鏡に映して

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

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閏年二月最後の日

閏年二月最後の日









耳に馴染んだヴァイオリン演奏が

いつかピアノ幻想曲に変わる


耳に馴染んだあなたの声が

脳の奥にまで貼りついて

数十年の時を渡ってくる


あなたは季節の渡り鳥

遠くなる気配だけを残して

気丈に振舞いながら飛んで行く
海峡を渡る音になって


耳に馴染んだあなたのなまりが

雑踏に消えて雑踏に聴こえる

ヴァイオリンがピアノに変わっても

忘れる事のない声が聞こえてくる

何度目かの閏年二月最後の日

ビルの窓に花の香り残して



芦野往人

平成二十八年二月二十九日
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  1. 2016/02/29(月) 20:50:48|
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別れのワルツ

別れのワルツ









好きだからこれ以上何もいうな

愛をくちに出せばすべてがおわる

疑えばすべてが嘘になる

辛さを秤にかけるなど愚かなこと

だから今は

時間が飛んで行かないように

真実だけを確かめて

ふたりの為に踊り続けよう

さよならの時の歩みを止めて

ささやかに踊る二月のワルツ



芦野往人

平成二十八年二月二十九日
  1. 2016/02/29(月) 20:47:09|
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なあ

なあ









雨も上がったし風もやわらか

なあ ひと休みしようか

駿河湾を見下ろす半島の小山

梅の香りが零れてくる

湾は煌めいてすっかり春だ

小舟が海を分けていく

何処へいくのか想いを巡らし

来た路を振り返るのも良い

なあ ひと休みしようか

ふんわりお日様に包まれて

眼を細めれば遠くに見える

岩礁の天辺にやすむ海鳥みっつ

居眠りをしそうなこのひととき

なあ 青空を吸い込んでみようか







芦野往人

平成二十八年二月二十七日
  1. 2016/02/27(土) 23:15:41|
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ピカソ

ピカソ








ピカソ展に出かけてみた

日本橋の街の変容に眩暈して

何処も変哲のない空を映している

つまらない絵写真を見るようで

行き交う人の歩みも機械の様だ

変わらないのはデパートの旗文字

ピカソまでも縮んで見える

あのとき覚えた感動は何処

いや ピカソは厳然として変わらず

縮んでいたのは私自身なのだ

丸善屋上のカフェも今はなく

小奇麗なカフェに変わっていた

ハヤシライスの匂いは昔の儘

珈琲を飲みホッとして店を出ると

若い頃の日本橋が蘇る少しだけ





芦野往人

平成二十八年二月二十五日
  1. 2016/02/25(木) 08:51:35|
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列島の春

列島の春









自分の置き場所は何処

まだ雪深い山塊の頂き

崩れ堕ちる落ちる雪庇

癒えようとする心底に

熱い息吹を吹きかける

やっと目覚める兆はあるや

雪崩の先端に乗り一気に下る

はるか向こうの列島の片隅

いたずら風が撹拌する早春






芦野往人

平成二十八年二月二十三日
  1. 2016/02/23(火) 07:45:25|
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さくらぼんぼり

さくらぼんぼり









日ごとに訪れる装い新たに

花の便りの懐かしく

早咲きさくらの薄明かり

人ごみさけてそぞろに歩く

河津の川面に心をおとす

染められながら染めてゆく

さくらぼんぼり揺らめいて





ブロ友様の河津桜映像を拝見し
伊豆河津桜を思い出す。


芦野 忠

平成二十八年二月二十二日
  1. 2016/02/22(月) 17:02:54|
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哀憐

哀憐









滔々と流れるのが愛ならば

僕は愛を知らない

激流を行くのが愛ならば

愛された記憶はない

愛の何たるかを未だ知らない

若過ぎたと君は言うが

恨み言ばかり並べて僕は

愛した記憶と

愛された記憶をたどっている

浮き沈みする時の流れの中に

無意味な問いかけをしたりする

君は哀憐の眼差しで応えない

赤裸々な記憶さえ薄れていく

流れに任せる小舟になりて

青いなあとひとこと





芦野往人

平成二十八年二月十八日
  1. 2016/02/18(木) 18:33:17|
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恋情

恋情









今に昔の時間を映してみれば

梅の香りが導くあの頃へ

ゆうるりゆるり坂を登れば

むかしと変わらぬ匂いが残る


梅の花に今も残るよ膝枕

あなたの温もりそこここに

別れて哭くとは思いもせずに

笑いたわむれた花のもと


あれから数十年たったとて

髪の白さにきざまれる

忘れられないただ一つ

梅の花の香りの百草園



ブロ友様の百草園梅まつり

昔の記憶をしみじみと






芦野往人

平成二十八年二月九日
  1. 2016/02/18(木) 10:41:48|
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雪夜汽車

