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鏡に映して・分水嶺に咲く花

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(阜可 忠:藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

虚山     #930

  虚山











虚山は南海はるか

雲と霧が交差するところ

大陸棚の円柱の天辺

伝説に言う円柱の楽園

黄泉の国を通り抜けて

いたるみちをたどり

なお数年の道のり

誰も確かめたことはない




                阜可 忠

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  1. 2010/12/31(金) 11:15:29|
  2. 出逢いの時
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雪たより

     雪たより



   雪たよりが舞い降りる

   紅い鼻緒が切れた夜

   肩にさしかける蛇の目傘

   白い指先凍えて泣いた


   雪たよりの舞すがた

   みちゆき朱くそまる夜

   紅い鼻緒すげかえる

   肩においた指のしなやかさ


   雪たよりになみだする

   ふたりあるいた銀座みち

   はかた帯のふくらみに

   とけて流れるゆきのあと


   雪たよりがお城に残る

   読んでも読めない薄記憶

   歩いた時間を逆さにしても

   紅い鼻緒に戻れない

                  阜可 忠

  1. 2010/12/31(金) 09:20:40|
  2. 出逢いの時
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雪の金沢

    雪の金沢



   あの時は雪の正月

   金沢行の夜行列車

   小さなボストンバッグ

   コートの襟を立てていた

   雪の金沢駅に降りていた

   新しい時間を探していた

   迷い込んだ武家屋敷

   傘を差し掛ける人もなく

   笑顔で話す人もなく

   雪吊り松をみつめてた

                  阜可 忠

  1. 2010/12/31(金) 08:36:07|
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冬旅

      冬旅



    紙のような残り人生

    言葉の群れを解き放つ

    君の心を染めるもの

    微かな文字の跡

    寒風に埋まる前に

    君の選択の一部となろう

    冬旅のたよりをまとめる

    小さな言葉が群れ遊ぶ

    宛名も書かずおいてでる

    紙のような残り人生
    
    君の心においていく

                阜可 忠

  1. 2010/12/31(金) 05:47:16|
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深淵

       深淵



      誘う人の深淵は

      堕ちて戦く海溝に

      果てなく沈むひかり影


      触れれば壊れるガラス糸

      陽光させば虹になる

      深淵つなぐひかり糸


      砕けて堕ちる海溝に

      月のなみだを真珠につなぐ

      神話の女神の胸に咲く


      誘う人の深淵は

      堕ちて焼かれる帰し歌

      深さを読み取る術も無く


      深淵たどれば空になる
 
      群青染まるひかり糸

      この身に結ぶくもの糸





             阜可 忠

  1. 2010/12/31(金) 03:43:28|
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愛    #925

    愛



   愛を語っても

   愛を見たことがない

   愛に触れたこともない

   愛と確信してわずか

   愛の錯覚を知った

   愛に嫉妬はあるのか

   愛は憎しみに変わるのか

   愛はガラスのように危うい

   愛はすきまかぜ
 
   愛を感じるかぜ

   愛を抱きしめる一瞬

                   阜可 忠

  1. 2010/12/30(木) 02:50:25|
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雪闇

     雪闇





  最初の小さな鈴の音が

  何時か大きな群れとなる

  雪闇に白馬が翔ていく

  鈴の音で空を飾りながら

  しゃんしゃんしゃん

  しゃんしゃんしゃん

  氷りそうな空を行く


  われそうな胸に手を当てる

  少女の浅い眠りが融けるまえ

  ゆめを探して彷徨う前に

  ゆめをつくろう鈴の音

  しゃんしゃんしゃん

  しゃんしゃんしゃん

  氷りそうな空を行く

              阜可 忠

  1. 2010/12/30(木) 01:47:19|
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羽を失った蝶

 羽を失った蝶



そよとも吹かない風に

残り葉がふるえる

読まれない手紙のように

収斂する葛藤のきれぎれ

羽を失った蝶

螺旋階段を堕ちていく

残り葉の様にふるえて

              阜可 忠

  1. 2010/12/29(水) 21:57:07|
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  冬




