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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

待ち桜  K008

  

       待ち桜



      待ち桜いずこ

      運河に架かる橋

      打つ雨に落ち込む

      濡れ細るこころ

      差し伸べる手の有り難きも


      明日の花散らし

      待ち桜いずこ

      戻り桜

      今も昔に咲けばこそ

      染井吉野の語り花

                     阜可 忠

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  1. 2011/02/28(月) 05:30:03|
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遠桜  K007

       遠桜





     落ち込んでいる

     落したのは心だから

     立ち直れないほどの落ち込み

     最終電車を降りて去来するもの

     痛む心を引きずって歩いている

     運河に架かる橋

     折からの雨

     ずぶ濡れになって責める心

     慰めの言葉に救われても

     つぼみが堅いソメイヨシノ

     大好きな上野の桜が遠ざかる

                           阜可 忠

  1. 2011/02/28(月) 02:18:46|
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白い肩 K006

     白い肩







   剥き出しの白い肩に触れる



   鍵盤を弾く指が揺れる



   肩に伝わる僅かな体温



   愛しい命の鼓動



   肩をすべる指先



   首筋の口づけ



   碧く傾いている血の流れ





         阜可 忠

  1. 2011/02/27(日) 09:22:20|
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香炉   K005

        香炉



       白薩摩の香炉

       使い込まれた陶工の指

       文様をのせるほや

       四〇〇年の風濤に触れて

       香のたちのぼるゆらぎ

       時を少しふるわせて


                   阜可 忠

  1. 2011/02/27(日) 08:55:12|
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朱鷺色の雪 K004

        朱鷺色の雪






        白い羽根を射貫く


        朱鷺色に染まる雪原


        呼ぶ声が沼を裂く


        一晩中啼いたゆきあらし


        朱鷺色の雪が闇を舞う

                     阜可 忠

  1. 2011/02/26(土) 19:47:57|
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飛翔  K003

 

飛翔   #003





飛翔と言うには小さなつばさ


枯れ枝に貼り付いている


たえまなく流れる水面


移ろう季節の蒼空に


対岸の声を聴いている



渡る風が啼いている


怯えるつばさを愛おしみ


飛翔の時を知らせている


彫刻の様に蒼空を見る


胸の羽毛が波立つ朝に

                    阜可 忠



          平成23年2月25日

  1. 2011/02/25(金) 20:45:01|
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ひかり    #999

ひかり    #999





満ちる時にあわせて

細い糸を紡いできた


大地の紅い月から

寒風に磨かれて透ける月

つづり初めを照らして

いま言葉の幕を引く燦めき


ひとすじの光あたえて

至高の頂きに登るケルン




                阜可 忠

        平成二十三年二月十八日(金)



           御礼の言葉


約二年間、私の詩をお読み下さり本当に有り難うございます

お陰様で本日、九百九十九編の最終詩をUPすることが出来ました。

これもひとえにお読み下さる皆様方の後押しを頂きました上での事。

重ねて御礼申し上げます。

明日以降は一休みの上、また新しい時を数えることになります。

変わりませず応援の程宜しくお願いいたします。

                      阜可 忠

  1. 2011/02/18(金) 22:44:37|
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仕上げの時  #998

     仕上げの時  #998




     仕上げの時は今

     手のひらの中の脱力感

     散光となって虚空に入る


     二編の舞衣ひるがえし

     二年の歳月をへて

     君しるや一抹の寂しさ


     仕上げの時は今

     明日に繋げるゆめ

     ためてこころを放つ

                      阜可 忠

  1. 2011/02/16(水) 11:47:20|
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旅支度   #997

     旅支度  #997





   温かくなったら旅をする

   こころの中で旅をする

   旅の準備に過ごすとき

   昔の旅の片割れが

   身を乗り出して語り出す

   あなたは詩人と告げて去る


   昔を鞄からかきだせば

   詰めて埋まらぬ旅かばん

   読みかけの本は置いていく

   謎の時間も捨てていく

   少しのお金と時刻表

   こころの中の旅支度

                 阜可 忠

  1. 2011/02/16(水) 07:54:10|
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独り雲    #996

    独り雲  #996 




  命削れば詩が細る

  綴るこころに透ける風

  つないで流す独り雲

  命預けるあのきしに

  待ってくれるか白の人

              阜可 忠

  1. 2011/02/16(水) 06:38:31|
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命   #995

     命   #995





   命を照らす今宵の月は

   残す詩編にかかる月

   数えて過ごす春までは

   過去詩を辿れと言ってみる

   四半世紀の三重ね

   ゆめに遊んだ今宵の月は

   残す詩編の数え歌


                阜可 忠

  1. 2011/02/16(水) 06:03:39|
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春待ち月  #994

    春待ち月  #994
 




   春待ち月が揺れている

   梢行く風が突き刺さる


   春待ち月は吊り灯籠

   雪の城跡けやき道


   春待ち月が肥えるのは

   想い温め孕むとき


   春待ち月を笠にして

   尋ねる歴史の残る街


   春待ち月が揺れている

   静寂小舟の舳先月


                 阜可 忠

  1. 2011/02/16(水) 05:33:41|
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花   #993

   花  #993






  花が来る

  南の蒼空からやってくる

  くもの糸の熱気球


  一つ落して二つ花

  二つ落して四つ花

  花のくさりで繋いで歩く


  春が来る

  熱い想いの雪の街

  芽を吹く土の音がする

                 阜可 忠

  1. 2011/02/15(火) 09:50:32|
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     朝




    手探りの朝

    戸惑いの朝

    傷つける朝

    望まない朝

    闇に戻る朝

    雪の積もる朝

    手探りの朝

                   阜可 忠

  1. 2011/02/15(火) 07:32:09|
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くもの糸   #992

