鏡に映して

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

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日本の夏

日本の夏










ガラスの器に渓谷のながれ

そうめんの滝をすする

友人から貰った南部そうめん

食道を下る清涼感

ステテコにランニングシャツ

誰に遠慮のいるものか

之こそ日本の夏だと言いながら




芦野往人

平成二十八年六月三十日
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  1. 2016/06/30(木) 22:08:10|
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ひかり

ひかり









紅い月が青くなり

天空の一点から降り注ぐ

火照った肌をなだめ

痛んだこころに寄り添う


此のひかりの帯


あまねく夜に滲みていく

暴れ狂う龍の背を戒め

いい加減に気を鎮めよと

今はこの時でないと






芦野往人

平成二十八年六月二十八日
  1. 2016/06/28(火) 03:55:21|
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銀座で

銀座で









此の手を放したら

二度と触れる事は出来ない


別れの言葉も言わないまま

ぐっと堪えて呑みおろす


万が一に出逢うことがあったら

片手をあげて やあと一声

後は何も言わずに君を焼き付ける

銀座のウィンドウに君を焼き付ける

そんな他愛も無い妄想

同じ時代に生まれた歓び

同じ街で過ごした一時

かすかな記憶が切れ切れに

断片的に蘇り消えてゆく


彼の地ですれ違う事もなく

君を知らず私を知らず






芦野往人

平成二十八年六月二十日
  1. 2016/06/27(月) 10:25:31|
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丹沢山塊は

丹沢山塊は









行ってくるよ

声をかけて家を出る

気を付けてね 洗濯機の音で応える

旅に出る訳ではない ちょっとそこまで

お供は読みかけの本と小さなラジオ

ポケットの中に想い出をいくらか


なだらかな麦畑に腰を下ろして

丹沢山塊を眺めている


麦の穂に風は黄金色になる

山もほそい路も昔の儘

瀟洒な家が遠く近く

空の色を変えている


皺くちゃな想い出を

丁寧に伸ばして稜線をなぞる

暮れてゆく丹沢山塊

悠久の時が音もなく今も





芦野往人

平成二十八年六月二十六日
  1. 2016/06/26(日) 01:01:13|
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熱い砂

熱い砂









名も知らず一輪の花

名も告げず永遠の花

抗することなど無駄な事

心の隅々まで鎔かされて

零れる熱い砂に埋もれる

其れもまたよし

一度きりの命を焼いて

永遠の熱い花となるのも






芦野往人

平成二十八年六月二十二日
  1. 2016/06/23(木) 21:02:40|
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庭石菖

庭石菖









石垣の小さな隙間に咲く

夏の日は雲に隠れて

細かい雨が落ちてくる

庇う事も手折ることも出来ず

触れもせずに心に抱く

踏み石づたい茶室にしみる

ほそい雨に抱かれて庭石菖





芦野往人

平成二十八年六月二十二日
  1. 2016/06/22(水) 22:37:34|
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今日そして明日

今日そして明日









闇に紛れて微かに息をする

怯える心も今はない

哀しみの海に溺れる事も無く

こうして幽かに息が出来れば

それだけでいい

それだけでいい


闇に塗りつぶされて

星がなくても耐えられる

闇を纏えば哀しみも薄れる

気が付かれないように息を継ぐ

強くなれたのかしら

慣れただけなのかしら


闇が真の暗闇であるなら

こころも見せずこのまま行ける

失う事さえ恐れない

こうして幽かに息が出来れば

それだけでいい

唯それだけでいい


星などいらない

徒にばら撒かれたまま

忘れ去られた約束

思い煩うことの愚かさ

なんとかなった今日と云う日

なるようになる明日と云う日








芦野往人

平成二十八年六月二十日
  1. 2016/06/20(月) 08:34:08|
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ラブドラマ

ラブドラマ









日常を演じる女優

ちょっとした仕草が胸に迫る

自分の昔の時間を重ねている

あのころのあの場面

あの方の美しい所作が思い出される

そうだ そうだったんだ

刻まれた秒針が動き出す

無理矢理に剥がした筈の記憶

消そうとして消せるわけもなく

持病のように付きまとう

患う心に恐ろしい長い夜



哀しい結末は分かっている

ラブドラマは今夜で最終回

私の最終回はもう少し先に




芦野往人

平成二十八年六月十六日
  1. 2016/06/16(木) 21:46:41|
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雨観の薔薇

雨観の薔薇









最後の一輪を見る

遅すぎた花の哀れ

愛おしさに傘をさしかける

雨に咲く俯いたまま

季節に残された私だけの心花

辺りを朱に染めてぬれる

梅雨の訪れを知るや知らずや

雨観の薔薇こころゆくまで




芦野往人

平成二十八年六月十四日
  1. 2016/06/14(火) 21:13:38|
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初夏

