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鏡に映して

いつも、お読みいただき有難うございます。目を閉じて見えるもの。著作権は私(藍の波及び芦野往人)にあります。掲載内容の変更、および全容の削除などをご了承なく行うことがあります。ご了解をお願いいたします。

残影

残影










振り返ることが多くなった

考えるともなく振り返っている

あのときの匂いが戻る筈もなく

大切なものを探すように

失った時間を埋め戻すように

あなたの好きな言葉

好きなものに囲まれているあなた

跡形もなく大雨は流そうとするけど

他人はしたり顔で言うけれど

前のみを歩いて行けと


僕は僕の中の僕を棄てはしない

僕は僕の中の僕に言う

あと少しの時間だから

好きなようにする 僕にかまうな

それが人生の帰結ならそれも可と



藍の波

平成三十年八月十七日
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  1. 2018/08/17(金) 23:19:41|
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ラベンダースティック

ラベンダースティック









部屋に漂うラベンダーの香り

あなたの手になる匂いスティック

伊万里鶴頸に活けられて書物の合間

一息つける私を見守るように


こうして何年もたって

今は幽かな香りのみして

白いハンケチに移りかおり偲ぶ

まどろみに墜ちるひととき




ainonami

 平成三十年八月十日
  1. 2018/08/10(金) 09:47:37|
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焼き場に立つ少年

焼き場に立つ少年










どんな灼熱の陽も寒い

今年も地獄の記憶がやってくる

広島と長崎の原爆忌


写真の少年に涙は既になく

唇をかみしめ苦しみに耐えている

少年の背中の弟は動かない

おんぶ紐から解かれて火葬される弟

言葉も涙さえも何の意味もなく

直立不動の彼の憤怒を越えた哀しみ

噛みしめた唇に朱の滲み

だれがどう言い逃れし様が

この現実を釈明できない


ジョー・オダネル氏の此の写真

焼き場に立つ少年

彼の消息は何も分からない

不動明王の悲しみを僕は見たのだ




実は私はこの写真を知りませんでした

瑠璃唐草とチー様のブログで拝見して

言葉無くただ涙するばかりでした

この写真を残してくれた米軍の

ジョー・オダネル様に深い敬意を表します

世界中の指導者の愛読書にと

願ってやみません

瑠璃唐草とチー様、ご紹介くださり有難うございます






藍の波

平成三十年八月三日
  1. 2018/08/03(金) 12:06:47|
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俺だけど

俺だけど









電話の向こうの声

俺だけど 俺だけど

俺おれ詐欺にしては声が幼い

どちらの俺さんですか

俺だけどとまた繰り返す

聴きなれた五年生になった孫の声

僕だけど 僕だけどと言い換える

どちらの僕さんでしょう

とぼけて問いかける

和だよ ふくみ笑いがする

してやったりと得意顔している

えっつ 和くんか と驚いた振りをする

そうだよ 和だよ

用件は母親と遊びに来たいと言う


うんざりする今年の暑さ

いっとき涼しい風が流れてきた






藍の波

平成三十年七月三十日
  1. 2018/07/30(月) 10:36:57|
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夜の音

夜の音









頭の中を夜の音が支配する

物の怪が来るわけではない

忌忌と迫ってくる夜の音

夜の灯りを巻き取りながら

意識と無意識の隙間

存在と非存在の合間

脳をゆらして蠢いて

真夏の夜が滲みてくる





藍の波

平成三十年七月二十七日
  1. 2018/07/27(金) 09:17:13|
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