尖った空気が胸にささる

無数のあなから空気がもれる

かじかんだ指に吹きかける

            阜可 忠

  1. 2010/12/29(水) 07:33:32|
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拍子木

 拍子木




夜回りの拍子木

かわいたおとがする

月の光を弾いて響き渡る

年末の空気を圧縮して運ぶ

夜回りの拍子木

               




          阜可 忠

  1. 2010/12/28(火) 21:39:14|
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今      #920

 今



音もなくこぼれ落ちる

今という時間

もどることのない

崩れる石膏の空に

雲を散らす乱れる風

失った時間はどこに







                阜可 忠

  1. 2010/12/28(火) 21:22:54|
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歪んだ時が消えて

 歪んだ時が消えて






待たせることも出来ない

幼なさに任せた日々

想いの丈だけが降り積もる

欠けた歯車が回り続ける

詩人であろうとする人

待つことを拒否する人

現実の空を翔る人

待たせることも出来ない

歪んだ時が消えた今

穏やかな年の瀬

通り過ぎる人の群れ

歩み来たる人みつめて




        阜可 忠

  1. 2010/12/27(月) 10:36:13|
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白樺

 白樺



純なもの研ぎだされ

映してみる湖面

たち込める冬霧のなか

あなたの車のライト

ひとみはりつけて

白樺のはだよりぬけてくる


純なもの研ぎだされ

白樺の梢より堕ちてくる

朱色の革の手袋のさき

鈴の音しみて帰しもの

いっしゅんの誓いことば

永遠に信じるものありて



        阜可 忠

  1. 2010/12/26(日) 22:59:26|
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口笛

 口笛



口笛を吹かない人

幸福が逃げるから

口笛を吹く人

幸福を招きたいから

口笛をせがむ人

組んだ指から伝わる

足音に仕合せが弾んでいる





              阜可 忠

  1. 2010/12/25(土) 11:55:17|
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雪に透けて

 雪に透けて



最後の乗客が降りて

雪が駅舎を包みこむとき

隠れた時間が露わになる


抱き続ける幻想を離れて

雪に色のあることを知る

雪の言葉の温もり


大切なのは誠実さ

ひたすら降り積もる

深海の人の知らぬところ


最後の乗客が降りて

雪が駅舎を包みこむとき

白熱灯が透けて見えるとき


                阜可 忠

  1. 2010/12/25(土) 09:24:23|
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鈴の音にミルク溶かして   #915

鈴の音にミルク溶かして
           


雪の降り注ぐなか

イブの街をかける

鈴のおと遠く近く

ミルクのゆげゆらして


病まされて痛む心に

泣きながら眠についた

すべての子のくちびるに

ミルクをながす


鈴の音にミルク溶かして



                
       阜可 忠

  1. 2010/12/23(木) 22:39:48|
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紅い月

 紅い月





青い月がかけ始め

紅い月に変わるとき

二頭立ての馬車が門を出る

兵卒は一番長い夜の祝いで

蹄の音に気付かない


紅い砂を空の轍に蒔き残し

二頭立ての馬車は氷上を行く

ポラリスの光をたぐり

青い月がもどるころ

静寂にのこるシルエット 



                阜可 忠

  1. 2010/12/22(水) 12:11:39|
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踊ながら

 踊ながら
                 


口ずさむクリスマスソング

二人だけのディナーショウ

だきしめて静かに踊る

ちいさな灯り紡いで

ひと冬の雪ばら


飾りのない窓のシルエット

瞳見つめ合い指を重ね

少しのワインに酔って抱かれる

この夜に世界が崩れても

埋もれてみる時の果てまで


せなかに手を回し引き寄せ

合わせる胸の鼓動

スローなテンポに揺れる

二人だけのクリスマスソング

ひと冬に足りない調べ
                  
          



            阜可 忠

  1. 2010/12/20(月) 09:11:04|
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まどろみ

 まどろみ 

         


すでに目覚る時

ひかり来たりて

小さなドアーを叩く

予感たぐり寄せ

温みをまとうまどろみ

気息おだやかに迷う




         阜可 忠

  1. 2010/12/19(日) 07:14:14|
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よろこび

