鏡に映して

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

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白い薔薇

白い薔薇










過ぎた日に濾過されて

収斂される記憶ひとつ

鮮やかに朽ちる事無く

花びらの透き通りゆく

一輪の白い薔薇よ

青空をおりてくる風を

微笑んで身に纏う

大切な方の匂い確かめて  












芦野往人

平成二十八年七月三十日
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  1. 2016/07/30(土) 14:33:01|
  2. | コメント:0

閻魔様

閻魔様









地獄で閻魔様の裁きに身を置いた

その声は裕次郎の歌のようで

優しささえ感じられる

地獄の検事の甲高い声を制して

閻魔様は形相だけは凄まじく

私の過去をつぶさに読んだ

やり残したことは無さそうだな

特に悪い性癖も無い

そして厳かに判定を読み上げる

やり残したことがあるのは一番の罪

やり残したことは無いと言うがのう

お前の心底にある想いの深さは地獄より暗い

その限りない暗さが眩しくてならぬ

地獄には置いておけない 追放である

現世の修業を励んで白い百合を手にして

何処にでも行くがよい

二度と地獄の門を叩くことは許さず

おぼれ気に裕次郎の歌がきこえていた

















芦野往人

平成二十八年七月三十日
  1. 2016/07/30(土) 04:47:34|
  2. | コメント:2

存在

存在









偽りの中の真実

真実の中の偽り

表裏一体の人の世に時を稼ぎ

記憶の曖昧さに美化される過去

薄れてゆく真実と偽りの境界

終わるまで連綿と続く時の流れ

繰り広げられる真実と偽りの饗宴

とめられない呼吸がここに






芦野往人

平成二十八年七月二十八日
  1. 2016/07/28(木) 01:27:44|
  2. | コメント:0

夏風邪カラス

夏風邪カラス









語りかける言葉無く

語りかけられる言葉無く

こころを探す迷いガラス

漆黒の翼の誇りはおちて

お前の足元に力なく翼折る

激しい雨に絡め取られて

夏風邪カラス咳をする







ashinoyukito

平成二十八年七月二十七日
  1. 2016/07/27(水) 00:20:02|
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あの日

あの日









拾えばいくつもあるあの日

むせ返るような青春の真ん中

愛する事も理解せず

生きる意味を悟りもせず

飛び散るのは汗だと言い張り

涙を隠してお前を抱いた

幾つもあるあの日の中の一日

ついに来た最後の一日

拾いきれない想いの欠片

今も胸が疼いて痛すぎる

こんなにも敗北感に苛まれるとは

あの日以来 生きていることの後悔

墓碑に詩を刻む愚かさを知る








ashinoyukito

平成二十八年七月二十五日
  1. 2016/07/25(月) 00:26:32|
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龍を描く画伯あり

龍に寄り添う言葉書きあり

妻なるひとの控えめに

龍の迫力にさり気なく名文

佳き夫婦とはこのお二人

言葉にするには躊躇しながらも

情を感じて此処に少しだけ



芦野往人

平成二十八年七月二十二日
  1. 2016/07/22(金) 09:33:54|
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カピタン10年もの

カピタン10年もの









カピタンは長崎の焼酎

十年の眠りから覚め

グラスに滲みてゆらゆら

立ち上る丸い芳香

秘めやかな夢のように薫り

やがて堕ちてゆく余韻

有難うと言って ゆっくりと 私






長崎から東京に来た友人の土産。
カピタン10年もの。美味い。

芦野往人

平成二十八年七月二十二日
  1. 2016/07/21(木) 23:45:01|
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鍵盤を愉しむ

鍵盤を愉しむ









穏やかな眠りから覚め

自己流で始めた鍵盤に向かう

ピアノは買えないのでキーボード


中学の音楽を思い出しながら

ドは何処 ラは何処

初恋の人に出逢ったように

恐るおそる音を出す

ト音記号 ヘ音記号 エトセトラ


繰り返し繰り返し

初恋の人を想うように

鍵盤に触れている

覚束ない幼児の歩みの様な

鍵盤に指を置く愉しみ





芦野往人

平成二十八年七月二十一日
  1. 2016/07/21(木) 14:36:27|
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時を得て

時を得て









胸の中に住まいする不安やら

滑稽で馬鹿馬鹿しい己の心情

溢れては沈み 沈んでは溢れ来る

あれもこれも現世 見果てぬ夢

悶々とこころ乱す夜に彷徨う


しらじらと色を掬いあげ

幽かなひかり重ねくる朝

厳かに心の幕を上げる朝

不安に満ちた夜を追いやり

確かに息吹く朝を迎える


此のひとときがあれば優しくなれる

歩いてきた道の小さな花たちに

おはようと声かけて

ありがとうと言えそうな気がする

時を得て知る七月も半ばに







芦野往人

平成二十八年七月十三日
  1. 2016/07/13(水) 22:10:24|
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漕ぎ行きて

漕ぎ行きて










明けてひと夜の逢瀬

互いの岸に別れ行く

逢瀬の誓いの空しさよ

離れては見えないこの先よ

朝露に想いを残して別れ行く

覚悟の上の此のひととき

出逢う事の意味など問わず

ひたすらに漕ぎゆきて

漕ぎゆきて彼の地の岸に






芦野往人

平成二十八年七月九日
  1. 2016/07/11(月) 05:33:46|
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蚊遣火 

蚊遣火 









人の哀しみに同化し

悲嘆の肩に言葉をかける


他人の悦びに心はひいて

仕合わせにひきつって笑う

いつも斜めに見てきた私


真実を見たいと嘯きながら

草むらを重機の様に歩き回る

笑いを忘れて少しの見返り


短冊に祈ることば

字が上手くなりますようにと

お袋の焚く蚊遣火のけむり

無邪気にはしゃいだ子供の頃

明日は誕生日という日に





芦野往人

平成二十八年七月七日
  1. 2016/07/09(土) 22:33:12|
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残夜

残夜









夜更けの雨は沁みる音

乾いた心を抱かれる

浅い夢から現れぬ

フルートを奏でている人の

そは 君の気配に違いなく

逢瀬 幻 泡沫の

想い残夜の雨に行く




芦野往人

平成二十八年七月七日
  1. 2016/07/07(木) 03:54:34|
  2. | コメント:0












どんどん空が高くなる

ぐんぐんお日様が昇る空

ゆらゆら揺れる若葉の先に

ころころ転がる柿坊主

うっかり落ちた薔薇のなか

ちくちく棘で目が覚めた

うらうら思い出す木の上の

木の葉ベッドのやわらかさ

ふはり掴んで風とゆく





芦野往人

平成二十八年七月五日
  1. 2016/07/05(火) 21:44:32|
  2. | コメント:0

夏の海賊

夏の海賊









湧き上がる雲を分けて

骨のように白い帆が風を孕む

ドクロを支えて交差する黒い腕組み

絵に描いたような船長の遠眼鏡

天変事変 嵐が来るぞ

行く手を遮る黒い入道雲

帆綱を曳く手下の海賊歌

嫁に来るならおれの島

誇り高い海賊紳士がお手を取る






芦野往人

平成二十八年七月朔日

  1. 2016/07/01(金) 20:20:53|
  2. | コメント:0
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