鏡に映して

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

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古端渓

古端渓




夜明け前の

穏やかな心留めて

静寂の中に墨をする

月を誘う古端渓の海

氷上の筆の舞

凝縮した空気は

ゆるやかに溶けていく




藍の波




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  1. 2012/10/31(水) 19:27:07|
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残影

残影






天頂に下弦の月はとどまり

深すぎる夜に戸惑いながら

肌に刻まれた傷を広げて見せる

ゆるやかな季節は瞬時に流れ

かき消された故郷に

哀切が夜を繋いでいく

糸を繰り出し痩せる月

残影が新月になるまで





藍の波


          

  1. 2012/10/31(水) 02:20:05|
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ダンスをあなたと

 ダンスをあなたと




                 

腰に手を回しわたしを誘う

自然にステップをふませるの

ごめんハイヒールを脱ぐわ

素足であなたと踊りたい 

気取らずあなたに甘えてみせる

薄めにルージュをひいて

何も言わずに口づけするの

ダンスの後のわたしとあなた





藍の波

  1. 2012/10/31(水) 02:14:37|
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傘物語

 傘物語







不意の雨に新宿は哭いた

傘を持つ腕に体重をわけて

濡れる肩を互いにかばう

あの花柄の小さな傘のなかで

二人は無言で縁の濃さに哭いた


色褪せた遠い記憶に傘を開いて

受けとめられない現実をみる

こびり付いた鉄さびに

超えられない歳月

耳を塞いで時をやり過ごした日々


東京駅のドームに雨が滲みる

置き去りにされた小さな花柄の傘

秋の雨が何時までも降り続く

真新しくドームが現れて

縁のなさにやりきれない蓋をする







藍の波




  1. 2012/10/30(火) 20:52:40|
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秘める夜

秘める夜








都会に薄墨が流される

夜を演出するものたち

黒翅が妖しく舞う前に

やがて来るだろう喧噪をさけて

池之端を行く人のかげ

明日の朝に残す語らい

うすい夢を織込んで

秘める夜のひととき






藍の波



  1. 2012/10/29(月) 21:12:55|
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もみじふたは

  もみじふたは

  水面を染める

  滝音に振るえおびえ

  堕ちて知る想いの深さ


  もみじふたは

  翻弄されてもまれ

  逢いまみえる別れ淵

  重なり抱きしめ

  蜘蛛の糸を染め上げ

  薄い胸をあわせる

  流れ堕ちる先まで

  もみじふたは

  水面に染める愁いを





藍の波



  1. 2012/10/28(日) 20:23:18|
  2. | コメント:0

花のように

  花のように上を向いてみよう

  蒼空に役者が揃っている

  花の誇りが浮かんでる


  ありのままを受け入れる知恵

  咲くことも枯れることも

  限られたいのちの証

  花のように蒼空をみる

  洒落た台詞が聞こえてくる

  捨てたもんじゃないと




             藍の波


  1. 2012/10/28(日) 20:02:02|
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手紙

 手紙




                

手紙を書きたいときがある

仕合せかなどと尋ねない

忘れていても構わない

だから突然ゆめに出てこないで

哀しそうな顔しないで

お願いばかり書いた

あなた宛になっている手紙





藍の波





  1. 2012/10/27(土) 23:53:24|
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 絶望の果て 

 絶望の果て  







   二頭立ての馬車

   荒んだ心を駆け抜ける

   病んだ心を駆け抜ける

   柔な心を轍に落す


   二頭立ての馬車

   新月に轍を消して

   闇の中に駆けていく

   口を閉ざして駆けていく


   二頭立ての馬車

   哀しみ届かぬ道ばたに

   微かに流れる花のこう

   たてがみ乱して駆けている





             藍の波



  1. 2012/10/27(土) 23:39:04|
  2. | コメント:0

戯れに

 戯れに


              

ひとなみに恋をした

ひとなみに失恋した


書けばたったこの二行

語れば語り尽くせない

氷山のようにただよう

時々溶け出しては困らせる


綺麗な人かと問われれば

指折ってきみを数えてみせる

たまらなく好きだった所作の数


偶然の重なりの必然

神の戯れは時に気まぐれ





藍の波





  1. 2012/10/27(土) 23:30:26|
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個展

 個展






八重洲の小さな貸画廊

初老の画家の水彩画個展

薔薇の絵ばかり二十点余り

寄り添うように清楚な詩

受付の夫人の言葉

融合して紛れるでもなく

自然にこころに馴染んでくる


薔薇の詩を書こうとして

あの透明感こそ今欲しいもの

あの時の絵筆の打擲

目玉が飛び出て

新しい言葉を探している


              




藍の波





  1. 2012/10/26(金) 22:15:53|
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クマンバチ

 クマンバチ





ずんぐりずんぐりクマンバチ

バラの花の蜜集め

おなか一杯に貯めすぎて

ころころメタボのクマンバチ

何処がお腹かお尻やら

黒いズボンが落ちそうで

サースペンダーが放せない

黄色いスカーフを自慢げに



藍の波







  1. 2012/10/26(金) 08:44:55|
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口紅

 口紅






誕生祝いに口紅がいいという

下着売り場と同じくらい恥ずかしい

汗が止めどなくあふれた


販売員が笑いもしない

丁寧にリボンをかけた口紅


ありがとうの笑顔

お礼に少しづつお返しするわね


何年もすぎて

口紅のお返しは済んでいるらしい







            藍の波



  1. 2012/10/26(金) 05:02:06|
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好きになる

