/08/25(木) 18:02:56|
  2. 壺中の天
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廃屋

廃屋



 
 
深いやぶをラッセルして前に進む
 
茅葺の屋根を踏むような
 
足元に大地はなく空中を歩く
 
途中で同行した渓流釣師と三人
 
荒れ果てた廃屋に辿りついて
 
疲れ切った体を根太に横たえる
 
羽目板も床板も剥がされた骨の上
 
破れた屋根から夜空が落ちてくる
 
諦めた登頂に代わる廃屋の夜の想い出
 
あれは山の精霊の潜むところ
 
若かった私が星々の中に溶けた廃屋
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十五日
  1. 2016/08/25(木) 10:55:19|
  2. 壺中の天
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ゆりかご

ゆりかご
 
 
眠れますか
 
問う人の声が聞こえる
 
爪の先に触れて眠ろうか
 
無垢な赤子の様に甘えて
 
夢の中に揺れてみようか
 
雲から下ろしたゆりかご
 
清らかな風にゆらゆら
 
眠りに堕ちていく夜に
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十四日
 
  1. 2016/08/24(水) 22:09:03|
  2. 壺中の天
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此処

此処





 
 
どのくらい此処にいるのだろう
 
あと少し あと少しだけと言いながら
 
居心地の良い此処を離れられない
 
何をそんなに執着するのか
 
殺伐とした瓦礫に身を横たえて考える
 
何の答えも出せないまま次の夜明けを待っている
 
葛藤を押し殺しては地に埋め岩の重しを乗せる
 
まだまだこの営みは終わる気配も無い
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十四日
 
  1. 2016/08/24(水) 11:30:17|
  2. 壺中の天
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薔薇を切る

薔薇を切る




 
 
台風一過
 
次の台風の来る前に
 
伸び放題のつる薔薇を切った
 
夢のように咲くフランスの詩人
 
ピエール・ドゥ・ロンサール
 
天使のように微笑むアンジェラ
 
健気に咲いて魅了してくれた薔薇
 
挿し木して根つくを祈り
 
滴る額の汗を拭く
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十三日
  1. 2016/08/23(火) 16:37:33|
  2. 壺中の天
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竹林

竹林




 
 
郊外電車の駅で降りる夕暮れ
 
叔母の家までは子供の足で十分ほど
 
踏切番のおばさんがハンドルを回す
 
黄色と黒の竹竿がきしきし上がる
 
踏切を渡ると突き当りは庄屋さんの屋敷
 
右に不気味な竹林が続いている
 
関東大震災ではお袋が避難した竹林
 
ゆさゆさ大声で少年を急き立てる
 
恐ろしさに僕は駆け抜ける
 
叔母の家明かりが見えてくる
 
 
夏になると叔母の家で過ごした
 
いまは当時の面影も無く
 
幽霊のように揺れる竹林も無い
 
水道用水の小川は暗渠になり
 
季節の流れる音がしてこない
 
振り返れば臆病な僕がそこにいて
 
石神井のあの頃を思い出している
 
新しい家並みに隠れて
 
竹の匂いが幽かにしてくる
 
むせ返るような夏の夕暮れ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十三日
  1. 2016/08/23(火) 09:16:48|
  2. 壺中の天
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ポップコーン

ポップコーン





 
 
何処で弾けるか
 
思い思いに飛び跳ねて
 
鍵盤を叩く白い指のような
 
何処でも弾ける
 
ジャイブを踊る二人の様な
 
どこまでも弾ける
 
こんな時間を懐かしんで
 
また一つまた一つ
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十三日
 
 
 
 
 
 
  1. 2016/08/23(火) 01:25:07|
  2. 壺中の天
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三人の天使

三人の天使



 
 
ひと針ひと針 糸をさして
 
クロスステッチに現れる
 
幼い小さな三人の天使
 
ふたりは教えられた祈り
 
天使の輪を金色の髪に乗せている
 
三人目の天使は目をぱちくり開けて
 
神をみる好奇心のまなこ
 
滑り落ちそうな天使の輪
 
白い衣の裾の足の表情
 
足の指が動いている
 
やんちゃな可愛い天使
 
ひと針ひと針糸をさして
 
三人の天使に愛を注ぐ
 
創る人のしなやかな いと
 
ひと針ひと針こころを込めて
 
 
たんぽぽわたげ様のブログで
クロスステッチ、三人の天使を拝見して。 
心動かされて
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十二日
  1. 2016/08/22(月) 22:09:56|
  2. 壺中の天
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小さな脈動

小さな脈動




 
 