   よろこび
            



  贈る人がいる

  それが孤独でない証

  贈られる人がいる

  離れていればこそ

  心を添えて届く明日

  それが独りではない証

  いのち揺らいで

  また待つ心生まれて



                阜可 忠

  1. 2010/12/19(日) 05:07:26|
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燦めいて  #905

 燦めいて               


衣の堕ちる前に

白い指で端をつまむ

浮かび上がるあなた

産毛がきらりと燦めいて

なめらかにすべる肌の線

ぎゃく光のくちびるを受けて

薄絹に透かし込むうす紅

爪の先まで染めて



           阜可 忠

  1. 2010/12/18(土) 07:29:58|
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 花
              阜可 忠


白い花のむれ

ピンクスキン一輪

密かにくちびるひいて

匂いかすかな風に

ささやいている

咲いていると告げて

  1. 2010/12/17(金) 06:03:04|
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石の下で

石の下で



      としをへて

かんがえるときがある

そんざいをしるじぶん

ななめにみるじぶんがいる


ろぼうのいしのした

ねむるものたち 

うごめくものたち

しょくもつれんさのかなしみ

生をうけ生をつなぐものたち

ろぼうのいしのしたで

くさのたねやらを抱き寄せて



            阜可 忠

  1. 2010/12/17(金) 05:22:29|
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血流

    

   血流




   

目覚めて知る時の深さ

失うものを知ったときから

つきまとう確かな不安
 
壁に投げつけることもなく

枯らすしかない時のながれ


しんぞうは祈るこぶし

花のつぼみに似て

頑なに生を主張する

失うものと出逢ったとき

足下からあがる冷えた血流


             阜可 忠

  1. 2010/12/16(木) 04:21:54|
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トンボ玉

     トンボ玉



    小さな指が迷っている

    朱や藍色や緑色

    トンボ玉がつめそめる

    これがすきなの

    ママは微笑んでいる

    薄いピンクのトンボ玉

    小さな手のひらに転がった


              阜可 忠

  1. 2010/12/15(水) 23:11:06|
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流氷    #900

    

     流氷



  流氷に乗る大鷲

  水平線に思い残す事あれば

  身じろぎもしないで三日

  流氷のうねりに似た咆吼

  死さえ怯え避けて通る

  オホーツクは迫り上がり

  届くものは揺らぐ流氷

  大鷲の背を叩く雪くれ

  四日目は雪朝のなみ

  流氷に乗る大鷲


          阜可 忠

  1. 2010/12/15(水) 21:25:58|
  2. 出逢いの時
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それだけで

   それだけで



  あなたが生まれたところ

  ただそれだけで愛しい

  あなたが育ったところ

  それだけで好きになるところ

  あなたが住まいするところ

  それだけで燦めくところ

  あなたと出会ったところ

  うかびあがるときめきのとき

  ちくんと胸が痛むところ


     
        阜可 忠

  1. 2010/12/14(火) 09:53:35|
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冬朝靄 (ふゆあさもや)

    冬朝靄



  冬朝靄が川面を上がる

  プラチナ色の陽光が

  零れて堕ちる幻想に

  靄にながす燦めきか


          阜可 忠

  1. 2010/12/14(火) 00:14:34|
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氷柱水 (つららみず)

   氷柱水 
              



  胸に突き刺さりしみ通る氷柱水

  血の雫となる
 
  天を仰ぐ餓鬼の祈り

  ユニコーンよ角を突き立てよ

  折れよとまでに餓鬼の胸に

  氷柱のように奥深く

  流れ出る血を清めるまで

  氷柱水が胸に沁みるまで                

                阜可 忠

  1. 2010/12/13(月) 21:45:23|
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迷い枯れ葉

    迷い枯れ葉
                


  冷たい風が行き来する

  迷い枯れ葉が舞い上がる


  冷たい風に置き換える

  頭の中の一つの想い

  生まれ変われと追い込んで

  迷い枯れ葉に紛らせる


  冷たい風が吹き抜ける

  自分の半生崩して散らす

  カランと転がる音がする

  頭の中の明日の夢

  迷い枯れ葉が飛び回る



 

           阜可 忠

  1. 2010/12/13(月) 21:08:34|
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