雪夜汽車









屋根に積もった雪を乗せて

北の駅に着く夜汽車に独り

想いを振り払えとばかり風の中

都会はなれて知らない土地の駅

地吹雪に身も心も隠されて

まっさらな雪野にしする旅

此のまま埋もれて果てるとも

生まれ変わることだと諭される







芦野往人

平成二十八年二月十七日
  1. 2016/02/17(水) 22:05:09|
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純すぎて

純すぎて









冬の海は荒ぶれて磯に

雪まじりの風に身を晒す

臆病に震える訳でなく

立ち向かうには純すぎるだけ

身を守る術も知らず

人を傷つけるを恐れて

眠れぬ夜に自分を責める

吠えまわる風と波よ此の一夜

純すぎる心に穏やかな眠りを






芦野往人

平成二十八年二月十六日
  1. 2016/02/16(火) 21:28:16|
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冬の花

冬の花









冬の花に何を見るか

可憐さ 哀しさ

健気さ 優しさ 逞しさ

人は冬の花に寄り添い

優しくなれると言うが


冬の花に何を見るか

斜めに見れば そのしたたかさ







芦野往人

平成二十八年二月十二日
  1. 2016/02/12(金) 09:07:28|
  2. | コメント:2

最中を食う

最中を食う









悟り者か愚かな鈍感者か

楽観主義者が最中を食う

病気をあれこれ推測して

悩んだのは数日前

ええいままよ 悩んでどうなる

人生なるようになる

人生なるようにしかならぬ

家内の非難の口を塞いで

最中の甘さに酔いしれる







ashinoyukito


平成二十八年二月十一日
  1. 2016/02/11(木) 05:38:18|
  2. | コメント:0

最中

最中









罪な人がいる

採血の前夜だと言うのに

土産に最中をくれる人

頂いたのは二本松の銘菓

前に食べたが兎に角甘い

甘党の私には罪な味

遠慮したものの矢張り受け取った

仕方ない

検査が終わったら少しだけ

罪深き人の土産

とりあえず冷蔵庫に保管

哀しいやら嬉しいやら






あしのゆきと

平成二十八年二月八日
  1. 2016/02/08(月) 21:52:57|
  2. | コメント:0

友に贈る

友に贈る









今は亡き僕の友よ

名簿の★印で死を知った

逢ったのは何回目かの同窓会

あいさつを交わした程度だった

思春期から青春時代を共にしたなあ

山を愛し音楽を愛していた君

朗々と鳴らすトランペット

独学で弾いていたピアノ

こんな夜は更に響いてくる

ピアノソナタを聴いていると

こころが痛くなる

いつ旅立って逝ったのか

今日は立春の夜

天国の君に手向ける詩集を






芦野往人

平成二十八年二月七日
  1. 2016/02/07(日) 02:01:26|
  2. | コメント:0

伊豆の海

伊豆の海









珈琲をとかした瞳で見詰めている

遠い時間を捜しているのか

冬の陽が窓を覗いている

伊豆の海は穏やかに光を弾いている

変わるのは人のこころばかり

瞳の奥に哀しみを浮かべて

くゆる珈琲の香りを吸いながら

描けない夢を呑もうとしている

騒ぐこころを押しやろうとする

唇にゆびをあてて何も言うなと








ashinoyukito


平成二十八年二月四日
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  1. 2016/02/05(金) 22:16:01|
  2. | コメント:0

桑田真澄氏の言葉より

桑田真澄氏の言葉より









「 自分の人生には代打もリリーフもいない 」










桑田氏インタビューに応えてより。

読売テレビニュース番組にて。











芦野往人

平成二十八年二月四日
  1. 2016/02/04(木) 18:30:50|
  2. | コメント:0

舞台

舞台









焦点をひとつに集め

舞台の真ん中で君は舞う

指先しなやかに君は舞う

慟哭の河を行く木の葉のように

激しくもまれ淵にとまる

舞台の真ん中に胸を伏せ

ひかりの花びらを纏い

孵化を待つ蝶のように

時を得て君の舞は始まる





芦野往人

平成二十八年二月四日
  1. 2016/02/04(木) 12:52:04|
  2. | コメント:0

豆まき

豆まき









柊に鰯の頭を括り付けて

息を吹きかけながる

お袋が呟くおまじない

小さな体のお袋の節分


豆をまくのが僕の役目

恥ずかしくて声が出ない

親父が僕に言う

そんな声じゃ鬼に聴こえない

福の神が通り過ぎてしまう

大きな声で豆をまく

小さな家々の寄り添う下町

裸電球の明かりがもれてくる


親父もお袋も今は亡く

明日は節分

豆まきをやれと怒られる



芦野往人

平成二十八年二月二日
  1. 2016/02/02(火) 22:06:54|
  2. | コメント:0
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