ねえ 頑張らないよわたし
 
あちらに揺ら揺ら
 
こちらにふらふら
 
風がわたしのともだち
 
もう 頑張ることを止めたんだ
 
なおさら 君には頑張れとは言えない
 
君の頑張り知っているから
 
頑張れとは言えない
 
赤い血の溢れる重さを知っているから
 
風に流され 水に流されても
 
いのちの小さな脈動あれば
 
頑張らなくても恐れずに終われる
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十二日
  1. 2016/08/22(月) 14:28:02|
  2. 壺中の天
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真夏の第九

真夏の第九





 
 
念願の第九をきいた
 
厳かにチューニングが始まる
 
小鳥の目覚めのような
 
悠然と行く大きな翼のような
 
やわらかく時に激しく
 
魅せられて涙が溢れてくる
 
深く 尊く 真夏の第九
 
合唱する人の清らかに
 
指揮する人の神々しさ
 
こころ捉われて堕ちてゆく
 
たとえば田園をいくように
 
哲学の道を彷徨うような

この感動をあなたに伝えたい
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十二日
 
  1. 2016/08/22(月) 00:28:17|
  2. 壺中の天
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師匠

師匠



 
 
拍手打って
 
いよっ師匠って声を掛けたくなる
 
師匠がいるっていいね
 
信頼持てる人ってことだもの
 
山の師匠は人生のケルン
 
熊も頭をふって声をかける
 
いよっ師匠って
 
いよっご両人てね
 
いやいや冷やかしじゃないよ
 
しっかり見ているよ
 
いよっ師匠 疲れてないかい

土産話を肴に一杯
 
暑気払いでもやりたいね
 
 
わたしゃこれから真夏の第九
 
生まれてはじめて聴きに行く
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十一日
  1. 2016/08/21(日) 12:53:04|
  2. 壺中の天
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猟師

猟師
 
 
在ろうと無かろうと
 
僕は微かな息をしている
 
出っ張り過ぎた腹に
 
僅かばかりの酸素を頂いて
 
青白い焔を燃やしている
 
無かろうと在るかろうと
 
小さなときめきを見つけて
 
猟師のように狙いをつける
 
在ろうと無かろうと

それが生きている証
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十日
 
 
  1. 2016/08/20(土) 23:44:59|
  2. 壺中の天
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ひゃうひゃう

ひゃうひゃう


 
 
もう君を口説けない
 
口説くには歳を取り過ぎて
 
口説きの言葉はとうに忘れた
 
詩をあつく語ったあの頃
 
きみに哀しくなるほど惚れて
 
きみを抱きしめた言葉の全て
 
きみの髪を飾った花の輪に
 
季節の風が永久の彩染めていく
 
 
そんな昔語りを訊く人も無く
 
行き場のない言葉がおちてゆく
 
青揚羽ひゃうひゃうと舞うように
 
 
もうあなたを口説けない
 
口説くには時がたち過ぎて
 
口説きの文句は干からびて
 
ひゃうひゃうと枯れて舞うばかり


 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十日
  1. 2016/08/20(土) 23:25:20|
  2. 登美日抄
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電話

電話





 
 
眠剤を心におとして
 
無理に眠ろうとする辛さ
 
夢から出てきたようなあなたの声
 
 
相談したいことがあったのか
 
見えない電話の先が震えている
 
いいの 何でもないの
 
倍も飲んだからもうすぐ眠れるから
 
 
ああ電話が重くなってきた 声が遠ざかる
 
眠りに堕ちて行ったのかゴツリ
 
電話の墜ちる音が夢を見させてくれる
 
愉しい夢を
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月二十日
  1. 2016/08/20(土) 09:21:07|
  2. 壺中の天
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雷鳴

雷鳴



 
 
食い合わせが悪いのか
 
手当たり次第に雲を食して
 
シャシーゴロゴロ下り落ちる
 
腹の中に雷雲沸き充ちて
 
閃光に切り刻まれて堕ちる
 
光龍と雲龍と雨龍 混じりあい
 
雲水の声明 悟りにはまだ遠く



 
 
阜可 忠

平成二十八年八月十八日
  1. 2016/08/18(木) 13:37:34|
  2. 壺中の天
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あみだくじ

あみだくじ




 
 
明日を思い煩うことは無い
 
深山に消えたあこがれも
 
時が過ぎればただの幻
 
一も無く 千も無く
 
愛などひとときの思い込み
 
揺ら揺ら揺らぐ夏の日の
 
額の汗のしょっぱさ加減
 
記憶の隅に苦さを残すだけ
 
 
 
明日を思い煩う事は無い
 
眠れぬ夜は眠れぬままに
 
これまで何とかやってきた
 
これからだってなるようになるさ
 
自分できめたあみだくじ
 
何処を曲がっても今日になる
 
明日を思い煩う事は無い


 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月十八日
  1. 2016/08/18(木) 10:57:41|
  2. 壺中の天
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手に取れば乾いた音がする
 
