鏡に映して

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

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アメ横はあめ

アメ横はあめ










あめの土曜日の午後

開いた傘の気休め

足元から雨が上がってくる

上野の喧騒は遠来の客

外国の言葉が飛び交う

売り子の怒号が突き刺さる

雑踏を器用に切り分けて歩く

不忍口に友人を迎えるために




芦野往人

平成二十六年十一月三十日
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  1. 2014/11/30(日) 07:58:07|
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ワルツ

ワルツ









穏やかな波となって

あなたはワルツを踊る

しなやかに体をそらせ

手のひらに心をあずけて

花びらのようにゆるりと





芦野往人

平成二十六年十一月三十日
  1. 2014/11/30(日) 00:31:37|
  2. | コメント:0

いのしし

いのしし









檻の中で薄目をあける

自慢の鼻から同じ血が流れている

恐怖から救ってくれたのは

諦観という魔物

我が子の安否は確かめようも無く

薄れて行く意識の中

透明な死を受け入れている

静寂が辺りを支配して

血の流れる音が滲みて行く






芦野往人
平成二十六年十一月二十九日
  1. 2014/11/29(土) 10:00:11|
  2. | コメント:0

冬薔薇(ふゆそうび)

冬薔薇(ふゆそうび)









秋に咲けなかった薔薇

頬を伝わる十一月の冷たい雨

心の奥に沁みて咲きに来る

過去から来たお前を抱いて

少しだけ肌を合わせて温める

解りあえる 何も言わずとも

あれは幻想ではない

今になって知る冬薔薇の色




ashinyukito
平成二十六年十一月二十九日
  1. 2014/11/29(土) 01:29:03|
  2. | コメント:0

志髙く

志高く









自分を律し日常にまぎれず

志高く惜しまない努力

英知を収斂させ

向かう姿は美しい

哀しくなるほど綺麗な明眸







芦野往人

平成二十六年十一月二十七日

  1. 2014/11/27(木) 21:20:53|
  2. | コメント:0

君を送る

君を送る









東京は馴染めない

君は生まれ故郷に帰る

花を育てたり

野菜を作ったり

田舎でのんびり過ごしたいと


東京生活は故郷の年月より長い

娘二人が寂しくなると涙しても

君は生まれ故郷に帰る


東京生まれの私は言葉無く

やりきれない思いを抱いている

絞り出す 身体に気を付けてと

自分を離れたおざなりの言葉

薄日が曇り空を透けてくる

なにかが抜けて薄くなる心
 



芦野往人

平成二十六年十一月二十七日
  1. 2014/11/27(木) 00:05:26|
  2. | コメント:0

冬の雨

冬の雨









雨の朝に匂いくる

初冬に残る薔薇の花

頭を垂れて詫びている

二人で咲けないと言いながら

二日続きの冷たい雨に

傘をさす手に甘えて縋る

明日は晴れるか想い雨

足跡を消し去る雨の音








やはり振り返れば演歌。

芦野往人

平成二十六年十一月二十六日


  1. 2014/11/26(水) 10:12:26|
  2. | コメント:2

夜の旅

夜の旅









夜になったら旅に出る

何も持たずに人にも告げず

在来線を乗り継いで

飴色の背当てに腰かける

いぶる匂いのただなかで

窓の向こうに時間をおいていく

夜の暗さの停車駅

冬の星座を指さして

記憶と重ねる夜の旅





ashinoyukito

平成二十六年十一月二十五日
.
  1. 2014/11/25(火) 21:33:18|
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冬の月

冬の月










研ぎ澄まされた冬の月

寒い寒いと背を丸め

涙をこぼすな

みずうみが揺れる

霧の中の白馬の影が

岩顔料で描かれる

水面に浮かぶ冬の月

朝のひかりが充ちてきて

やがて波紋に消えてゆく






東山魁夷記念館にて

芦野往人

平成二十六年十一月二十四日

  1. 2014/11/24(月) 07:12:18|
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あなたのタンゴ

あなたのタンゴ









あなたの好きな匂い

白い薔薇を体に絡ませる

遠くに離れて行かないように

ブランディグラス置いたまま

今夜も踊るのあなたのタンゴ


あなたの好きな絹の色

赤い薔薇を体に装い纏う

いつも抱かれていたいから

ブランディグラス飲み干して

今夜も踊るのあなたのタンゴ


あなたの好きなリズム

花柄のスカートひるがえす

誰もが二人を見ている

重ねる魔法の時間なのね

踊り続けるあなたのタンゴ





芦野往人

平成二十六年十一月二十三日
  1. 2014/11/23(日) 18:14:58|
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黄揚羽

黄揚羽








黄揚羽はらりひらり

季節の風に舞い降りる

絵画館へ続く銀杏道


あれもこれも記憶の彼方

黄揚羽ひとつまた一つ
 
別れの時を知らせ行く


あれもこれも記憶の彼方

冷たい指に留められて

黄揚羽ひとつ朽ちもせず

彼方の空に消えもせず




芦野往人

平成二十六年十一月二十一日
  1. 2014/11/21(金) 20:49:12|
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始祖鳥