初夏









朝のひかりを集めて煌めく

爽やかなちりめんの風

薔薇の幼葉を揺らし

柿の若葉を抜けていく

昨日の事は 昨日の事

今から始まる今日に幸あれ

あちこちに初夏の風 煌めいて

遠い地の先まで祈りゆく






ashinoyukito

平成二十八年六月十一日
  1. 2016/06/11(土) 21:58:30|
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六月

六月









六月が始まる午前零時

一時間の睡眠から目覚める

六月は闇を深くしている

眼を閉じればなお深く

闇の階段をおりていく

月替わりの僅かな希望

寝不足の痛む頭を抱え

食らうトマトのうまさ





芦野往人

平成二十八年六月朔日

平成二十八年六月十日
  1. 2016/06/10(金) 23:44:00|
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怪危

怪危









彩おとすな

香り残すな

土に滲みて

見事に朽ちていけ

怪しげな記憶に墜ちないで

危うげな誓いなど悔やむな

消えて行け地球の向こうに






芦野往人

平成二十八年六月九日
  1. 2016/06/09(木) 18:58:01|
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さて

さて









そろそろ仕上げに向かうとき

立ち止まって さて

さて 立ち止まって

切れ切れの時間を繋いでみる

部分として偲ばれる事ばかり

一向に埒が明かない

継続している時間と

その場その場のおっつけ仕事

縄になえる筈もなく


そろそろ仕上げに向かうとき

立ち止まったまま さて

さて 立ち止まったまま

ぼうと眺める鴨の群れ

今さら気張ることもないなあ





芦野往人

平成二十八年五月三十日
  1. 2016/06/09(木) 00:27:10|
  2. | コメント:0

豊洲

豊洲









豊洲の街の変貌に

東京湾が一段と狭くなる

蒼空を突く剣山の群れ

積木細工の上 蒼ざめる空

雲も土もかきまぜられて

屍の上に組み上げる

水面ながれを割ってくる

豪華客船の音もなく




芦野往人

平成二十八年六月八日
  1. 2016/06/08(水) 17:10:57|
  2. | コメント:0

ピアノへの思い

ピアノへの思い










ピアノの音に酔いしれた

コンサートの後の語らいは

今は上野の森の遠い路


問えば応える「ピアノが好きなの」と

君の言葉が今も聞こえてくるようだ

あのときピアノが弾けてピアノがあれば

ピアノに乗せて僕の詩を贈れたのに

忘れられない都会の夜の忌々しさよ


今は空しく老いさらばえて

遠い路に想いを馳せる

願いは一つピアノに触れたい

死ぬまでに一度だけでいい

ピアノを弾ける筈もなく

唯のたわごとに相違なく





芦野往人

平成二十八年六月五日
  1. 2016/06/05(日) 11:05:54|
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演出家の死

演出家の死









上辺を舐めるをきらい

生きてきた全てをぶっつける

向かい合い 見つめ直し

己に求め 役どころに求め

怒声の中に真実を投げつける

終りの無い闘いに明け暮れる

ある演出家が逝った

言葉の端々に自分を見つめろと






芦野往人

平成二十八年六月五日
  1. 2016/06/05(日) 00:28:04|
  2. | コメント:0

背伸び

背伸び









何もかもが遠くなりそうなとき

少しだけ背伸びした

蒼空が少しだけ近くなった

うーんと背伸びした

蒼空がすうっと高くなった

雲が近くまでおりて来て

白薔薇の匂いを乗せていく

少しだけ自分を身近に感じて

蒼空の深い所に墜ちてみる




芦野往人

平成二十八年六月四日
  1. 2016/06/04(土) 03:49:09|
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かたばみの花

かたばみの花    (紫かたばみ)









かたばみの花が咲いている

つつじが終わって夏が来て

かたばみの花が咲いている

薔薇の花が散り始めて

精一杯日を浴びている

小さな手を広げる薄むらさきの

少女たちの声が弾むように

かたばみの花が咲いている

かたばみの花が咲いている









芦野往人

平成二十八年六月三日
  1. 2016/06/03(金) 17:52:06|
  2. | コメント:0

六月

六月









六月が始まる午前零時

一時間の睡眠から目覚める

六月は闇を深くしている

眼を閉じればなお深く

闇の階段をおりていく

月替わりの僅かな希望

寝不足の痛む頭を抱え

食らうトマトのうまさ




芦野往人

平成二十八年六月朔日
  1. 2016/06/02(木) 01:37:47|
  2. | コメント:0
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