ポテトチップスの様な蛾の翅
 
硬直した足が空を放さない
 
枯れるように訪れる死
 
最後に感じるものは何か
 
花の無い庭の花の香り
 
誘蛾灯の甘い幻想
 
弔うものは誰も無し
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月十七日
 
 
 
 
 
 
 
  1. 2016/08/17(水) 11:17:29|
  2. 壺中の天
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はらり

はらり









騙されたわけではない

騙したわけではない

会話の隅々にこころ散りばめて

ひがな千鳥ヶ淵に舟を浮かべた


騙し騙されたわけではない

女神が嫉妬して背を向けただけ

ちょっとした気まぐれ風に

はらりはらはら水面のわくらば













芦野往人

平成二十八年八月十四日
  1. 2016/08/14(日) 21:49:18|
  2. | コメント:2

時計

時計






 
 
煙草の重さ確かめるように
 
煙草で時計のガラスを叩く
 
貴方のその仕草が好きで
 
いつも頬杖して眺めていた
 
ライターをシャリリと言わせて
 
煙たそうに眼を細めけむを吐く
 
天井にミルク色のガラス笠
 
白熱灯の下に揺らりけむる影
 
わたしの好きな油彩の中に
 
詩を書くあなたを描いている
 
あなたの色に重ねてみたい
 
私の好きな水の色
 
素直になればわかる事
 
此の儘消えずに揺れていて
 
けむりの香り消えないで
 
時計よ時を刻まずに
 
明日よ来るなと告げにいけ


 
 
阜可 忠

平成二十八年八月十四日
  1. 2016/08/14(日) 20:42:53|
  2. 登美日抄
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夕暮れ

夕暮れ




 
 
寂しさは秋の夕暮れでなく
 
暑さが滲みている夏の夕暮れ
 
まだ陽の残る浜辺を歩くとき
 
赤い波に打ち寄せられる屍たち
 
それぞれの夢の消え残り
 
砂に刻まれた誓いの哀れ
 
忘れらられた剥き出しの肩
 
 
寂しいのは秋の夕暮れでなく
 
意味もなく繰り返すためいき
 
放りだされる孤独達
 
なにを生むでもなく堕ちてゆく
 
まだ暮れなずむ夏の夕暮れ
 
あなたの声がする波間に
 
孤独をひとつ流してみよう
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月十四日
  1. 2016/08/14(日) 18:19:09|
  2. 登美日抄
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触れてごらん

わたしの命のあかし


絶望と希望の合間を絶え間なく

宇宙年を繋いできた営み

君に触れた時のときめき

離れて生きてきた哀しみ

何もかもが此処から始まる

やがて訪れる終焉の時

脈を与えてくれたお礼を

脈の冷静さに恨み言を


ねえ 触れてごらん

山を突きぬくようなような

深い海に墜ちていくような







芦野往人

平成二十八年八月十三日
  1. 2016/08/13(土) 00:57:18|
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散髪

散髪




 
 
夕暮れともなると
 
一瞬の風が路地を通りくる
 
暑気の重なる僅かな隙間
 
額の汗を拭いながら
 
取り戻す生きている感覚
 
ぼんやりと思う
 
明日こそは散髪に行こうと



 
 
阜可 忠

平成二十八年八月十三日
  1. 2016/08/13(土) 00:44:42|
  2. 壺中の天
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戯言

戯言



 
 
ほんの一瞬でもよい
 
夢の中でもよい
 
逢えるというなら
 
全てを失って滅びようとも
 
 
涙の川に溺れて
 
想いの淵に沈もうと
 
何千分の一秒でも逢えるなら
 
なんの想いが残ろうか
 
 
 
 
 
 
 
阜可 忠
 
平成二十八年八月十二日
 
 
 
 
  1. 2016/08/12(金) 18:06:39|
  2. 登美日抄
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気配がしたのかしなかったのか
 
ほんの僅かな時間に血を吸われていた
 
ぷっくり腫れて痒くならなければ
 
幾らでも血を吸わせて上げる
 
お銚子の一本や二本くれてやる
 
盗人みたいな忍びが憎らしい
 
ちょっと薔薇を見ただけで七つも八つ
 
図々しさに腹が立つ




阜可 忠
 
平成二十八年八月十二日
  1. 2016/08/12(金) 02:12:27|
  2. 壺中の天
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逢えるかな誰かに

馬が合う奴と逢えれば良いなあ

旧い友人は一人さり ふたり二人逝き

新しい出会いは難しい

互いに尊敬できるような奴が来ないかな

偉そうなことは云える柄では無いけど

人品卑しからぬ奴がいい

とても無理なら今のままでよい

気を使わずのんびり独りでいればいい









芦野往人

平成二十八年八月十一日
  1. 2016/08/11(木) 21:03:38|
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