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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

真贋 K86

             真贋






            多数に迎合せず

            真剣を研ぎ澄ます


            真贋の見極めの放棄

            悪貨良貨を駆逐する

            低いところに群れをなし

            言葉うすきに酔いしれる

            昔人の美しい言葉の連なり

            誇り高き朗々とした響き

            失われてその志は何処に

            贋に心よせる安易さよ




                            阜可 忠

                    平成二十三年五月十五日(日)

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  1. 2011/05/15(日) 20:17:54|
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お袋 K85

             お袋




           母を送った日は土砂降りだった

           地球上の全ての雨が落ちてきた

           お袋の病を綺麗に流す様に


           大切にしなかった倅を叩く雨

           感謝の言葉も云わずに仕舞った

           私の苦しみを受けてお袋も泣いた

           不自由な身体で受けてくれた

           小さな肩でただ泣かせてくれた

           人生の節目節目に顔がある

           不器用なお袋

           私を育ててくれて有り難う


           母の日はとうに過ぎた

           仏壇に薔薇を三輪

           薔薇は似合わないと笑っていた



                           阜可 忠

                   平成二十三年五月十五日(日)

  1. 2011/05/15(日) 07:31:45|
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大紫  K84

            大紫





           気流が乱れて雲が渦をまく

           咲き誇った大紫が回って

           風車のように校庭を翔ていく

           力尽きて倒れる花もある


           チャイムが校庭の風を整える

           子供達が弾け出る

           ポップコーンが溢れ出る

           かたかた鳴るのは想い出か


           大紫の蜜を吸っていた

           甘い香りが届いてくる

           隠れた記憶をたぐってみる

           遠い街から手を振る人



                          阜可 忠


                 平成二十三年五月十四日(土)

  1. 2011/05/14(土) 08:27:01|
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昨日の季節 K83

              昨日の季節






             昨年の季節は何処

             昨日の季節は何処

             今は穏やかな波の向こう

             何処に流れていったの

             何処に隠れてしまったの

             写真の中で笑っている

             昨日までの季節の記憶

             涙が爪先までしみて

             初夏なのに凍りついている

             途切れた季節を恨みながら

             昨日の季節を集めている





                             阜可 忠

                     成二十三年五月十三日(金)

  1. 2011/05/13(金) 00:58:39|
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愛あれば K82

             愛有れば





           この漠然とした寂しさ

           荒涼とした地に佇んでいる

           何か詰めずにはいられない


           地平線に連なる曲線が

           青紫の花びらを魅せるとき

           これからの日々が目を覚ます


           この確かな晴れ晴れしさ

           荒涼とした地を耕すひかり

           銀河の中に愛有ればこそ


           幾つもの命を繋ぎきて

           訪れた出逢いの時

           愛の巧みさに思い巡らす



 

                       阜可 忠

              平成二十三年五月十二日(木)

  1. 2011/05/12(木) 20:46:25|
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早朝に K81

            早朝に






           時間がない

           時間がない

           夕べの雨が続いている

           雨を聴くための早起きではない

           夜の鏡を朝が磨き上げる

           初めて映りこんでくるもの

           そのために此所にいる

           時間がない

           時間がない

           今日という日 今この時

           永久に巡ってこないこの瞬間


 


                              阜可 忠

                     平成二十三年五月十一日(水)

  1. 2011/05/11(水) 06:04:41|
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花繋ぎ K79

             花繋ぎ







            花を贈る人

            花を受ける人

            時を得て時を重ねる人

            優しさに瞳あげて

            仕合せの温もりを見る
 

            花を贈る人

            花を受ける人

            お裾分けを少し頂く

            青紫の小さな花の群れ

            触れてみる花繋ぎ





                         阜可 忠

                 平成二十三年五月十日(火)

  1. 2011/05/10(火) 06:36:12|
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紫蘭  K78

             紫蘭





           覚えていてくれたんだね

           今年もあなたは咲いてくれた

           当たり前のように寄り添って

           文句も言わないで小さな鉢

           冬枯れても咲くと信じている

           わたしに寄り添って咲いて欲しい

           この詩をあなたに捧げたい


                           阜可 忠

                        平成23年5月9日(月)

  1. 2011/05/09(月) 22:20:41|
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病院風景 K77

            病院風景






           気を奮い立たせて地下鉄を出る

           雲が千切れていても蒼空は碧い

           新病棟の高い窓は明るい

           トンネルのような口のなか

           はいる人 出てくる人

           思いが交錯して重なる

           背筋をはり医師が通り過ぎる

           深刻さを消す看護婦さんの声

           救われて蒼空を見上げる人

           ノンビリ雲に引かれてみる人


                       阜可 忠

               平成二十三年五月九日(月)

  1. 2011/05/09(月) 21:18:38|
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藤  K65

            藤

                    亀戸天神社にて




           花が池に下がり咲く

           池から花が上がり咲く

           薄紫の鍾乳洞にはいるよう

           太鼓橋の朱い手すり

           ふじ色蜆がむれて飛ぶ

           
         


  

                      

 
                 
           
                      阜可 忠

              平成二十三年五月二日(月)

  1. 2011/05/02(月) 23:01:28|
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薔薇  K64

             薔薇




           庭に薔薇を植えて

           花の匂いを待つひと

           石を並べた花壇

           アーチに小さなとびら

           天使が花の園へ誘う


           出窓に珈琲のかおり

           作りかけの庭の雨

           印象派の絵のような

           やわらかなひかり

           花の匂いを感じている


           庭に薔薇を植える

           土の匂いを吸込んで

           満ち足りた時に憩う

           蔓薔薇をそわせて

           天使のカチューシャ







                      阜可 忠

              平成二十三年五月二日(月)

  1. 2011/05/02(月) 04:05:42|
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シンフォニー K63

            シンフォニー





           ゆれる椅子の夢うつつ

           シンフォニーを聴きながら

           覚めてはまた夢に溶けていく

           奥深い森を彷徨うような

           湖面に足をさす立木を見るような

           うろ覚えの小鳥の会話聴くような

           この至高の時を誰に伝えよう

          









                   阜可 忠

            平成二十三年五月一日(日)

  1. 2011/05/01(日) 17:59:41|
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五月色  K62

            五月色





           五月は若葉色充ちて

           それとも何時もの碧い空

           大きな口の鯉のぼり

           雲を集めて飲込んで

           お腹にあおぞら泳いでいる

           ツバメも川面を掠めてる









                    阜可 忠

            平成二十三年五月一日(日)

  1. 2011/05/01(日) 08:54:05|
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