始祖鳥








不器用にしか飛べない始祖鳥

手足に雲母の箔を貼り付ける

覚束ない翼の羽ばたき

仕上げに薔薇の花を咥えて行く

不恰好に尻を振り振り

砂を蹴立てて砂丘を走る

走っても駆けても水平線は遠い

夕陽が音を秘めて降りて行く

明日の朝早くあの先まで行くとしよう

飛べない羽を繕いながら

眠りに堕ちて行く始祖鳥

雲母の羽に星の群れが墜ちてくる



芦野往人
平成二十六年十一月二十一日
  1. 2014/11/21(金) 09:33:22|
  2. | コメント:0

本当は

本当は


明るく振舞って熱情を踊る

本当は気が付いてほしい

心の奥底の寂しさで

本当は爪の先まで痛い


人の良さに他人が突き刺さってきて

傷の深さを測っていく

何気なく笑うのは

同じ哀しみを見つけた時か

人でいる事の難しさ

明るく振舞って恋歌を踊る

本当の寂しさを隠して





芦野往人

平成二十六年十一月二十日
  1. 2014/11/20(木) 03:32:30|
  2. | コメント:0

渡り鳥

渡り鳥












雲を縫いながらいくよ

折尺を拡げたりつぼめたり

東京の蒼空を飛んでいくよ


寒さを逃れて行くのか

あれは冬の始まる頃か

暑さを逃れて行くのか

あれは春の終わる頃か


東京の蒼空を通り抜けて

東京の蒼空を飛ぶ渡り鳥

縫い目を曳いて空を行く

県境の稜線を越えて

東京から離れて行く

みんないってしまった

少年が屋上で手を振っている


芦野往人

平成26年11月十六日
  1. 2014/11/16(日) 01:09:30|
  2. | コメント:0

眠れない夜は

眠れない夜は











眠れない夜は君に逢いに来る

私のうちに住む君に逢いに来る

街で見かけた他愛もないことで

笑ったり言葉にしてみたり

遠く離れてSLの煙を吸い込んだり

霧の中にリンゴの転がる笑い声や

山の峰の冠雪に想いを馳せる

新そばは喉を滑るだろうか

薔薇はまだ咲いているだろうか

だろうか だろうか

だろうか だろうか


眠れない夜は君に逢いに来る

私のうちに住む君に逢いに来る

言葉を並べては消してみたり

眼を閉じてブラームスを聴いたり

遠くへもっと遠くへ

深く深くもっと深くへ

旅をする私の詩のこころ

冷えてくる夜が身を包んできても




芦野往人

平成二十六年十一月十四日
  1. 2014/11/14(金) 03:01:16|
  2. | コメント:0

愁雨

愁雨










秋の夜は人が恋しくなるなあ

お前は酒を付き合えと言う

愁雨くればなおのこと

酒が回るほどに

昔の話に墜ちて行く

男のくせにと自嘲しながら

酌む酒に想い出を浮かべて

一息に胃の腑におとすお前は

愁雨の向こうに想いを手繰る







やはり演歌になってしまう。
お許しください。

芦野往人

平成二十六年十一月十二日





  1. 2014/11/12(水) 19:21:44|
  2. | コメント:2

九段坂 (前作推敲)

九段坂 ( 前作推敲 )









晩秋の百日紅の紅葉

公孫樹の黄化粧舞うまで

城郭の石組みに腰かける





大鳥居を落ちる雨滴に

遠慮がちに色を届けている

歩をとめて愛でる人は無く

ただ雨に墜ちていく百日紅

九段坂はいま11月も半ば













芦野往人



平成二十六年十一月十日
  1. 2014/11/10(月) 10:34:03|
  2. | コメント:0

九段坂

九段坂







晩秋の百日紅の紅葉

公孫樹の化粧を待っている

大鳥居を落ちる雨滴に

遠慮がちに色を届けている

歩をとめて愛でる人は無く

ただ雨に墜ちていく百日紅

九段坂の深秋は直ぐそこに






芦野往人

平成二十六年十一月十日
  1. 2014/11/10(月) 01:11:25|
  2. | コメント:0

いつかの海

いつかの海









まだ夏の残る海

しなやかな風が旅を始める

ひかりを乗せていく小さな波

きらめく縮緬の海


君は空色格子のワンピース

白いパンプスを両手に下げて

海と空の合間を縫って歩く

裾を濡らして跳ねるのは

細やかな風のいたずら


これで良かったんだね

わたしの旅の終り近く

風は岬の松林を抜けて言う

荒ぶる海も今はなく

思い起こす旅のあれこれ


芦野往人

平成二十六年十一月八日
  1. 2014/11/08(土) 06:17:36|
  2. | コメント:0

月ごろも

月ごろも










やわはだに月ごろもまとい

ほのかに染まるを恥じらう

秋の花 薄絹に透けて

零れる吐息がゆれている

湖面の月ごろも乱れて

愛の妖しさを曳いている

問い続ける想いの重さ

月ごろも青く深く包みこむ





芦野往人

平成二十六年十一月六日


  1. 2014/11/06(木) 11:40:08|
  2. | コメント:0

白いタンゴ

白いタンゴ













朱の薔薇の秘めきれない想い

季節残りの晩秋の舞台

風に舞う雪の中のあなた

奏でる曲は白いタンゴ

情熱を隠す手風琴の調べ

愛することは苦しみを抱く事

めくるめく恋の思い出

足を絡めて踊り続ける





芦野往人

平成二十六年十一月四日
  1. 2014/11/04(火) 08:19:28|
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