くもの糸 #992





  くもの糸が流れる

  蒼空を立ち登る

  狼煙のように手探りで


  季節逢わずのくもの糸

  旅する人に届かない

  烟のように消えていく


  あれはどの季節

  露を繋いで陽を透かす

  燦めいた首飾り


  くもの糸が流れる

  旅する人に届かない

  風のように消えていく

                   阜可 忠

  1. 2011/02/15(火) 07:21:16|
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一   #991

    一  #991





  紛れもなく一を刻む

  森を抜ける曲がり道

  もうすぐ訪れる永遠

  冬の夕陽の穏やかさ

  髪飾りゆれて走り去る
   

  紛れもない一を刻む

  Xに代入するもの

  解いてみる曲線

  詩にあて嵌めて一つ

  愉しき時の移ろい

              阜可 忠

  1. 2011/02/14(月) 04:45:30|
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惜しむ   #990

惜しむ   #990





 

   この世に生まれて何を惜しむ

   奇跡のような時を重ねて

   此の出逢いの一瞬

   ありとあらゆる才能

   何を惜しむものがあろう

   此の出逢いの一瞬のために

   あなたは輝きを放つ


   この世に生まれた意味

   問うことなどもうしない

   惜しむものは何もない

   同じ時代に生まれたよろこび

                        阜可 忠

  1. 2011/02/13(日) 19:46:38|
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白い女神 #989

   白い女神   #989




何処よりおりし女神

白い馬車のおと

雪ひかり敷き詰め

御者の黒いシルクハット

女神の衣をいざなう

ひと粒の真珠つまみきて

                 阜可 忠

  1. 2011/02/11(金) 20:52:51|
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微笑み   #988

    微笑み  #988





   修羅の刃おさめて

   吹き上げの谷の上に立つ

   忍び這い上がるガス

   はいまつの尾根道を隠す

   岩テラスに雲風をさけて

   微笑む小さな花

   もう修羅には戻らない

                阜可 忠

  1. 2011/02/10(木) 10:25:31|
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眠り

    眠り



   ひととき眠れば

   良い考えも浮かぶもの

   良い知恵が浮かぶもの

                     阜可 忠

  1. 2011/02/09(水) 12:01:19|
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絶望の果て #987

    絶望の果て  #987






   二頭立ての馬車

   荒んだ心を駆け抜ける

   病んだ心を駆け抜ける

   柔な心を轍に落す


   二頭立ての馬車

   新月に轍を消して

   闇の中に駆けていく

   口を閉ざして駆けていく


   二頭立ての馬車

   哀しみ届かぬ道ばたに

   微かに流れる花のこう

   たてがみ乱して駆けている

                   阜可 忠

  1. 2011/02/09(水) 10:45:12|
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無   #986

  無   #986




紡ぐ言葉無く

叫ぶ言葉無く

書いては消す御所車

乗せる言葉無く

虚ろな言葉が糸をひく

                     阜可 忠

  1. 2011/02/09(水) 10:22:40|
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吐息   #985   

     吐息   #985



   己に課すはりの山

   価値のない企み

   心安まらぬ戯れ詩

   覗いた惑いの世界

   虚構の吐息もらして                   阜可 忠

  1. 2011/02/09(水) 10:18:45|
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仏像    #984

      仏像   #984





   像に嵌められた玉眼

   凡庸から至高の時へ

   ひかりの階段を上る

   修羅をなだめ

   虚飾の時を遊ぶ

   一言流句に泳がず

   守るべきものを知る

   つぶれかけた隻眼を開き

   恐れ戦き音を見る

   流れゆく時に浮かべて

                     阜可 忠

  1. 2011/02/09(水) 09:34:11|
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清浄の時   #983

    清浄の時     #983





   語り尽くさんとして

   今宵また巡り来たるとき

   湧きいずる言葉のいずみ

   飽きもせず耳を傾ける


   時は既に過ぎ去り

   また巡り来たるとき

   重ね合い削ぎはぶき

   時を煮詰めていく


   語り尽さんとして

   今宵また巡り来たるとき

   攪拌して濾過していずる

   清浄の時は掌中にあり



                 阜可 忠

  1. 2011/02/07(月) 22:05:42|
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人ありて   #982

 人ありて    #982






人を思いやる余り

居場所の無くなる人

人のためにこころ痛め

羽を振るわせている

傷つきもだえる人

同化して負を背負う

報われるをもとめず

使わされし人ありて

               阜可 忠

  1. 2011/02/07(月) 19:51:14|
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雨  #981

    雨    #981




   小刀で刻む雨がふる

   音はせず音に落ち

   広重の雨のいと


   思い人の心に堕ちる

   音はせず音に落ち

   崩れて抱くあめの傷

   広重の雨がふりつける

   紙に映した細い雨

                  阜可 忠

  1. 2011/02/06(日) 21:48:47|
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新月   #980

    新月     #980




   新月の夜

   カラスが飛んだ

   夕陽に落したトンボ玉

   緒締めなくして雪袋
 
   闇の梢の雪花が

   トンボ玉に散りかかる

   
      


                 阜可 忠

  1. 2011/02/04(金) 22:46:21|
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留守にします。

お出で下さり有り難うございます。
申し訳ありません。
少し留守にします。

  1. 2011/02/03(木) 13:50:58|
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僕の言葉 #979

   僕の言葉    #979







   何の価値もないことば

   何も作り出せない言葉

   僕の言葉の上っ面

   深み無いことば

   こんな言葉は要らない

   何の価値もない

   僕の言葉

   もう心に響くものはない

   何もないただの空気の震え

  1. 2011/02/03(木) 10:49:40|
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