好きになる





何故 人を好きになるのだろう

瞬時 至福に堕ちてゆく

苦悩と背中合わせの仕合わせ

好きになった時から始まる

たとえ愛憎の谷間に堕ちても

怖れるものはなにもない






藍の波







  1. 2012/10/25(木) 20:50:27|
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朝露

朝露






朝露が宿り

花びらを伝い降りる前

小さなガラス瓶に集めて回る

花びらの井戸に羽を濡らす

天使達は草の籠に入れて

朝露の粒に光を転がしている






           藍の波


  1. 2012/10/25(木) 09:17:00|
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祈り

祈り





祈ったことがある

遠い昔の初詣

二人が添えるように

合わせる手のひらに重ねた想い

祈りを問えば

あなたは寂しげに






藍の波






                




  1. 2012/10/25(木) 09:05:28|
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佳き人に

 佳き人に









佳き人に出会い

佳き言葉を知る

現在を共有する喜び

人と出会うことの仕合せ

君いればこそ花の便り

君いればこそ月の儚き

佳き人に出会い紡ぐ言葉







藍の波









  1. 2012/10/23(火) 23:19:39|
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初恋

 初恋






微笑みが心につもる

明日の打ち明ける言葉

浮かんでは消える

高ぶり焦がれる想い

君の清潔な明眸

君の呼吸が聞こえる度に

書き連ねる君の名前





藍の波


  1. 2012/10/23(火) 23:15:32|
  2. | コメント:0






秋に寄り添い詩

ピアノにおどるほそい指

現実から逃れてひとしきり

今もむかしも変わらない

こころさざなみ恋のうた


ピアノの音が風をゆらす

秋なのね ぽつりといって







        藍の波

  1. 2012/10/22(月) 19:55:32|
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新宿

 新宿





雑踏に何の感慨もなく

音のない世界を彷徨っている

刺激的な音はあの夜に消え

新宿の街は熱風にあえいでいる

黙っていても通じていた想い

赤裸々に語られ灰にもなれず

新宿の街に降り注ぐ






               藍の波






 
  1. 2012/10/22(月) 19:09:39|
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熱情

 熱情







泉のような眸が

めくるめく恋に誘う

綺麗な指を絡め取り

背後から君を抱きしめる

まといつく朱い血の流れ

床を転がるコインの音







          藍の波







  1. 2012/10/22(月) 18:59:05|
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クレーン

 クレーン







クレーンの長い首に

冷たい雨が降り注ぐ

国立病院の高い増築現場

旧い病棟から眺める少女


旧い病棟の少女の眸に

青空のちぎれ雲

白い花束を届ける笑顔








藍の波









           
  1. 2012/10/22(月) 18:55:21|
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花言葉

花言葉






雑木林の道端に咲く

花の名を問うて君は

得意げに小鼻を動かし

花言葉を詩のように詠う

木漏れ日を縫う

小鳥の囀り

青空の梢に気配感じて







藍の波







           
  1. 2012/10/22(月) 18:53:03|
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孤独の闇

孤独の闇





孤独の糸を引く闇

疲れ果てて腰をかけ

友よ闇を引け

森の奥の白樺の

梢にかける闇の糸






       藍の波







 





  1. 2012/10/21(日) 21:58:26|
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友に預ける

友に預ける



                

ある日突然僕は消える

僕の身体の中の反乱軍が

内なる炎で燃えつくし

喜びの凱歌を上げるとき

僕の命は一条のけむりになる


友よ嘆くな

妻に言い聞かせてくれ

泣いて明日を閉じるなと

本箱の本はゴミとして処分

書箱の古い恋文の束と日記

詩と名をつけたもの

鳩サブレの缶に入れたまま

おまえにあずけていく

あれには数編の詩をやってくれ


ある日突然僕は消える

お前の心にいるなどと言って

妻を泣かすな

僕が想いを残さず

ちょっと出かけたと言えば良い






藍の波





                 

  1. 2012/10/21(日) 21:10:10|
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横浜の匂い

 横浜の匂い





馬車道からゆっくり歩く

桟橋の潮風に吹かれて

噛みしめるように歩く

様変わりに戸惑っても

昔の海の匂いがする


お洒落な人が歩いてくる

白いスカート揺らして






           藍の波








  1. 2012/10/21(日) 08:32:35|
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安らぎ

安らぎ





いつまでいても良い

心安らぐと言うなら

野辺の倒木に腰掛けて

冷え切った身体を抱きしめて

冷たい指を握りましょう

心に温風届くまで






            藍の波






                 


  1. 2012/10/21(日) 08:30:34|
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憩いの時

 憩いの時




               

たわいのない話

ゆらたう珈琲の香り

琥珀の中の白いワルツ

緩やかにともえかさなり

天井の灯り一つぼんやり

眠りを誘う春の午後

時計はひそひそ話をやめて

聞き耳をたてている





藍の波


  1. 2012/10/21(日) 08:26:56|
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ソーダー水




問われれば

少しだけ不仕合わせ

針の先の赤い痛み

少しだけ不仕合わせ

ソーダー水が喉にしみて

泡沫の時を知る

出会いに意味があるから

少しだけ不仕合わせ

時が命を紡ぐ限り

指先をさす薔薇の棘






        藍の波



  1. 2012/10/20(土) 21:49:39|
  2. | コメント:0

窓辺

窓辺





交差点で出逢うのは

自分によく似た一人の自分

ウィンドウ越しに片手をあげて

「やあ」 と言って会釈する

過ぎた歳月から浮かび来て

あれからどうしたと君は問う

予想した通りだと君は言う



二人の自分を見ている自分

珈琲の窓辺に時間が通る








            藍の波
  1. 2012/10/20(土) 20:01:54|
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